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エノモ七十五のつれづれblog

映画やゲーム、食べ物のレビュー・感想を中心に書いてます。

【ネタバレ感想】『イカゲーム』シーズン2 第2話「ハロウィンパーティー」

シーズン2第1話を見て「さすがイカゲーム、おもしろい」と思ったものの、他にもいろいろおもしろいものがあるのですっかりほったらかしにしてしまった。

シーズン2第1話感想はこちら

enomo75.hatenablog.com

ざっくりとした第2話のあらすじ

シーズン1で謎の島から生還した元ギャンブル狂のソン・ギフン(演:イ・ジョンジェ)と警官ファン・ジュノ(演:ウィ・ハジュン)は、謎のゲームの真相を暴くという共通の目的を果たすために手を組むこととなった。

スカウトマン(演:コン・ユ)から手に入れた情報からハロウィンの夜に謎の組織の人間がクラブに現れることを知ったギフンはチームを組織し襲撃の準備を進める。

感想(ネタバレあり)

第1話に続き第2話になっても謎の島で謎のゲームは始まらなかった。焦らす。第1話にあった悪趣味な命のやりとりすらも描かれず少々おとなしいエピソードとなっている。今後の展開のための準備期間、種をまくフェイズといったところか。

第2話から脱北者の女性カン・ノウル(演:パク・ギュヨン)が登場する。彼女は北朝鮮に残った1歳の娘の消息を探る金を稼ぐために仕事を転々としながら車中泊の生活を送っている。こんなに美人なのだからもう少しうまく立ち回れないものだろうか、なんてことを思ってしまうが、ヘアメイクの力で生活に困窮している雰囲気がよく出ている。

シーズン1にもキーパーソンとして脱北者の女性カン・セビョク(演:チョン・ホヨン)が登場した。ゲームを通して彼女と絆を深めたギフンは韓国に暮らす彼女の弟を陰ながら支援している。彼女の父は脱北する際に亡くなり、母は北朝鮮に強制送還され消息不明となっている。

今回のエピソードの中で、ギフンとノウルがブローカー事務所の前ですれ違う場面が描かれた。ギフンはセビョクの母親を探し出すべく、ノウルは自身の娘を探し出すべく、二人は同じブローカーのもとを訪れていたのだ。謎のゲーム開始前の登場人物の人生の交錯はシーズン1でもギフンとセビョクの間で描かれていたが、シーズン2ではよりさりげなく、より念入りに描かれている。シーズン1におけるセビョク同様にシーズン2においてノウルがストーリー上重要な役割を担うことが予想される。いったいどんな活躍を見せどんな結末を迎えるのか楽しみだ。

あとがき

イカゲーム』には中心人物として2シーズン連続で脱北の過去を持つ人物が登場している。私が視聴した他の韓国作品でも「北朝鮮から亡命してきた」という設定をちらほら見かけるので、「脱北者」というキャラ付けは韓国のエンタメではどうやらおなじみのようだ。

実生活でも、隣の隣に住んでいるキムさん一家は脱北してきたとか、同じ職場のパクさんは脱北した夫婦の息子であるとか、そういうことはよくあることなのかもしれない。もしかしてK-POPアイドルにも北朝鮮から逃げてきた人がいるのかなと思い調べてみたら実際にいるようだ。知らない世界がまだまだあるなあ。

第3話ではいよいよデスゲームが始まりそうだ。ギフンとノウルはどうなるのか、ジュノはまたまた潜入するのだろうか。一方で、いったいどんな人間がどうやって死んでいくのか、不謹慎ではあるがそこもまた気になるところである。

たまたま見かけた「カッコイイ」小学生の男の子の話

今日も今日とて日課のウォーキングに出かけた。少しソワソワするようなイライラするような落ち着かない気分だったので「えいや!」と家を出た。

夕方4時の人々

時間は夕方4時頃。まだ日は出ているもののちょっぴり風が吹いていてアウターも肌着も真冬の装備でないとつらい寒さだ。しかしながら寒空の下で吸う加熱式タバコはうまい。家の近所のコンビニの吸い殻入れの脇でプクイチした私はせっせと歩き始めた。

この時間帯は小中学校の授業が終わり下校中の児童や生徒とすれ違うことが多い。子供の数が減っているというけれど、うちの近所にはまだこれだけの子供がいるのだなあとちょっぴり不思議な気持ちになる。

