米スタンフォード大学の9800万人のスマホ調査で、感染リスクの高い場所の筆頭はやはり断トツでレストランだった。英国でもクラスターの8~17%が英国版イート事業由来という分析があがった。AERA 2020年12月7日号から。
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「Go Toトラベルだけが感染リスクではない。飲食店での感染もきわめて多い」
11月25日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は記者会見でこう述べた。
分科会は会見に先立つ会合で、感染者や重症患者が急増し医療崩壊の恐れがある流行段階の「ステージIII」に相当する地域が複数あるとして、流行地ではより強い措置を講じるよう求める提言を出した。
「強い措置」の筆頭に挙げられたのが、酒類を提供する飲食店の営業時間の短縮だ。同時に利用者に対しても、酒類を提供する飲食店の利用や夜間の遊びを自粛するよう求めた。また、Go To イート事業の運用見直しも求めた。
新型コロナウイルスについて、飲酒を伴うかにかかわらず、飲食店で感染が起きやすいことは、世界のさまざまな研究で指摘されている。
11月10日、米スタンフォード大学の研究チームは、英科学誌「ネイチャー」のオンライン版に、セルフサービスではなく、店員が注文を取ったり料理を運んだりといったサービスを提供するレストランが最も感染リスクが高い、とする論文を発表した。
■レストランで60万人増
研究チームはニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなど全米10都市に住む9800万人の今年3月1日から5月2日までの携帯電話の位置情報を基に、住民が600~3千人程度いる居住地をひとつの単位とし、各地区からレストランやジム、日用品店など、居住地以外の目的地に移動が起こった回数や日時を分析した。調べた居住地区は10都市の5万7千地区、目的地は55万3千カ所にのぼる。
そこに、居住地区や目的地のある地域の感染者数の動向を組み合わせて解析した。同時に、調査対象の期間内にどの都市でもロックダウンが実施されたため、ロックダウン開始の前後での変化も比較した。