ミステリーとはちょっと違う。ヒューマンドラマに思えました。アンドレア·ライズボローが虚言癖のある掴み所のない女性を見事に演じています。キャストが良くて、ブシェミとJ·スミス=キャメロンの失踪した娘を待ち続ける夫婦が凄く良かったです。暗めのストーリーですが、テンポ良く進み、予想出来る展開だけど、ラストの締め方が好みでした。
母の介護をしながら、派遣の仕事をし、息をする様に嘘をついて生きるナンシー。生活は苦しく、母は娘にきつく当たる。ある朝、母が脳梗塞で亡くなった。その頃、TVで30年前に行方不明になった少女ブルックの特番が流れ、生きていれば35歳で、モンタージュが、自分にそっくりであると気付いたナンシー。ブルックの両親に自分は、ブルックかも知れないと電話した。携帯で顔写真を確認した母のエレンはナンシーを自宅に招待するのでした。
ネタバレ↓
飼い猫を連れ、夫婦の元を訪ね、父レオと手を繋いでいたが、はぐれてしまった事やパスポート申請の際に必要な出生証明書がなかった事、母から、実の母ではないと明かされた事等を話します。
暫く宿泊する事になったナンシー。翌日、警察の検査技師が来て、ナンシーの素性の捜査とDNA鑑定の唾液を採取して帰りました。
DNA鑑定の結果までの間、交流を深めますが、連絡が入り、エレンは泣き崩れた。その後、エレンとナンシーは散歩に行き、冬場に凍る池の前で、エレンは娘が失踪した日、娘の手を離してしまったのは自分だったと話す。
その時、銃声が響いた。
慌てた少年が、狩猟事故で弟が撃たれたと2人の元にやって来た。救急車を呼び、ナンシーの適切な行動のお陰で、彼は無事、搬送された。
帰宅後、部屋へ戻ろうとするナンシーをエレンが抱き締めるとナンシーは流石に耐えきれず、真実を明かそうとします。
しかし、エレンが明日にしようと言った為、部屋に戻り、ナンシーは深夜にそっと、泣きながら夫妻の家を去った。
ナンシーは、虚言癖のある女性で、息をするように嘘をつく。エレンがナンシーが娘ではないと知ってから、それでも良いと思った気持ちに泣けた。そして、それが伝わったナンシーが、罪悪感に苛まれ、自分の嘘で傷付く人がいる事に気が付き、学べたのが良かった。ああやって、嘘がバレたら逃げ回る人生になるのは駄目だけど、エレンの心を汲み取れたのは大きいと思う。女優2人の演技が素晴らしかったので、心に沁みました。
そして、ブシェミの姿が普通のオジサン過ぎて一瞬戸惑ったけど、良い役でした。