子供の他には私くらいの年の人間が少しでも運動不足を解消しようとウォーキングをしたりジョギングをしたりする姿を見かけるが、それよりも多いのが高齢者だ。夫婦仲良く散歩をする人や、飼い犬を連れてゆっくりゆっくり歩いているご老人を見かけると大変心が温まる。

シルバーカーとランドセル

今日お見かけしたのはシルバーカーを押してのんびり歩いているおばあちゃんだ。シルバーカーというのはよくお爺お婆が使っている小さいベビーカーのようなアレである。うちの親もそのうちああいうのを使うようになるのかなあなどと思いながら、私はそのおばあちゃんの20mほど後ろを歩いていた。

おばあちゃんの向かい側からは下校途中のランドセルを背負った小学4年生くらいの男の子が一人で歩いてくる。おばあちゃんと比べると圧倒的に軽やかに颯爽と歩いている。

私がシルバーカーとランドセルのコントラストに人生の悲哀を感じているうちに、おばあちゃんと男の子はすれ違った。その時、彼女の愛車の右前輪が道路の脇のちょっとした段差にハマってしまったようだった。おやおや大丈夫かな?と私が思ったその時、男の子がくるりと踵を返しおもむろに前輪を掴んだ。男の子は前輪をぐいっと持ち上げて段差の無い平らな地点にそっと置いた。

助けてもらったお礼を言うおばあちゃんに男の子は軽く会釈をして足早にその場を去っていった。少しうつむき気味の彼の顔に善行を成した照れからくる微笑みはなく、何事もなかったかのような涼しいものだったが、その足取りは心なしか弾んでいたように私には思えた。

優しさを失わないでくれ

私は男の子に「いいぞ!」「きみはいいやつだ!」「カッコイイ!」と声をかけたくなるほど感心したが、そんなことをすると最悪の場合PTAからお手紙が回ってしまうので我慢した。昼間うろついているおじさんのつらいところである。

それにしてもなんとまあ立派な少年だろう。この男の子の振る舞いを見て私は大変晴れやかな気持ちになった。日本は安泰である。善き行いは当事者だけでなく周囲の人間も救うのだなあ。その優しさを失わずに大人になってほしい。今ならM78星雲に帰る時のウルトラマンエースの気持ちがわかる気がする。

その後、気を良くした私は上機嫌で8000歩近く歩き回り腸が動きすぎて腹を下した。おじさんは正露丸を飲めばいいので、子供たちはこれからも善行を積んでほしい。

 

【ネタバレ感想】そうきたか~!『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を観た

1月20日、劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を鑑賞した。この記事は本作品の紹介と感想である。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』とは

あまりにも知らない人向けの概要

ひどく簡単に言ってしまうと、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』とはガンダムシリーズの最新作である。「GQuuuuuuX」は「ジークアクス」と読む。「u」がたくさん重なっているが「くあああああくす」などと発音する必要は無い。

ガンダムシリーズの始まりは時をさかのぼること40年以上前になる。1979年放送の『機動戦士ガンダム』(通称「ファーストガンダム」)は、当時のテレビアニメとして画期的な設定やストーリーが話題を呼び、放送終了後のガンプラブームもあいまって大人気コンテンツとなった。ガンダムシリーズはこれまでアニメ、漫画、ゲーム等々で様々な直系ならびに派生作品が発表されきた。その新シリーズが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』である。

本作品はカラーとサンライズのタッグ体制で制作されている。制作体制については2024年12月4日にYouTubeライブ配信された「ガンダムカンファレンス WINTER 2024」内で初めて発表された。この発表はオタク達の間で大きな話題となった。

『GQuuuuuuX』発表時にオタク達が沸いた訳

この制作体制にオタク達が騒いでいる理由がわからないという方向けにざっくり説明すると、まず、平たく言ってしまえばサンライズは「今までずっとガンダムを作ってきたアニメ制作会社」である(現在はバンダイナムコフィルムワークスのアニメ制作ブランドとなっている)。一方、カラーは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を世に送り出し、『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』の制作にも深く関わった映像制作会社である。カラーのトップは庵野秀明さんだ。

言うまでもなく、庵野秀明さんは『新世紀エヴァンゲリオン』を生み出した中心メンバーの一人というか核(コア)であり、「日本史上オタクとして最も大成したオタク」である。そんな彼の制作スタジオカラーなので「カラーがついにガンダムに手を出すのか…!」ということでオタク達は騒いでいたのだ。

