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煩
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わずらい
ふりがな文庫
“
煩
(
わずらい
)” の例文
彼は学校生活の時代から一種の読書家であった。卒業の後も、衣食の
煩
(
わずらい
)
なしに、購読の利益を適意に収め得る身分を誇りにしていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
老いたる親に思いもよらぬ
煩
(
わずらい
)
をかけて先だつ身さえ不幸なるに、死しての
後
(
のち
)
までかかる御手数をかけるは、何とも心苦しいが、
何卒
(
なにとぞ
)
この金を
以
(
もっ
)
て
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
冷々
(
ひやひや
)
と濡色を見せて涼しげな縁に
端居
(
はしい
)
して、柱に
背
(
せな
)
を持たしたのは若山
拓
(
ひらく
)
、
煩
(
わずらい
)
のある双の目を
塞
(
ふさ
)
いだまま。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はそれをここに叙述する
煩
(
わずらい
)
を避けて、その時糸崎検事に送る為に書いた私の意見書が残っているから、それにいくらか書入れをして、
左
(
さ
)
に写して置くことにするが、この推理は
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自分の
智慧
(
ちえ
)
に苦しみ抜いている兄さんにはなおさら痛切に解っているでしょう。兄さんは「全く
多知多解
(
たちたげ
)
が
煩
(
わずらい
)
をなしたのだ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しかも荒物屋の婆さんや近所の
日傭取
(
ひやとい
)
にばかり口を利いて暮すもんだからいつの間にか奮発気がなくなって、引込思案になる所へ、目の
煩
(
わずらい
)
を持込んで、我ながら意気地はない。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼らは複雑な社会の
煩
(
わずらい
)
を避け得たと共に、その社会の活動から出るさまざまの経験に直接触れる機会を、自分と
塞
(
ふさ
)
いでしまって、都会に住みながら
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
障子も
襖
(
ふすま
)
も
開
(
あ
)
け
放
(
はな
)
つ。宿の人は多くもあらぬ上に、家は割合に広い。余が住む部屋は、多くもあらぬ人の、人らしく
振舞
(
ふるま
)
う
境
(
きょう
)
を、
幾曲
(
いくまがり
)
の廊下に隔てたれば、物の音さえ思索の
煩
(
わずらい
)
にはならぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが
曝露
(
ばくろ
)
したので、本人は無論解雇しなければならないが、ある事情からして、放って置くと、支店長にまで多少の
煩
(
わずらい
)
が及んで来そうだったから、其所で自分が
責
(
せめ
)
を引いて辞職を申し出た。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“煩”の意味
《名詞》
(ハン)わずらわしさ。
(出典:Wiktionary)
煩
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
“煩”を含む語句
煩悶
煩悩
可煩
煩累
煩瑣
長煩
御煩
子煩悩
煩悩即菩提
恋煩
大煩
煩聒
心煩
思煩
気煩
煩悩熾盛
煩雑
煩惱
煩労
煩悩児
...