前作よりも、さらに禁欲的な作品となっている。ナレーションが皆無で、音楽もほぼ削ぎ落とされていたからだ。『抵抗-死刑囚の手記より-』で確立されたカメラワークがさらに洗練されているように見受けられた。
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『田舎司祭の日記』の次作とは思えないほど、全編を通じて抑制の効いたカメラワークに変化している。ナレーションの多さを除けば、ブレッソン独特のスタイルが完成に近づいていると言えよう。劇中に挿入される音楽も>>続きを読む
『罪の天使たち』『ブーローニュの森の貴婦人たち』よりも難解に思われた。回想録という体裁をとっているため、日記のページを映した後にその内容を再現するという構成で、後期ブレッソンのカメラワークは未確立だが>>続きを読む
カメラワークにブレッソンらしさはない。むしろ、基本に忠実に撮っているように見受けられる。しかし、本作におけるテーマは興味深いものだった。恋愛を媒介とした復讐劇を通じて、社会のヒエラルキーや女性の立場が>>続きを読む