とは言え、何故オタク達はそこまで騒ぐのか。何を隠そう『GQuuuuuuX』は単に「庵野秀明のスタジオが制作協力するガンダム」では済まないからだ。監督を務める鶴巻和哉さん、シリーズ構成・脚本の榎戸洋司さん、メカニックデザインの山下いくとさんは、皆『新世紀エヴァンゲリオン』の制作に関わっており、本作品はまさしく「かつてのエヴァのスタッフが手掛けるガンダムなのだ。極めつけに、庵野秀明さんが脚本として『GQuuuuuuX』に携わることが明らかになり、オタク達は「庵野ガンダムやんのかよ」と衝撃を受けたのであった。

劇場先行公開版『Beginning』について

一部話数を劇場上映用に再構築

そして、『GQuuuuuuX』のテレビシリーズ放送に先行して2025年1月17日から劇場公開されているのが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』だ。『Beginning』は「一部話数を劇場上映用に再構築した」ものと公式で謳っている。

youtu.be

テレビアニメの劇場先行公開自体は特段珍しいことではない。近年では『鬼滅の刃』等ですっかりおなじみになっている。劇場先行公開は、ファンからすればちょっとしたお祭りイベントであり、制作側からすればファンからできる限りお金を回収…ではなくファンが気持ちよく推し活できる場を提供する取り組みであり、シリーズのスタートダッシュを勢いづけることにもつながる。

本作品の場合は単なる先行公開ではなく「劇場上映用に再構築」という表現をしているが、これに対して私は「単に先行上映するんじゃ芸がないから一話から三話あたりまでを一本の作品として形になるように編集したのかな?」などと考えていた。大方のオタク達もそのように考えていたのではないだろうか。そう、上映開始までは…。

『Beginning』公開後のオタク達の反応

そんなこんなで『Beginning』は公開日を迎えた。私は現在そこまでガンダム熱に燃えていないので公開日はスルーしたが、熱心なオタク達は当然の如く映画館に足を運んだ。

公開初日、私がいつものようにX(旧Twitter)のおすすめタイムラインを眺めていると世のオタク達のポストが流れてくる。『Beginning』について語らうオタク達の様子がおかしい。記憶を頼りに再現しよう。

  • 「とんでもないものを観てしまったのでは?」
  • 「ネタバレされる前にとにかく早く観に行け!」
  • 「GQuuuuuuXを見てるときのオレ」(「何だ今の?」のミーム画像付き)
  • 「新しいガンダムが始まると思ったら新しいガンダムが始まった」(改変した「な…何を言っているのかわからねーと思うが~」ミーム画像付き)
  • 「開始早々違和感を覚えたが5秒後には確信に変わり脳を焼かれた」
  • 「特撮好きの友人が『シン・ウルトラマン』の冒頭で味わった感情をガノタの自分も体感することができた」
  • 庵野ノリノリで草」

こんなことを言っているオタク達がたくさんいた。私はちょろいところがある人間なので、さっきまで興味が無かったくせになんだかとっても気になってきた。

私の鑑賞記

軽いネタバレを食らってしまった

私がおすすめタイムラインをもう少し眺めていると『Beginnig』の内容についてそこそこ踏み込んだポストが流れてきてしまった。X(旧Twitter)のアルゴリズムにはうんざりである。

ネタバレによると、『GQuuuuuuX』には「宇宙世紀」が絡んでくるようだ。「宇宙世紀」というのは、1979年放送の『機動戦士ガンダム』から続く最もメジャーなガンダムの世界設定およびシリーズを指すもので、続編やスピンオフ作品が数多く作られている。ガンダムを知らない人でも「アムロ・レイ」や「シャア・アズナブル」というキャラクターの名を聞いたことがあると思うが、そのアムロやシャアが生きている世界が「宇宙世紀」である。

前情報で完全新シリーズのような顔をしていた『GQuuuuuuX』が、まさか宇宙世紀ガンダムとは思わなかった。宇宙世紀の最も新しい時代?だとしたらそこまで騒ぐことでもないような…。あるいは『シン・ガンダム』的なことをやったのか?庵野さんが参加しているのはそのため?だとしたらオーソドックスなガンダムらしさは保ってほしいものだが…。この謎を晴らすため私は映画館へ向かった。

今回はさいたま新都心のMOVIXさいたまで鑑賞した。

サプライズ部分の感想(というか私のリアクション)

開始早々私の知っているガンダムが始まった。どういうことだ?本当に『シン・ガンダム』なのか?私は混乱した。単にオマージュを入れているだけかも知れない。いやしかし、ナレーションの内容がアレそのまんまじゃないか。などと考えていると次の瞬間あのSEが劇場に鳴り響いた。

トテテューン!! デドゥドゥーン…(オリジナル流用SE)

ここまでオマージュするか!?って、ああ、ザクがサイド7に!?新デザインとは言え赤いザクもいるぞ。じゃああの男が乗っt、乗ってる!!今見ている映像は『GQuuuuuuX』に繋がるのか?それとも単なるファンサービス?

