学校授業1年分の学習範囲を、わずか32時間で終わらせる人工知能教材Qubenaが効果的な理由

わずか1/7の時間で学習効果を得られる

学生時代を思い出して欲しい。算数・数学の出来はいかがだったろう?

とっても簡単で、問題を解くのが単なる作業になっていたことはないだろうか?

逆に、授業にまったくついていけなくて、脂汗を流しながら、授業を聞き流していたことはないだろうか?

「大勢を教えなければならない学校教育の場合、算数・数学の授業の多くは、この『自分のレベルに合っていない状態』なんです。」と言うのはQubena事業を行うCOMPASSの神野元基代表。

ところが、Qubena Wiz(https://wiz.qubena.com/)を使えば、人工知能を使って、生徒のレベルにあった問題を出し続けるので、無駄な時間がほとんどなく、わずか1/7の時間で、学校教育と同等の学習効果を得られるという。

常に適切な課題を出し続けることで、効率大幅アップ

といっても、ものすごい魔法があるわけではない。ただ、生徒にとって、簡単過ぎない、かつ難し過ぎない問題を出し続けるだけで、それだけの効果が得られるのである。常に、ちょっと背伸びしたら解ける問題に取り組んでいるだけで、自然と力がついてくるのだ。

0901 Qubena Wizは有償のサービスで、人工知能を利用したタブレット版アプリと、講師によるオンライン学習サポートがセットになっている。

タブレットはiOSであればiPad Air、iPad mini 2以降が対応。Androidは画面サイズ9インチ以上、解像度1920×1200以上(推奨端末Nexus 9)が対応端末となっている。現在の出題範囲は小学校の算数(小1〜小6)と、中学の数学(中1〜中3)。

アプリは非常によくできていて、手書きで問題に答える方式になっており、図形やグラフの問題のために、画面上に直線を引いたり、デジタル的なコンパスで円弧を書いたりもできるようになっている。

バックグラウンドでは、どの問題のどの部分で考え込んだか、などがチェックされており、生徒が引っ掛かった部分に応じて、次に出す問題が選ばれる。たとえば、2次方程式の問題が解けなかったとしたら、2元1次方程式の解法、単項式と多項式の乗除計算へと問題は簡単になっていく。学年を問わず理解している部分に戻りつつ、分かっている部分を固めて、次のステップへと進んでいく。

まずは、積み重ねが非常に大事な算数・数学から課題を制作

教育七五三という言葉をご存じだろうか? 先生が教室全体に対して行っている授業に対して、小学校で3割、中学校で5割、高校で7割の生徒がついていけなくなっているという話だ。

理科や社会なら、そのその単元だけを一所懸命学習することも無理ではない。しかし、算数、数学は積み重ねの授業。小学生の加減乗除から始まって、学習内容をキッチリと積み重ねていかなければ、中学生、高校生の課題を理解することができない。

0701 のコピー

生徒に対して出す問題の選択に関しては人工知能が使われているが、問題の制作、その問題がどのような課題を内包しているか……については、熟練した開発者がそれぞれ設定している。ある問題について、どういう課題が含まれているかは手動設定なのだ。だから、Qubenaの問題開発に莫大な時間が投入されている。

現在のところ、算数-数学の問題だけだが、もちろん他の強化の問題を作ることも可能だし、将来的には資格試験などにも対応していきたいと考えているという。技術的には他言語展開も可能なので、Qubenaのビジネスは非常に大きな可能性を持っている。

現在一番大きなビジネスになっているのは、河合塾や錬成会などの学習塾での使用によるライセンスフィー。すでに1万7000人もの生徒がQubenaを使って学習しているという。

講師はコーチングを、Qubenaがティーチングを行う

そして、この春から新たにリリースされたのが、リモートでのタブレットを使った授業Qubena Wiz。これはタブレットでの学習にオンライン講師によるリアルタイム進捗管理とチャットサポートがつく。講師は課題について教えるのではなく、学習方法についてアドバイスするのだ。

学習効果などの検証をするためもあって、COMPASS社内には小規模な学習塾があり、そこでQubenaを使って勉強している生徒たちもいる。

そこでは、違った学年、違った進捗の生徒たちが勉強している。

講師の先生はいるが、彼らは学習方法についてアドバイスをする役なので、そこにいる生徒たちが同じ課題を勉強している必要はないのだ。課題はQubenaが出して、Qubenaが回答し、ヒント出しや、解説もQubenaが行ってくれるのだ。

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短時間で学習した時間を使ってして欲しいこと

Qubenaの管理画面は講師に対して『連続○回正解しています』『手が止まっているようです』『集中力が落ちているようです』とアラートを出してくれるから、講師はそれに対して『コーチング』を行うのが仕事なのだ。ティーチングはQubenaが行ってくれる。

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短い時間で学習できるからといって、さらに多くの課題を詰め込むべきだというわけではない。

神野さんは言う。

「小学校から高校の間は、最も感受性の豊かな時代です。そんな時期に勉強だけをしていて欲しくないのです。勉強はITを使って効率的に行い、生み出した時間でキャンプに行ったり、スポーツをしたり、未来を生き抜く力を身に付ける時間にして欲しいんです」

今後、こういう人工知能を利用した効率的な学習方法が主流になっていくだろう。学習効果にこれほどの圧倒的差が付くなら、素早く導入して活用して行きたいものだ。

(出典:『iPad超活用術2019』

(村上タクタ)

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