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“提燈”のいろいろな読み方と例文
新字:提灯
読み方割合
ちょうちん68.7%
ちやうちん12.1%
かんばん5.1%
ちようちん5.1%
ランタン2.0%
あかり1.0%
ちゃうちん1.0%
ぢょうちん1.0%
てうちん1.0%
ひさげとう1.0%
カンテラ1.0%
ランテルヌ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
武士は四辺あたりをじっと見たがどうしても場所の見当がつかなかった。二人れの男が提燈ちょうちんを持って左の方から来た。武士は声をかけた。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
をりからかしボート桟橋さんばしにはふなばた数知かずしれず提燈ちやうちんげた凉船すゞみぶねもなくともづないてやうとするところらしく、きやく呼込よびこをんなこゑが一そう甲高かんだか
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
大門際おほもんぎわ喧嘩けんくわかひとるもありけり、よや女子をんな勢力いきほひはぬばかり、春秋はるあきしらぬ五丁町てうまちにぎわひ、おくりの提燈かんばんいま流行はやらねど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この者切られし首の髮をとらへてあたかも提燈ちようちんの如く之をおのが手につるせり、首は我等を見てあゝ/\といふ 一二一—一二三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その水夫長が片手に小さな提燈ランタンをブラ下げて出て来たので、ホッとした連中が訳もなくアトからゾロゾロとクッ付いて行った。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
三つの提燈あかりはしきりに揺れ、しきりに明滅する。夕方、比叡ひえいのうえに見えた笠雲はもういっぱいに洛内の天へ黒々とひろがって、夜半よなかには何に変じるか、怖ろしい形相をきざしている夜空だった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此時このとき、一ぱうへロレンス法師ほふし提燈ちゃうちん鶴嘴つるはし鋤等すきとうたづさへてきたる。
若紳士が言ったのは、例の、おいてけ堀、片葉のあし、足洗い屋敷、埋蔵うめぐらどぶ小豆婆あずきばば、送り提燈ぢょうちんとともに、土地の七不思議に数えられた、幻の音曲である。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かすみ千鳥ちどりなどゝ奇麗事きれいごとではひませぬほどに、手短てみぢかにまうさうなら提燈てうちん釣鐘つりがね大分だいぶ其處そこへだてが御座ござりまするけれど、こひ上下じやうげものなれば、まあ出來できたとおぼしめしますか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
處々に懸けし招牌せうはいには押韻あふゐんしたる文もて精進食せじみしよくの名を列べ擧げたり。夕になれば緑葉の下にいろどりたる提燈ひさげとうれり。雜食品賣る此頃の店は我穉き目に空想界を現ぜる如く見えにき。
もし信号機に故障があれば、暗闇の信号所で青い提燈カンテラを振り回すはずだ。
汽笛 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
提燈ランテルヌを持って来させて眺めてみると、それはまごう方なく、フランス王ルイ十七世の無残にも衰頽した姿であった。眼ばかりあやし気に光る小動物そのままの行態で、容貌はさながら死人のよう。
カストリ侯実録 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)