私の頭の中は混乱と興奮でいっぱいいっぱいになってしまい、私は考えることをやめた。カラーが生み出した新しいガンダムに身をゆだねようではないか。カラーが考えることを私などがわかるはずがないのだ。

お、サイド7での偵察が始まったぞ。親父にもぶたれたことがないあの少年がそろそろ出てくる~出てこない…!じゃあガンダムは誰が…ってそうきたか~!っていうか、そういうことやっていいんだ~!そりゃ公式でファーストガンダムのIFをやられたらみんな驚くだろうよ。

なるほどそこをそうしたら、あれがああなってこうなって、そこでそのキャラをピックアップしてきてそこに熱い信頼関係が生まれるのね、そうなのね。しかし、これはどんな結末を迎えて、どうやって『GQuuuuuuX』本編につながるのだろうか?

それにしてもこの仮面の男、あそこでああなりさえしなければ、あの少年さえいなければここまでやれる男なのだな。新しい声優もキレ者の若造っぽさがハマっているし好印象だ。イメージ変わったぜ、たいしたもんだよと思ったところで何やら不穏な空気が漂い始める。ああ、やはり彼は我々の知る人物だ。すごい脚本と演出だな、ここまで魅せておいて一気に引き戻すとは。歴史の修正力でも働いたのか。

仮面の男については公式でネタバレが出ているので観たい人は観てほしい。

youtu.be

だいたい40分ほどのサプライズ部分だったが、あっという間の40分だった。ちょっと疲れた。気持ちの整理がつかないまま本編(?)が始まる。

本編の感想

衝撃のサプライズを受け始まった本編は物静かな雰囲気で始まった。時は宇宙世紀0085。主人公のアマテ・ユズリハ(CV:黒沢ともよ)はコロニーで生まれ育った普通の女子高生だ。彼女は何不自由無い生活の中で閉塞感を感じながら生きている。駅の改札で運び屋の少女ニャアン(CV:石川由依)とぶつかったことで彼女の人生が動き出す。ファーストガンダムIFから数年後に駅の改札でトラブルが発生するというのは、制作陣の遊び心だろうか。何のことかわからない人は『機動戦士Ζガンダム』を観てほしい。観なくても『GQuuuuuuX』は楽しめるのでご安心を。

キャラクターについて

アマテは事の成り行きで非合法の決闘競技クランバトル(クラバ)に参戦し「マチュ」の名でエントリーする。ここに至るまでの彼女の行動が非常にアグレッシブで物語をグイグイと引っ張っていた。普通の女子高生とは思えない狂犬ぶりで大変痛快である。初っ端からアクセル全開娘だ。やり場のないもやもやを振り払うべく若さに任せて躍動するマチュが本作品一番の見所だと私は思う。丸っこいデザインもどんどんかわいく見えてくる。

運び屋の少女ニャアンは女子高生の制服を着ているが、私の勘違いでなければこれはカモフラージュのための制服であり、彼女が普通の女子高生マチュとはまったく異なる人生を送ってきたことが伺える。与えられた環境と生まれ持った素質、どちらも恵まれたマチュが大暴れする一方で彼女は運び屋としてポンコツである。運び屋の闇バイトでちゃんと生計を立てられているのかと心配になる。おそらく彼女はパイロット適性が低いため、モビルスーツに搭乗する機会は少ないのではないか。そんな彼女が今後どのように活躍するのか楽しみだ。

バトルシーンについて

バトルシーンもおもしろい。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』や『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に見られるようなロボもカメラも高速でぐりんぐりん動き回るような映像になってしまうのではないかと危惧していたが、杞憂に終わった。マチュのニュータイプの素質が覚醒した後はどうなるかわからないが、現時点ではまだまだ不慣れなマチュの操縦とニュータイプ特有の常人には不可能な空間把握と先読みの描写が嚙み合ってガンダムらしさを感じるバトルシーンを楽しむことができた。『GQuuuuuuX』では、ロボットアニメが培ってきた「見栄を切る」「溜めを作る」「適切な間を置く」といったノウハウが3DCGを使ったスピーディーでダイナミックな戦闘の中に見て取られる。それがバトルシーンで感じられる「ガンダムらしさ」の正体ではないだろうか。

