ラグランジュポイント(英:Lagrangian point)とは、
- 天体力学で円制限三体問題の解となる5つの点のこと。(以下で簡単に解説するが、詳しくはググるなり)
地球から宇宙に衛星やスペースコロニーを打ち上げた場合、ラグランジュポイントに衛星を置いておけば、地球と月を視点にしたときの衛星の相対的な位置が変わらなくなる。(※実際は色々な理由で誤差が発生する)
擬態表現をするならば、天体同士の重力の影響がない無風地帯(天体にひかれない地点)ということ。
- 1991年4月26日に発売されたコナミ製作のファミコンRPG。本稿で解説する。
- 小桃音まいの楽曲「ラグランジュ☆ポイント」。
概要
1991年4月26日発売。製作会社はコナミ、キャラクターデザインは細野不二彦。タイトルの元ネタは上記の通り天体用語。
元々はファミリーコンピュータマガジン100号企画として読者からアイディアを募ったゲーム製作企画であった。そのため、ファミマガ誌上で漫画も連載されていた。
あらすじ
22世紀、人類はラグランジュポイント(点)に存在する、スペースコロニー「ランド1」「ランド2」「サテライトベース」に移り住んでいた。
ある時、ランド2でバイオハザードが発生、その後プレジデントファイブ(スペースコロニーを統括する組織)のオレギ・レデスマ・ウェーバーの3人はバイオノイド3将軍を名乗って反乱を起こし、「バイオ軍」を設立した。
地球からの調査隊としてやってきたパイロット訓練生の「ジン」は、ランド1に到着した直後にバイオ軍の襲撃を受ける。調査隊隊長は大怪我を負い、ジンに「シュトルテ博士を探せ」と言い残して死んでしまう。
ジンは同じ調査隊員のデニスと再会し、シュトルテ博士を探す旅に出るのだった……。
ゲームソフトとしての特徴
概要でも説明したが、「読者からアイディアを募った」とあるように、モンスター・曲・設定など、その殆どが一般公募によるものである。特にバイオノイド3将軍の1人「オレギ」は序盤から登場するため、様々な意味で非常に記憶に残る。またファミコンソフトとしては非常に珍しく、VRC7(FM音源)を搭載しているため、「魍魎戦記MADARA」と同じくカセットが大きくなっている。
RPGとしての特徴
武器システム
- BP制
- このゲームでは攻撃やキット(ぶっちゃけるとスキル)を使用するのにBPを消費する。
これはレベルアップで容量が増えず、各町で容量の多いモノと交換する必要がある。
当然BP残量が少なければキットは使えず、武器も使用できなくなるのでダメージが大幅に減少する。
BPは回復アイテムで回復できるが、上手くやりくりしないと攻撃すら出来なくなるため、ダンジョンでの引き際を見極める際には重要となる。
- ランクシステム
- 武器はランク1~ランク6まであり、店で売られているのはランク2まで。
それ以上の武器を求める場合、合成ショップにて手持ちの武器を素材として合成していく必要がある。
ランク1~5までは単体/複数といった攻撃範囲が決まっているが、ランク6の武器は全て複数攻撃になっている。また武器はパワーとブレインが足りていないと装備できないが、ロボットは例外で「ロボパーツ」を使用することで武器が強化される。
- 相性システム
- 武器にはそれぞれ属性が設定されており、キャラクターによって得意・不得意が存在する。
キャラクターと相性が良い武器を装備させることで威力は増加する。
ストーリー
正統派ともいえる、重厚なSF世界観とメカデザインが織りなすスペースファンタジーとでも言えるRPG。
肝心のストーリーは、裏切りや死亡描写などが多く、いわゆる「重い」話(タムの話、バイオ将軍関連)が多い。
そういう意味ではこれまでのRPGとは少し違った魅力を持つ作品と言えるだろう。
しかし大容量を活かした演出、小波矩形波倶楽部によるFM音源を活かしたBGMは評価が高く、ファミコン後期の隠れた名作として記憶に残っている人も多い作品である。
登場人物
パーティメンバーはいろんな場所におり、ストーリーを進めていくことで仲間にすることが出来る。
パーティに入りきらない仲間はサテライトベースにある「ラウンジ」で交代させることが可能。
名前の横の「」はリーダーにした際の戦闘指示(オートモード)について。
戦闘指示によってステータスに補正が掛かったり、AIによる判断が偏ったりする。
人間
「きめわざ」が使える種族。
- ジン・○○○○ 「よくみてたたかえ!」
- 主人公でパイロット訓練生。ランド1にあるイシスシティへ到着して直ぐに謎の集団に襲われる。
- 序盤は力不足だが、徐々に戦士として能力が覚醒していく。ちなみに泳げない。…パイロットのくせに!
