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“円”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
まる63.2%
まろ9.6%
まど5.5%
つぶら4.8%
えん4.6%
つぶ4.6%
まどか1.7%
1.5%
ゑん1.1%
まろき0.4%
りょう0.4%
マド0.2%
うま0.2%
0.2%
まある0.2%
まるき0.2%
まろか0.2%
まろみ0.2%
まろや0.2%
まろら0.2%
まア0.2%
まアる0.2%
ツブ0.2%
マル0.2%
マロ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜならつくえかどは、小刀こがたなかなにかで、不格好ぶかっこうけずとされてまるくされ、そして、かおには、縦横じゅうおうきずがついていたのであります。
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるひは炬燵こたつにうづくまりて絵本読みふけりたる、あるひは帯しどけなき襦袢じゅばんえりを開きてまろ乳房ちぶさを見せたるはだえ伽羅きゃらきしめたる
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
形骸に拘々こう/\せず、小智に区々せず、清濁のまに/\呑みつくし、始めて如来禅を覚了すれば万行体中にまどかなり。 (天知子)
若い子の夢はつぶらでした。朝まで白いベッドの中で、頬を赤くして唇をかるく開いたままで、朝起た時はもう日がスッかり出て居ました。
無題(一) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
えん、二千えんというふだのついた、ダイヤモンドの指輪ゆびわが、装飾品そうしょくひんにならべてありました。それをただけでもびっくりしたのです。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
白蝋のかおの上に、香りの高い白粉おしろいがのべられ、その上に淡紅色ときいろの粉白粉を、彼女の両頬につぶらなまぶたの上に、しずかにりこんだ。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
枕山は「同遊已看七回円。」〔同遊已ニ看ル七回まどかナルヲ〕といい湖山は「城東明月七年秋。」〔城東明月七年ノ秋〕といっている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
葉子も、何時か、体全体に、脂肪を持った、ふくよかな肉がつき、ろやかに、体から流れ出る線は、白く、そして弾力に富んで来た。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
有と無との交錯、またはゑんとか、融とかいふ宇宙観や人生観、または悟道、さうしたものは、すべてそれを言つてゐるのではないか。
ある時に (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
艸木のまろきをうしなはざるも気中にしやうずるゆゑ也。雲冷際れいさいにいたりて雨とならんとする時、天寒てんかん甚しき時はあめこほりつぶとなりてくだる。
「毎月ね、三りょうずつやりますよ。それから兄の所から三りょう宛ね、くれますよ。ソレ小遣こづかいが足りねえと、上祖師ヶ谷の様にならァね」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何時イツ見ても、大師タイシは、微塵ミヂン曇りのない、マドかな相好サウガウである。ソレに、ふるまひのおほどかなこと。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
要求強きところには必ず方法が見いだされる。母儀の死ぬのを待って仏道に入ればすべてがうまく行くように思えるが、しかしもし自分が先に死ねばどうなるか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「間違いなんかいたしません、百八十五ン」
古銭の謎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
と云って兄の膝の前の椀からその太ったまあるい一片を箸の先に刺そうとした。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
こたへいはく、地気天に変格へんかくして雪となるゆゑ天のまるきと地のかくなるとを併合あはせ六出むつかどをなす。六出りくしゆつ円形まろきかたちうら也。
ふさのように厚い漆黒の眉毛、山根のあたりから高く盛り上がって、準頭じゅんとうが豊かにまろかな鼻、左右の隅がやや上にあがり、形の大きい厚手の口等は、貴人の相を想わせて、同じく人の眼を引くに足りた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火焔の脈を打たせて満ちたるまろみの月は世界のつち色の岸から岸にとやわらかい光の潮を敷いていた。
(新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
しかしまろやかな相貌そうぼうと全躯にみなぎる深い光沢を仰ぐとき、天武天皇が生涯しょうがいにわたって心奥に憧憬どうけいされたあの久遠の和の光輝を思わないわけにゆかない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
この時ネルロも、まろらかな夢を破られて、びっくりしてかけつけて来ましたが、コゼツの旦那は荒々しく彼をつきのけて、腹が立ってたまらないように
まアるいまアるい眼玉めだま
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
生薬屋きぐすりや看板かんばんだよ。梅「あれは……。近「糸屋いとや看板かんばんだ。梅「へえゝ……あれは。近「人が見て笑つてるに、水菓子屋みづぐわしやだ。梅「へえゝ……あ彼処あすこまアるいものはなんです、かういくつもるのは。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
機に上つて日ねもす、時には終夜ヨモスガラ織つて見るけれど、蓮の糸は、すぐにツブになつたり、れたりした。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
月のやうにマルくて、幾つも上へ/\と、月輪グワチリンの重つてゐる如くも見えた。其が、隙間風スキマカゼの為であらう。時々薄れて行くと、一つの月になつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
郎女イラツメが、筆をおいて、にこやかなヱマひを、マロ跪坐ツイヰる此人々の背におとしながら、のどかにシカし、音もなく、山田の廬堂を立ち去つた刹那、心づく者は一人もなかつたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)