話はちょっと逸れるが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』や『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の戦闘描写は私には何が起きているのかわからない場面が多々あった。作り手としては「手書きじゃない3DCGだとこんなこともできるよ!」「こういうの作りたかったんだよね!」という気持ちがあるのかも知れないが、物には限度がある。ウルトラマンシリーズでも2000年以後の作品で3DCGで描かれたウルトラマンと敵宇宙人が空中をビュンビュン飛び回って「板野サーカス」と呼ばれるような戦闘をしていたが、ウルトラマンとして新しい試みではあるし確かに迫力もあるのものの、地上でのスーツとミニチュアを使った戦闘とのギャップが生まれすぎていて一本の作品として統一感を失っていたように思う。それから時を経て『シン・ウルトラマン』や『ULTRAMAN』(Netflixのアニメ作品)ではシリーズお馴染みの描写を3DCGで発展させるという方向性に舵が切られ、私は大変満足した。

あとがき

もともと私はガンダム熱が冷めている状態だったので『GQuuuuuuX』は観れたら観る程度の心づもりだったのだが、X(旧Twitter)でオタク達が騒いでくれたおかげで本作品を鑑賞することができた。観て良かったと思う。オタク達に感謝。

テレビシリーズの放送はいつになるだろうか。楽しみが増えた。だが、それまでに途中になっている『Gのレコンギスタ』を完走させねばならない。『ユニコーン』も途中だった。うーん、ファーストガンダムのテレビ版を見直すか。

【感想】Calbeeポテトチップスのりしお味焼そばを食べた【エースコック】

ざっくり言うと、「印象に残らない塩系カップ焼きそば」だった。残念。

パッケージ

先日足を運んだ近所のスーパーマーケットでエースコックの「Calbeeポテトチップスのりしお味焼そば」を見つけた。私はコラボ食品には目がないのでつい買ってしまった。

パッケージ。ポテトチップスのりしお味でお馴染みの黄色が目を引く。

栄養成分表示

栄養成分表示 1食(103g)当たり

エネルギー:465kcal

たんぱく質:8.4g

脂質   :18.5g

炭水化物 :66.1g

食塩相当量:4.4g

ビタミンB1:0.42mg

ビタミンB2:0.57mg

カルシウム:333mg

栄養成分表示

内容物

内容物は、後入れのかやくと麵ほぐし用のオイルの二種類。

後入れかやく入りシーズニング。シーズニングとは調味料のこと。

香味油。麵をほぐすためのオイル。

作り方

作り方はオーソドックスで、カップに熱湯を注いで3分後にお湯を捨て、オイルとかやくと調味料を麺にかけてよくかき混ぜるというもの。熱湯を注いだ後にフタの上でソースやらオイルを温めておく必要は無い。

感想

カップに熱湯を注いだ瞬間に立ち上ってくるカップ麺特有の油っぽい香りに少々テンションが上がった。たまにこういうものが食べたくなってしまうのは何故だろう。

お湯を注いで3分、お湯を捨ててオイルとかやくを麺にかけてよく混ぜる。

出来上がり。混ぜてしまうと「サクサクじゃがいも」が下のほうにいって目立たない。

お味のほうはどんなものかというと、しつこくない塩味が食べやすくて好印象だ。しかし、のりしお味に求める海苔の風味はほとんど無い。実際のCalbeeポテトチップスのりしお味のビシッと舌にくる味わいと香りが感じられず、コラボ食品としてはおもしろくない

かやくの「サクサクじゃがいも」は麺との一体感に欠けている。ほどほどな量にとどまっている上に、麺との絡みが悪いので麺をすすったときに麺と一緒に口の中に入ってこない。サクサク具合は非常に良いのだが、これならいっそお湯で戻すタイプのホクホクじゃがいもにしたほうが麺との相性は良かったのではないだろうか。

それから、一般的なカップ焼きそばに入っているしみったれたキャベツが入っていないことが思いのほかさみしかった。あんなキャベツでもまがりなりにも焼そばっぽさの向上に寄与していたのだなあと思いを馳せてしまった。

まとめ

エースコックの「Calbeeポテトチップスのりしお味焼そば」は食べやすい塩味だが、Calbeeポテトチップスのりしお味のコラボ食品としてのおもしろみは感じられなかった。かやくの「サクサクじゃがいも」は麺との絡みが悪く、焼きそばの具には向いていない。かやくの定番であるキャベツくらいは入れてほしかった。

冒頭にも書いたが、この商品は「印象に残らない塩系カップ焼きそば」にとどまった。どうせ定番商品にはならないのだから(失礼)もっとヘンテコなものにすればよいものを。Calbeeポテトチップスの名前を借りたい、あるいは貸したいだけだったのではないかと思ってしまう。

あと、エースコックが「焼そば」という表記をしているところが気になった。わざわざ単語登録をしたが、今後使うことは無いかも…。

【ダイソー】1,000円フルワイヤレスイヤホンは「買い」なのか?

