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syc9bさんの映画レビュー・感想・評価

syc9b

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回路(2000年製作の映画)

3.7

回路は開かれた。

【感想】
面白いなぁ。クソ怖いし。黒澤清監督は次の瞬間何かが起きそうな雰囲気を醸すのが本当に上手い。《リング》や《呪怨》に似た湿度のあるJホラーだが、やはり彼の映画には一線を画すア
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.1

“真実を伝えないと。書いて償わないと。”

【感想】
ずっと気になっていた森達也監督による本作。以前鑑賞したドキュメンタリー映画である《A》と違い、監督初挑戦の劇映画である。
日本人として、この事件の
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.8

サメの目には、表情が無い。

【感想】
思ってたより遥かに面白かった。迫力満点すぎる。かなり久しぶりにスピルバーグ映画を観て、昔好きだった《E.T.》を観直したくなった。

怪物(2023年製作の映画)

3.8

誰でも手に入るのを幸せって言うの。

【感想】
是枝監督の映画を観るのは《そして父になる》、《万引き家族》以来3作目。
多角的な視点から一つの真相に迫っていく脚本はありきたりで少々退屈だったうえ、《万
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.4

俺は9番、9の次は0なんだ。

【感想】
《HOUSE ハウス》を観て、池上季実子が綺麗で可愛らしかったのでこの機に鑑賞。こちらでもしっかりチャーミングだった。主演のジュリーも色気たっぷりでカッコいい
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

3.9

あんたが正しかったよ。
この家は、バケモノさ。

【感想】
すげーーー。久しぶりにこんなザ ジャパニーズカルトムービーを観た。サイケデリックで過剰に過剰を重ねた演出に序盤はヘトヘトになるが、犠牲者が出
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.6

I am at peace.

【感想】
クリントイーストウッドとフォードのグラン・トリノがカッコいい。
エンドロールの風景も良かった。
ただすこし彼のナルシズムを感じてしまう。綺麗な映画を観たって印
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.8

やっぱりお父ちゃんのおかげやったんや。

【感想】
小津の映画は何を見ても最高だ。もう僕は気付けば大ファンである。それは、背景に当時の日本の暮らしや服装などのもう現代には殆ど名残の失せてしまった生活の
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汚名(1946年製作の映画)

4.4

なぜもっと早く、愛してると言ってくれなかったの。

【感想】
ヒッチコック作品初鑑賞。序盤、目にかかる髪の毛のシーンから心を掴まれる。あんな映像は見たことがない。他にも途中何度もハラハラするシーンがあ
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昼顔(1967年製作の映画)

3.6

“あなたへの愛は、快楽を超越しているわ”

【感想】
いかにもメロドラマといった退屈なシナリオに程よく織り交ぜられる婦人の夢の映像。これはフロイト的精神分析に則った、抑圧された内なる願望に他ならないが
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街の灯(1931年製作の映画)

4.1

You can see now?

【感想】
おもしれー、なんで未だに面白いんだ!と思っていたら、最後いきなり目頭が熱くなる。
そういえばチャップリン自伝を過去に買ったが読めていない…。今読んでる本を
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.9

どうしたらいいの?…お母さん。

【感想】
起承転結だけで言えば単純なサスペンスだが、そこにしっかりと監督の哲学、主張が所狭しに肉付けされていて、しかもそれがかなり自然で上手だなと思った。(以下少々ネ
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ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

4.5

I Scream, You Scream, We All Scream for Ice Cream!

【感想】
ジム・ジャームッシュ監督作品3作目。これまでみた2作品は共にオムニバスだったので、彼の
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

4.4

私は あなたを 愛しています

【感想】
ゴダールが作るSFってどうなのかなと思っていたが…すげーーー。しっかりとSFでありゴダールでもあった。加えてノワールの雰囲気も大きいように感じた。ゴダールの映
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春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

4.7

手にしたものはいつか失う

【感想】
一人の男の人生と季節によって表情を変える大自然が諸行無常を感じさせる。度々使われる引きのカットが、人智を超えた存在がちっぽけな人間を見守る様子かのように思われて、
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羅生門(1950年製作の映画)

4.7

人が人を信じられなくなったら、この世は地獄だ。

【感想】
なんという迫力。
本作に限らず、日本映画黄金期と言われる50年代、終戦し間もない当時に制作された映画を観ると、日本人の意地とも言わんばかりの
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ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

3.5

ワインとバラの日々は長く続かない。
我々の進路は夢の中からしばし現れ、やがて夢の中に消える。

人生は、そんなものだ。

【感想】
最近はちょくちょくノワールを観ていたので、中でもよく代表作として挙げ
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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

4.3

日曜の3時 ジャック・ター・ホテル 773号室で

【感想】
楽しみにとっておいたフランシス・フォード・コッポラ監督作品を初観賞。高まった期待通りちゃんと面白かった。
本作は盗聴を生業にする男が事件に
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.2

