【八ヶ岳/高見石小屋】山好きな母を連れて!週末のんびり山歩き|#3

まだまだ登山歴の少ないランドネ編集部員のみかみが、山の魅力にどっぷりとハマった母を連れて、週末に山歩きをいっしょに楽しむようすをお届けします。

今回の記事では、八ヶ岳の高見石小屋に宿泊をする1泊2日の旅を紹介。標高500mほどの低山しか足を運んだことのない母に、人生初の山小屋泊を伴う山旅を体験してもらいました!

前回の記事はこちらから!【#2】

念願の「高見石小屋の揚げパン」に大満足!

チェックアウトしてからは、高見石に登る登山者をながめながら「あのウエアかっこいいね」なんて会話をしたり、ポカポカとした陽気に当てられながらぼ~っとしたり。

のんびりとした時間をすごしていると、あっという間に10時となり、高見石小屋の喫茶には登山者の行列が。もちろん私も、すかさず列に並ぶことに。

「これだよ、これ!」

丸いお皿に並べられた、かわいらしい見た目の揚げパンたちにテンションが上がる私。じつは登山を趣味にする前から、なぜか「高見石小屋の揚げパン」だけは認知していたということもあり、山で揚げパンを食べることにずっと前から憧れていたのだ。

ソロ登山への苦手意識が強いこともあり、絶対にひとりでは来れなかったであろう八ヶ岳、高見石小屋。絶好の天気に恵まれた2日間。そして、いっしょに来てくれた母……。思いつくものすべてに感謝しながら、揚げたてのパンを頬張った。

▲パーゴワークスのバディシリーズが個人的にお気に入り。使い勝手が良すぎて、サイズ違いで2色買いしているほど。この日は片方を母に貸していたので、おそろいのバックパックで山を歩くことに

絶好の天気に恵まれて2日目の旅がスタート

小腹を満たしたあとは、ゴール地点である八ヶ岳ロープウェイの山頂駅をめざすことに。普段だと急登が見えた瞬間に、あからさまにテンションが下がるタイプなのだが、今日の私はいつもと違うはず。なんといったってそう、ずっと食べたかった山小屋グルメを食べたのだから!

そんなこんなでコンディション抜群な私は、リズムよく足を運んで、上へと進んでいく。普段より体が軽い気がするのは、もちろん揚げパン効果もあるのだろうけれど、山小屋のおいしいごはんを食べて、いつもだとありえないほど早い時間に就寝したからにちがいない。

樹林帯を抜けた瞬間に頬をかすめるひんやりとした風、ポカポカとした暖かい陽気、開放感たっぷりの広大な風景……。あまりの心地よさにその場でしばらく佇んでしまう。

しばらくして周囲を見回してみると、目線の先に赤い屋根のかわいらしい建物を発見。そう、ランドネ本誌でも何度も紹介をしている、あの“麦草ヒュッテ”だ。

「こんなの通り過ぎるなんて、もったいない!」

ここぞとばかりに意見を合致させた私たちは、麦草ヒュッテ前に設置されているテーブルでひと休みすることに。行動食として持参していたセイコーマートのどら焼きを分け合って食べながら「せっかくなら野生動物に会いたいよね~」なんて、ゆるめな会話をする。

▲道で見つけた「グーの手」のような岩。真似して撮影してみたら、思ったよりも似ている気が

ロープウェイの最終便の時間が心配だったこともあり、ゆったりと歩けるコースを事前に選んでいた私たちは、のんびりと山歩きを楽しみながら帰路につくことに。

不思議な形の岩を見つけるたびに母へ声をかける私と、珍しそうな植物を見つけるたびに私に声をかける母。まるで“好奇心旺盛な子ども”のようなやり取りばかり続けていたのだが、このように周りの目を気にせず、思い切ってはしゃぐことができるのは、山という環境に身を置いているからなのだと実感する。

きっと山を下って日常生活に戻ってしまったら、母も娘も「しっかり者」のような立ち振る舞いをしてしまうはず。だが私からすると、山にいるときが一番自分らしくいられると思っているし、一番母らしい姿を見ることができている気がする。だからこそ、この時間が好きでたまらない……というわけだ。

そんなことを考えながら歩きつづけること数時間、目的地の八ヶ岳ロープウェイ山頂駅に到着。だんだんと日が落ちていく感覚に寂しさを覚えつつも、母を連れて八ヶ岳を2日間歩きとおした達成感に、ほんのりとうれしさも感じる。

「次はどこの山に登って、どこの山小屋に泊まろうか。」

もうすっかり登山慣れしたハイカーのようなことを言う、自然が、動物が……そして山が好きな母を連れて、これからは週末にのんびりと山歩きを楽しんでいこうと思う(できれば、月に1回ペースで登りたい!)。

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PROFILE

三上美羽

ランドネ / 編集部(ADDIX)

三上美羽

編集・登山歴どちらも2年ほどの、ひよっこ編集部員。山でしか感じることのできない特有の世界観と、自分らしい山の楽しみ方を探すことが好き。ソロ登山は少し苦手なので、だれかといっしょに山歩きをする登山スタイルが定着している。母や友人などを連れて、ランドネらしいおもてなしをしながら、日本各地の山を巡るのが夢。

三上美羽の記事一覧

編集・登山歴どちらも2年ほどの、ひよっこ編集部員。山でしか感じることのできない特有の世界観と、自分らしい山の楽しみ方を探すことが好き。ソロ登山は少し苦手なので、だれかといっしょに山歩きをする登山スタイルが定着している。母や友人などを連れて、ランドネらしいおもてなしをしながら、日本各地の山を巡るのが夢。

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