愛用しているAnkerのSoundcore P40iが壊れてしまい、交換対応してもらう間の助っ人としてダイソーのフルワイヤレスイヤホン(税抜1,000円)を試してみた。

パッケージ。1,000円をアピール。

やわらかい音質で聴き心地は悪くない

イヤホンで一番大切な音質だが、簡単に言ってしまえば本製品の音質は「そこそこ」「聞けなくはない」といったものだった。

それなりの価格のイヤホン(5,000円以上かな?)を使っている人ならばわかると思うが、それなりのイヤホンというのは音ひとつひとつが粒立って聞こえる。一方で本製品は全体的にほんの少しだけうっすらとエコーがかかっているような印象を受ける。良く言えばやわらかい、悪く言えばぼやけている。楽曲との相性が悪いとメインボーカルとコーラスの声がのっぺりと一体化するように聞こえることがある。

そんな聴き心地のおかげか、高音がシャリシャリしたり低音が威圧的に聞こえることはないので、クセが無いと言えばクセが無く、聴き心地は悪くない。が、裏を返せば音を聴くという行為におけるおもしろみは無い。1,000円ならまあこんなものか、と思う。

内容物。イヤホン、充電ケース、取扱説明書。

音量の細かい調整ができない

私は愛用のスマホauで買ったGalaxy S22)に本品を接続して使用してみた。Galaxy S22は本体側面の音量ボタンだけでなく、画面上の音量バーでも音量を微調整できる。じりじりと音量を下げていくとごく小さな音量で音声を出すことが可能だ。

しかしこのイヤホンはその微細な音量調整には対応しておらず、画面上の音量バーをちょっとずつ動かしていると一気に音が大きくなり一気に音が小さくなってしまう。1,000円ならまあこんなものか、と思う。

なお、先述したように本製品から出力される音声はソフトな音質なので音量が思いのほか大きくなっても耳がビックリすることはなかった。また、構造上の工夫なのか、はたまた1,000円なりの造りのおかげなのかわからないが、音量が上がっても音が耳の外に抜けていくような感覚があり鼓膜にガンガンと音がぶつかる感じがしなかった。

ノイキャン無しでも装着感でカバー

ノイズキャンセリング機能というのは、電車内で聞こえる騒音(ガタンゴトン、トンネル内のゴーという音)や屋外で感じる風切り音、パチンコ屋のジャンジャンバリバリといった様々な雑音を軽減してくれる不思議な機能である。体感したことが無い人は家電量販店に行って是非体験してほしい。その仕組みは、イヤホンのマイクで拾った雑音の周波数とちょうど対になる周波数をイヤホン側で出し、お互いをぶつけることで雑音が相殺されて静寂が生まれるというものだ。簡単でしょう。私はよくわかっていない。

さて、本製品にはそのノイズキャンセリング機能が搭載されていない。では本製品で音楽やラジオを聴いていても外の音が入り込んできてろくに楽しめないかと言うとそうでもない。本製品はシンプルな形状をしていながらなかなか良い装着感をしており遮音性は下手なイヤホンよりも高い。耳の形状との相性もあると思うが、私が以前使っていたAviotのイヤホンよりも遮音性は高いと感じた。

イヤホン本体。シンプルな形状。

接続の安定性は気になる

本製品はBluetoothスマホやPCといった各種デバイスと接続して使用する。このBluetooth接続はつなげる側とつながる側の相性があるが、私のGalaxy S22とはそれほど相性が良くなかったようだ。

再生している音声がブツブツと切れることはなかったが、突然左右の音声のバランスが悪くなることがあった。左右のバランスの乱れが非常に短い間隔で交互に起きるので、音が左右に揺れるように聞こえる瞬間が1時間に1回くらい起きた。1,000円ならまあこんなものか、と思う。

