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takefour

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないのtakefourのレビュー・感想・評価

4.5
原作小説15巻完結を祝して。

かなり好きなアニメ。リアタイ含めて3周している。
リアタイ後、書籍を買い続けて、同時に映画も見ているという作品。

しかし、酷いタイトルですよね。初見時は引いた。
このタイトルで、放送後しばらくの間は、相当な女性視聴者を失ったんじゃないかと思う。

アニメ第1話から、ヒロイン=桜島麻衣のバニーガール姿が出てくるので、頑張ってリアタイした女性たちでも、かなりの脱落者が出たような気がする。

アニメでは原作の1巻から6巻の序盤までが描かれる。
便宜的に巻数をふったけど、原作は巻数がふられていない。

ちなみに、
第1巻が「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
第6巻は「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」

物語をずっと支配するのが「思春期症候群」という現象。
もちろん作者の創作だけど、これが新鮮だった。
「思春期特有の不安定な精神状態が引き起こす不可思議現象」
くらいの意味合いで使用されている。

出てくるのが、
「暴行等を受けていないのに身体に痣や傷ができる」
「存在が希薄になって他人に認識されない」
「強い思いが同じ日を何度も繰り返させる」
「二面性を強く持ったために一人の人物が二人になる」
「人格が入れ替わる」
「いじめが原因で別の人格を形成する」
「未来の自分を創り出す」
「タイムリープ」(これは違うかも)
「集団催眠的極度の同一視」
「空気が読めるようになる」等。

物理学的にどうとかいう物語内での解説に、理系ガチ勢から総ツッコミが入ったみたいだけど、ラノベの軽めファンタジー世界なので、解説も理解も別にフワッとしたもので問題ない、という文系の認識です。

思春期のころのいろんな出来事を、ちょっと文学的にデフォルメして拡大解釈した物語なので、琴線に触れる人が多いはず。
自分もそうだった。

高校2年生の梓川咲太と3年の桜島麻衣を軸に物語が展開する。
ラブコメ的な側面は、このふたりが担っていて、キュンキュンするシーンも結構ある。

主人公の梓川咲太は、思春期特有の二面性を持っている。
普段は目が死んでいると言われる程の無気力を装って、空気が読めないフリをしたりスケベなことを言ったりと斜に構えた態度を取っているが、実はかなり真面目で優しい。

咲太が告白するのは、幼少期から芸能界に身を置いて将来が嘱望されている女優=桜島麻衣=ツンデレ……麻衣のツンデレ具合が最高にツボだった。
彼女がバニーガール先輩。他から認識されなくなる思春期症候群を発症した。

この二人に、咲太の同級生、後輩、妹、初恋相手、麻衣の妹が絡む。
悩んでいる彼らの問題に、普段は斜に構えた咲太が全身全霊でぶつかっていく。

アニメ大好きな人なら、「物語シリーズ」とか「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。」とかハルヒあたりを思い出してパクリとか言われるかもしれない。

でも、あのころ特有の「空気」みたいな得体の知れないナニカがあるとして、それに立ち向かう咲太がカッコ良いんです。

アニメのあとに続く物語は、映画として制作されている。順に
「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」
「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」
「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」

そして、2025年にテレビアニメとして「青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない」が放送される。
原作も完結していることだし、これで終わりでしょう。

咲太が大学生になった第10巻「青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない」から最終巻までの6巻分かな。

放送時期が決まったら再視聴して備えるつもり。
良いアニメです。
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