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“尊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうと28.3%
たっと20.8%
たふと10.8%
みこと9.2%
たつと7.5%
たっ5.4%
たうと2.1%
とう2.1%
たふ2.1%
そん1.7%
あが1.3%
うやま0.8%
0.8%
たうとみ0.8%
たか0.8%
たつ0.8%
とおと0.8%
ミコト0.8%
ムチ0.8%
たっとん0.4%
たと0.4%
0.4%
とうとぶ0.4%
タフト0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは因縁こそ実にとうとくそれを飽迄あくまでも大切にすべきものだと信じてります。其処そこに優しい深切しんせつな愛情が当然おこるのであります。
ただ、用心をすることや、旦那方はこれから出世するたっとい身体や。こんな離れ島の老人に構って、危い目を見ぬ様に、用心が肝腎やな
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
平日しめしていはれしは、我雪頽なだれうたれしとき筆をりてたりしは、たふと仏経ぶつきやうなりしゆゑたゞにやはとて一ごと念仏ねんぶつ申て書居かきをれり
と、おくへいって持ってきたのは、ふるい二つの仮面めんである。あおい烏天狗からすてんぐ仮面めん蛾次郎がじろうにわたし、白いみこと仮面めんを竹童にわたした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つらつら観ずれば、人の命なるもの、たつとしと思えば、尊ときに相違なけれど、とうとからずと見る時は、何のまた些少いささかの尊さのあるべき。
一夜のうれい (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そこへ気がついた時が人間の生涯しょうがい中もっともありがたい期節である。自分で自分の馬鹿を承知しているほどたっとく見える事はない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
以上いじやう概括がいくわつしてその特質とくしつげると、神佛しんぶつたうといもの、幽靈ゆうれいすごいもの、化物ばけもの可笑おかしなもの、精靈せいれうむしうつくしいもの、怪動物くわいどうぶつ面白おもしろいものとる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
夕の御饌が嘗であるのに、それに先だっていかにとうとい諸国の神々でも、前々から御相伴をするとは考えられないことである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
窮理きゆうりけつしてなるにあらず実践じつせんなんあさしと云はんや。魚肴さかな生臭なまぐさきがゆゑやすからず蔬菜やさい土臭つちくさしといへどもたふとし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
なおさらなこと、天皇御自身にも九五きゅうごそんを、自由のない不幸な地位などとは、ゆめ御思惟ごしいするはずもあるまい。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかもその優美さ絢爛さにも増して、数百人の侍女や奴隷たちから姫君とあがめられているロゼリイスの美しさ、気高さというものは!
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
余「何とも聞きませんよ」お浦「道さん、貴方のうやまう貴婦人は立派な素性です事ねエ。中働きの癖に情夫を拵えて出奔して、爾して古山お酉と云う本名を ...
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
何しろ新材料はやみみと云うとこで、近所の年寄や仲間に話して聞かせると辰公は物識ものしりだとてられる。迚も重宝ちょうほうな物だが、生憎あいにく、今夜は余り材料たねが無い。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
○つくしにいたり玉ひては不出門行ふしつもんかうといふを作り玉ひて、寸歩すんほ門外もんのそとへいで玉はず。是朝廷てうていたうとみおそれ、御身の謫官てきくわんたるをつゝしみたもふゆゑなり。
玉敷たましきの都の中に、むねを並べいらかを争へる、たかいやしき人の住居すまひは、代々よよてつきせぬものなれど、これをまことかとたづぬれば、昔ありし家はまれなり。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ちと御呵おしかあそばしてくださりませときま文句もんくはなたすれど學士がくしさらにもめず、そのおさなきがたつときなり、反對はんたいはねかへられなばおたみどのにも療治りようぢが六ツかしからん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
母親はその金をさもとおとそうに押しいただくまねをして、立って神棚かみだなそなえた。神棚には躑躅つつじと山吹とが小さい花瓶に生けて上げられてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
即、其最明らかなのは、皇子ミコの場合に窺はれる。天子の御代役を勤められる、謂はゞ摂政の位置に居られる方には、特別に皇子ミコミコトと称へてゐた。
ふかぶちのみづやればなの神・しこぶちなどからムチムチなども、水神に絡んだ名前らしく思はれる。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯我独尊を称したる釈迦如来しゃかにょらいは、絶対に自らを尊べり、絶対他力を唱えたる親鸞しんらんは絶対に他をたっとんで自個をむなしゅうせり、孔子こうし耶蘇ヤソとは他を尊んでまた自個を尊べり
絶対的人格:正岡先生論 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
人畜にんちくの道ことにして。その欲を得遂げざれども。耳に妙法のたときをきゝて。…………おなじ流に身をなげて。共に彼岸かのきしに到れかし。
私達は、先生の周囲を、円陣を作って、歌い踊りながら、戦争というものが、どんなにうといものか、人間と生れて戦争にゆかないものは、不具者に劣る者だと教え込まれた。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
たて海へ野山に白旗たなびき天地震動せば万民天主をとうとぶ時至るべきや
島原の乱雑記 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
其にどこまでも知識をタフトんだ人だ。内典の學問ばかりか、外典は固より、陰陽から遁甲の學、もつと遠く大日教の教義まで知りぬいた人だつた。あゝあの學問の十分の一もおれにはない。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)