Bluetooth接続の早さは特に問題無い。ちなみに、接続時の「コネクティッド」の音声は非常に大きい。

ケースからイヤホンを取り出すとBluetooth接続される。充電中のイヤホンのライトは必要以上にまぶしい。

充電中はケースのライトも点灯する。これもまたやけにまぶしい。

まとめ…フルワイヤレス未経験の人は買ってみるのもあり

ダイソーの1,000円フルワイヤレスイヤホンはそこそこの音質でやわらかい聴き心地だった。音量の細かい調整ができないところは残念だが、そのせいで著しく不快な思いをすることは無い。ノイズキャンセリング機能は搭載されていないものの、装着感のおかげで素の遮音性は高い。Bluetooth接続の安定性はあまり高くない。

本製品は「買い」なのかという点で言えば、フルワイヤレスイヤホンを使ったことがない人であれば買ってみるのも悪くないだろう。イヤホンの線が無くなることで生活がどれくらい変わるのか、試しに買って体感してみてほしい。私はもうスマホに有線イヤホンをつなげて使う気は無い。ワイヤレスにするだけで一気にストレスが減るので是非体験してほしい。

【ネタバレ感想】『イカゲーム』シーズン2 第1話「パンと宝くじ」

駅の構内やらテレビやらで広告を打ちまくっている『イカゲーム』シーズン2。せっかくシーズン1を視聴済みなので、波に乗らなきゃ損ということでシーズン2も観ております。

ざっくりとした第1話のあらすじ

シーズン1でデスゲームを勝ち抜いたソン・ギフン(イ・ジョンジェ)は韓国から脱出することを拒み、名刺配りの謎の男(コン・ユ)を捜索していた。

同じくシーズン1で謎の島に潜入し組織に協力する兄(イ・ビョンホン)に撃たれたものの生還した警官ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)は、同僚には「何も覚えていない」と嘘をつきながらデスゲームが行われていた謎の島を探していた。

ある日、職務中のジュノは謎の男のもとへ向かうギフンを偶然目撃する。

感想(ネタバレあり)

謎の島でのデスゲームは描かれずに第1話は終了した。大人数で行われるデスゲームはおあずけとなったが、悪趣味な一対一のデスゲームが2度盛り込まれているので、イカゲーム』に不可欠なヒリヒリとした命のやりとりをしっかり楽しめる内容になっていた。

ダメ人間だらけのデスゲームを楽しみにしていたファンは焦らされる形になるが、謎の男を探し出すプロセスがテンポよく、コミカルかつスリリングに描かれている。「今さらデスゲーム?」という気持ちの私には嬉しい裏切りだった。

韓国の町中で謎の男を捜索するシーンに長く尺が使われていて、ロケは韓国の市街地で行われている。街の雰囲気が伝わってきて楽しい。前作よりも製作費が増えている感じが伝わってくる。韓国の駅にはカタカナで駅名が書かれていることも知れた。行く予定はないけど、これは助かる。

シーズン1で登場シーンが少ないにも関わらずインパクトのある存在感を見せつけた謎の男の日頃の仕事(?)ぶりが見られたのはよかったが、生い立ちを語らせたりオーバーな猟奇的キャラづけさせてしまったことで謎の男のミステリアスな魅力は薄れてしまった。少し残念。

ソン・ギフンを演じるイ・ジョンジェの役作りが素晴らしい。シーズン1で能天気にツヤツヤしていたギフンの面影は一切なく、すっかりやつれてしまっていて、謎の組織の秘密を暴くことに執念を燃やして生きてきたことが一目でわかる。私もこれくらい痩せたい。

あとがき

へそ曲がりな私ではあるが、すっかり引き込まれてしまい、続きが気になっている。気になると言えば、『イカゲーム』シーズン2と呼ぶべきなのか、『イカゲーム2』と呼ぶべきなのか、どちらが正解かわからないところは気になっている。

テレビの年末の風物詩が弱くなってきたこの時代、Netflixがあってほんとによかったなあとしみじみ感じている12月30日なのであった。

 

シーズン2第2話感想はこちら

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【感想】揚げ鶏味って何かね?でも美味しい。しょう油味としてレギュラー化希望(Calbeeポテトチップス)

セブンイレブンの揚げ鶏11周年企画商品『Calbeeポテトチップス 肉の旨味を引き出す揚げ鶏味』を食べた。以前、ななチキ味を食べたけれど、やはりこちらも外せない。

