畜産とは、人間の生活に役立つものを生産する目的で動物を育てることである。
牛・豚・鶏などを、肉・乳・毛・皮などを生産する目的で飼育すること。広義の農業・第1次産業に含まれる。
エサやり、温度管理、清掃、消毒、トラクターの運転による作業など、日常的にも様々な仕事があるほか、種付け・出産などにも立ち会う必要がある。相手が動物なので、攻撃されてケガ・骨折することもある。
家庭で飼われるペット等は、(「思い出」などの形のないものや、「毛玉」などのあまり役に立たない、販売しにくいものを除いて)ほとんど何も生産していないため、一般的には畜産ではない。ただし、ペットとして後に販売する目的で動物を飼育する場合は、畜産に入れることがある。
また、養蜂も入れることがあるが、養蚕は除かれることが多い。日本の行政上の扱いでは、養蚕は畜産と分けられている。また、魚介類の場合は畜産と言わず、養殖と呼ぶ。
「牧畜」という言葉もあるが、「畜産」との違いははっきりしない。傾向として、「牧畜」の方が放し飼いにされているイメージ、「畜産」は畜舎で飼うイメージが持たれている。また、牧畜は家庭内で消費するものも含まれるが、畜産の場合は販売することが主、とも考えられる。ただし、先に述べたように違いは曖昧である。
なお、「酪農」という言葉もあるが、これは牛やヤギなどの乳・乳製品の生産に限定される。
以下に主な家畜の例を示す。なお、生産量は2021年の直近データから掲載。
「牧牛」と呼ぶことがある。他に「養牛」という言葉もあるにはあるが、一般的ではない。
肉牛の飼育と乳牛の飼育に分かれる。メスが乳牛として扱われる品種でオスが産まれた場合、肉牛になることが多い。
日本の牧場で見かけることが多い動物である。ただし日本の場合、外で放し飼いにされている牛は全体で見れば少なく、ほとんどの時間を畜舎で過ごすものの方が多い。
日本では乳用牛が1,332,000頭、肉用牛が2,503,000頭いる。どちらも北海道の飼育頭数が最も多い。
世界ではインドで最も飼育されている。インドでは菜食主義・ヒンドゥー教の影響で、肉の目的よりも、牛乳・乳製品の目的で飼われているものが多い。
「養豚」と呼ぶ。ほとんどが肉の生産の目的である。乳の量が少ないうえ、効率的な搾乳が難しく、生の状態だと乳に雑味もあるため、酪農には向かない。
畜舎で飼われるイメージがあるが、放し飼いも可能である。日本の飼育頭数は9,189,000頭、鹿児島県で最も多く飼われている。
世界では中国が世界の飼育頭数の半数近くを占めている。一方、イスラム教国では豚肉を食べないため、飼育頭数も少ない。
「養鶏」と呼ぶ。鶏肉と卵の生産が主である。卵を生産しているのは基本的にメスであり、オスは種鶏場と呼ばれる別の場所にいる。現状、卵用種の場合、ひよこ鑑定士がオス・メスを判断した後、オスは種鶏場に行く一部を除いて殺処分されてしまうことが多い。鶏肉向けのものはオス・メス両方がいる。
世界での飼育頭数が最も多い家畜であり、人間の数より多い。サイズが小さいため、畜舎内で2段に分けて飼育されることもある。
日本での飼育羽数はブロイラー(食肉用鶏)が138,228,000羽、卵用種が182,368,000羽。トップは肉用若鶏の生産は鹿児島県、鶏卵の生産は茨城県である。世界の場合は鶏肉がアメリカ、鶏卵が中国。
日本では北海道の一部などを除いてあまり見かけられない。めん羊(毛用の羊)の飼育頭数は約2万頭である。
世界では羊毛や羊肉の生産のためによく行われており、飼育頭数も豚(9.9億頭)より多く、12億頭いる。水の乏しいところでも羊は比較的育つことができる。
「牧山羊」とも「養山羊」とも言わない。肉・乳両方の目的で生産される。
日本では約3万頭が飼育されている。日本での食用としては沖縄で郷土料理として食べられる程度だが、世界では飼育頭数が豚より多い(10.1億頭)。
第二次世界大戦のとき、食料不足を補うため日本にヤギが多く導入された。その後、『となりのトトロ』にも登場するように、日本でも多くのヤギが見られた時期があった(1957年時点で約66万頭)。しかし、高度経済成長以降は食糧事情が好転し、ヤギは姿を消していった。
日本には75,000頭程度が飼育されており、うち4万頭程度は競走馬(約19,000頭)やそれに関連する育成馬、繁殖供用種馬が含まれる軽種馬として飼育されている。他にも、熊本県を中心に馬肉としても食べられ、食肉用の馬は約12,000頭飼育されている。
世界的には競走馬より、競走ではない乗馬の目的で飼われることが多い。
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最終更新:2024/11/23(土) 21:00
最終更新:2024/11/23(土) 20:00
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