娑婆は我慢の連続たい。

【感想】
《ヤクザと家族》にもみられたような、ヤクザ組織の斜陽と社会復帰の困難さを描く現代解釈としてのヤクザ映画。

まぁなんか、思うところはかなりあったけど、今更ここに記す
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第三の男(1949年製作の映画)

3.6

自分を見てご覧なさい。
そういう顔には、名前があるわよ。

【感想】
《市民ケーン》以来のオーソンウェルズだったが、やっぱ役者としても最高だな〜。この映画の目玉でもあろう彼の登場シーンには思わず姿勢を
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.4

一生って、そんなに長いものなのかね。

【感想】
キアロスタミ監督2作品目。
混乱の渦中にいたイラン政府による激しい言論統制の最中に撮られた作品とのことだが、そういった政治的背景が色濃く窺えるメタファ
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

桜桃の味を、忘れてしまうのか?

【感想】
中盤までは車が坂を上るシーンばかりだったのに対し3人目を乗せたあたりから下るシーンが中心になっていたり、助手席のカメラが主人公を映した時、奥にある車窓が無表
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.4

探したよ。

【感想】
めちゃくちゃ久しぶりに鑑賞。
僕もよく緑色のドロっとした液体に包まれてダウンしちゃう時あるからそこは特に分かるなぁと思った。

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.5

【感想】
普段と違う環境が浮き彫りにする自分自身ってのはあるかもねぇ。
ただ、露悪的なシーンの多さにうんざり。日本に対しても、日本以外の部分に対しても。もうちょっと期待してたかな。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.7

映画を感じるのよ

【感想】
そういえばジム・ジャームッシュ全然観てないなと思って久しぶりに鑑賞。
幾つか印象的なシーンがあったけど、中でも最後の章が、主人公に《パラダイスの夕暮れ》の俳優を起用してい
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.1

“Baby….You are gonna miss the plane.”

【感想】
序盤から炸裂する《before sunrise》の雰囲気の懐かしさにやられる。
ラストシーン、最高だったなぁ。あ
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.7

ここが地獄の入口か…。

【感想】
おもしれー。やっぱ黒沢清の映画って面白いな。まじなんだこれって感じだ。
序盤は黒沢清の雰囲気があるが(それでも控えめ)後半はほぼCall of Duty。テンポが良
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その女を殺せ(1952年製作の映画)

3.8

まるで列車ね。
走行中は景色がぼやけて、止まった時にはっきり見える。

【感想】
寝台列車が舞台のフィルム・ノワール。
70分という短めの尺にテンポ良く展開される歯切れの良い脚本に加え、キャラの立った
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モアナと伝説の海2(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【感想】
前作も映画館で鑑賞したが…7年前!?信じられない。
モアナシリーズは、フラやトライバルタトゥーなど様々なポリネシア固有の文化を美しいビジュアルで鑑賞する事ができ大変楽しい。それに劇伴も大きな
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

1.0

朝がくれば、白鳥に戻ってしまう。

【感想】
2年くらい前に観て、マークし忘れていた。

この映画は好きじゃない。
他人の苦しみは、近づくのは簡単じゃないし、小手先の技巧を駆使して雑なお涙頂戴に利用し
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祇園囃子(1953年製作の映画)

4.4

今日からうちがあんたの旦那や。

【感想】
一見華やかだが内実は残酷な祇園という土地で、か弱くも逞しい2人の舞妓が肩を寄せ合い生き抜く姿に涙が出る。
京都の街と京言葉の美しさにも改めて気付かされた。久
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.9

でも俺は、立派な狐と呼ばれたいんだ。
“Fantastic Mr,FOX″と。

【感想】
可愛らしいアニメーション映画ながら実はMr,FOXという中年男性の、父として、同時に一人の男としての葛藤、焦
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.5

私は死なないわよ。あんたが何て言ったって死ぬもんか。
生きてこの眼で見てやるのよ。淫売に堕ちてもやってけない女が、次に何になるのか。
見極めてやるのよ!

【感想】
売春防止法施工前夜、吉原で働く娼婦
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ダークナイト(2008年製作の映画)

3.7

“Why so serious?″

【感想】
トッド・フィリップスによる《ジョーカー》が完結したので再見。
ヒースジョーカーもやっぱりたまらないですね。中二心がくすぐられる。

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

“That’s Life“

【感想】
まぁ前作と比べて評価が低い理由は分かる。ハーレーを筆頭としたゴッサムシティの市民、そして観客が望むジョーカーの復活が叶わなかったからだ。
しかしだからと言ってつ
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.6

あなたさえいてくだされば、私はもう何にも欲しくありません

【感想】
欲望に駆られ現実を見失った男の破滅を、幽玄なカットで夢とうつつを織り交ぜながら映すのか……。そして気がつけば自分も映像美のインパク
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