パッケージ表。「11」に合わせて(?)縦に配置された揚げ鶏がまぶしい。

パッケージ裏。揚げ鶏は今年で11周年。ファミチキとの差別化を狙ってお惣菜として誕生した(と記憶している)。

再現度は…そもそも揚げ鶏ってどんなだっけ

正直なところ、揚げ鶏の味をどこまで再現できているかはいまいちよくわからない。そもそも揚げ鶏っぽさとはなんなのか、ハッキリと思い出せる人はいるだろうか。揚げ鶏は食卓に馴染むお惣菜であり、「これぞ揚げ鶏」という特徴には乏しい(もちろん美味しい)。
そんなわけで再現度に関してはぼんやりとした印象を覚えてしまうが、この商品はしょう油味のポテトチップとしてとても美味しい。ポテトチップとしての完成度はななチキ味よりも上だと思う。セブンイレブンしょう油系PBポテチとしてレギュラー化してほしいくらいだ。
ななチキ味は香辛料を使っているのでコンソメ系が好きな人向け、一方で揚げ鶏味はうすしお味やのりしお味が好きな人がさっぱり楽しむのに向いているように感じた。

しょう油味ポテトチップス不在の関東

私は生まれてこの方ずっと関東地方で暮らしてきた。ポテトチップスといえばうすしお、のりしお、コンソメパンチが定番であり、最近だとしあわせバター味もよく見かけるがしょうゆ味には馴染みがなかった。しかし、しょう油味のCalbeeポテトチップスは関東以外の地域限定商品として各地に存在していたのだ。

www.calbee.co.jp

知らなかった…。出張先でもポテトチップスには注目していなかったからなあ。

関東のしょう油は濃い口しょう油

しょうゆ味には各地方ごとに特色があることはみなさんご存知のことと思う。

例えば、関西の淡口(うすくち)しょう油。料理に使われる素材の色やだしの風味を活かすために色や香りを抑えたしょう油だ。最近はあまり聞かなくなったが、一昔前までは関西出身の芸人さんが「東京出てきて驚いたんはね、うどんのつゆが関西と全然べつもんいうことやね」(エセ関西弁で失礼)というようなことをテレビやラジオでよく話していたので、「関西のしょう油は関東とは違う」ということは関東の人間にもそこそこ知られている。

参考ページ:

www.teraokake.co.jp

九州のしょう油は甘い。これは砂糖の伝来という歴史的背景が影響しているらしい。また、九州の名産である焼酎や新鮮な魚を美味しく楽しむために甘くなったという見方もあるようだ。甘口のしょう油を使った料理は糖分を含まない焼酎によく合うし、砂糖を加えてとろみが増したしょう油は新鮮な刺身にもよく絡んで美味なのだそうだ。

参考ページ:

www.s-shoyu.com

ではでは、我らが関東のしょう油はどんなものかと言うと、何を隠そう濃い口しょう油である。濃い口しょう油と江戸の食文化は切っても切り離せない。江戸前寿司にはキリッとした濃い口しょう油がマッチする。ウナギの蒲焼にはウナギの脂に負けない強い香りと味わいが必要不可欠だ。全国から集まる江戸の労働者は、蕎麦でパパッと食事を済ませながら、濃い口しょう油のつゆでしっかり塩分を補給していたのだ。

参考ページ:

www.eonet.ne.jp

www.kikkoman.co.jp

おお、Calbeeよ、あなたはなぜ関東地方限定でポテトチップス濃い口しょう油味を出していないのだ!ぜひともCalbeeには江戸っ子の舌を唸らせるポテトチップスを出していただきたい。

あとがき

ここまで書いていて気がついたが、セブンイレブンの揚げ鶏の商品ページには「味付けはシンプルな塩味の和風仕立て」との表記がある。おっと、これはおそらく、おそらくだが、「和風」の感じを出すためにしょう油も使っているはずだ。そう信じたい。仮に揚げ鶏が塩味だとして、このポテトチップスは塩味じゃなくしょう油味だ。そこについては私は自信を持って書こう。しょう油味のポテチなのだ。そして美味しい。PBとして残ってもおかしくない。

衝撃の事実のおかげで、冒頭で述べた揚げ鶏は特徴に乏しいという印象がますます強くなってしまった。うーん、塩かあ。塩味って言うのは塩ラーメンとか塩おむすびとか焼き鳥(塩)とかで感じるあの味でしょう。どうだったかなあ。

これは、ちょっとセブンで本物の揚げ鶏を買って確認するしかないな…。

 

ななチキ味の記事はこちら↓

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