- 名前は決まっており、プレイヤーは苗字のみ決められる。唯一「きめわざ」が進化するキャラクター。
戦闘指示は強い敵から攻撃していく。
- デニス 「きめわざしょうぶ!」
- ジンと一緒にやってきた第3次調査隊の一人。イシスシティの地下で仲間になる。
- 彼の「きめわざ」はクリーチャー(機械)に効果がある。戦闘指示は「きめわざ」をよく使うようになる。
- クリス 「HPきをつけて!」
- エレキシティで仲間にできる女戦士。トムトム博士の孫・タムの面倒を見ている。
- メンタル面が弱いのか、「オロオロ」状態を通り越して一気に「ぱにっく」状態になりやすい。
戦闘指示はHP回復判断が早まる。殲滅よりも回復を優先するので逆に余計なダメージを食らうときもある。
※以下ネタバレ
- パーティに入れておくとセラミシティのオレギ戦で「タムの、タムのかたき!」と言いながら攻撃する。
- アストロ 「てきをぶっとばせ!」
- アイアン部隊のメンバー。反抗したため、アイアンシティの地下に囚われている。
- 彼のきめわざ「アストロボンバー」はパーティ全員の攻撃力が上昇する。
戦闘指示は攻撃的になり、「きめわざ」や攻撃を積極的に仕掛けていくようになる。
- リタ 「むりせずたたかいましょう!」
- オレンジキャンプのリーダーで謎めいた女性。「ミュー」という生物と会話することが可能。
- 「HPかいふく4」と「しっかりキット3」が使用可能。デニスと違い、彼女の「きめわざ」はミュータントに効果大。
戦闘指示は回復・補助中心。リタ自身が回復能力に優れているため、サポートとして使いやすい。
サイボーグ
「きめわざ」が使えないが、唯一ロボットの回復能力を持つ。
- キエサ 「まもりをかためろ!」
- サイボーグの一人。セラミシティで仲間にできる。ロボットのHPを回復できる「ロボかいふく」を持っている。
戦闘指示は回復・治療中心。リタとも似ているが、キエサ自身にロボ回復能力があるのでロボにも回復が行く。
- パミル 「のうりょくをゆうこうに!」
- キエサと同じくサイボーグ。サテライトベースで仲間にできる。
- 「HPかいふく」とロボットのみの状態異常「さび」を回復できる「ロボしゅうり」を持つ。
集中攻撃を喰らうとクリス同様「ぱにっく」状態になりやすい。コーンベースに姉がいる。
戦闘指示は能力を活かした戦闘を行う。「きめわざ」や回復も上手く使うので、使いやすい作戦の一つ。
- リュウ 「イシスのゴミとなりやがれ!」
- レジャーセンター跡にいるサイボーグ。
- 二人と違い能力は一切使えず、HPも低い。が、武器を装備するために必要なパワーとブレインが高い。
戦闘指示は武器による徹底的な攻撃指示。回復よりも殲滅を目的にするが、それだけにBP消費も激しい。
ロボット
他2種と違い、普通の武器防具が装備ができない。
専用の武器(ロボパーツ)や防具(ロボテクト)を使用することで能力が強化される。
また一番回復する能力「HPかいふく5」が使用可能。水溜りの上を歩くと状態異常「さび」になってしまう。
ロボットの戦闘指示はどちらも「ヒットエンドラン!」(攻撃と回復を交互に繰り返す)のみ。
- チック
- ロボット工場にいるロボット。唯一「BPてんそう」が使用できる。
- ちなみにイシスシティで裏技を使うとほぼ最強武器を使用できる序盤のバランスブレイカー。
- タック
- ポテトエリアで仲間にできる。チック同様「HPかいふく5」が使える。
関連動画
プレイ動画/実況
TAS・RTA
BGM
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関連項目