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“抱擁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうよう69.1%
だきし9.1%
だきしめ7.3%
はうよう5.5%
だきかゝ3.6%
アンブラッセ1.8%
はうえう1.8%
だきかか1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝、目がさめると、途端に私のほうからしかけてゆく抱擁ほうよう。酒場に勤めていた時、まるで浮気をしなかったかどうかを私は知りたい。
野狐 (新字新仮名) / 田中英光(著)
別に丑之助に未練を残すでも何でもないが、唯もう悲しさが一時に胸を充たしたので、お定は矢庭に両手で力の限り男を抱擁だきしめた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
幼年時を被ふかずかずの抱擁だきしめの、沁み入るやうな記憶と共に。
遺産分配書 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
このごろの富岡は、眼には落ちつきがなく、邦子を愛撫し、抱擁はうようしてゐても、突然その動作を打ち切つて深く溜息をつくやうになつてゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
吉野は、濡れに濡れて呼吸いきも絶えたらしい新坊の體を、無造作に抱擁だきかゝへて川原に引返した。其處へ、騷ぎを聞いて通行の農夫が一人、提灯を下げて降りて來た。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「フレッドさん、あたしがあなたを抱擁アンブラッセしたことが、アメリカの新聞に載るようなことはないだろうね」
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
抑圧おさえあへぬ抱擁はうえうわらごゑきこえしか——葱畑ねぎばたけすでにあをし。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吉野は、濡れに濡れて呼吸いきも絶えたらしい新坊の体を、無造作に抱擁だきかかへて川原に引返した。其処へ、騒ぎを聞いて通行とほりすがり農夫ひやくしやうが一人、提灯を携げて下りて来た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)