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2023.11.16
# 雑誌

「日本の大学院への進学はいかにリスキーか」...10年以上前から認識されていた「衝撃の実態」と「根本原因」

先月、科学誌のNatureが「日本の研究はもはやワールドクラスではない」とデータを交えて発表し大きな注目を浴びた。曰く、研究者数は世界第3位だが、それに見合った研究成果や水準を満たせていないというのだ。日本人研究者が発表した論文数は世界5位だが、引用回数で上位10%に入るものは13位まで低下しているという。

いったい日本の研究者の世界で何が起きてきたのか。本誌は10年以上前に、日本の大学院に進学することがいかに「リスクばかり」なのかと認識されている実態を現場取材していた。果たしてこうした日本の大学院環境は改善されているのか―。

修士、博士になっても就職できません...

「偏差値の高くない私立大から有名国立大に行きたいと大学院を目指し、試験と面接は難しく感じずに合格しました。基本的には週2~3日授業に出ていればよくて、自分の研究発表は半年に1回くらい。仲間からは『一番の出世頭だな』ともてはやされたのですが、授業についていけず、研究発表する力も自分にはなかった。何とか卒業させてもらった今は、地元の布団販売店でアルバイトの日々です」(一橋大学大学院修士課程を修了した男性・30歳)

一生懸命、息子や娘に勉強させて、それなりの大学に進学させた。4年後、もっと勉強して研究者になりたいと言ってきたので、大学院で修士課程2年、博士課程3年を過ごさせることにした。わが子には輝かしい研究者人生が待っている---と考えるのは幻想だ。

その理由は、学生と社会両方にある。まずは大学院生の現実を見よう。

・安易に進学してしまう

〈学部時代に就職活動に失敗した。私大から、有名国立大学の大学院に進学する〝学歴ロンダリング〟を果たしたが、高度な授業についていけず、落ちこぼれて引きこもりになった〉(国立大修士3年の男性・26歳)

 

・自由な時間に溺れる

〈研究テーマと関係ないAKB48にハマるネットオタク。ブログは欠かさず更新するものの、調査能力に乏しく、論文はなかなか書けない。アルバイトの予備校講師が本業に〉(東大院博士課程7年目の男性・35歳)

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