過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか
総務省が27日に発表した5月の家計調査で、ちょっとびっくりするような数字が出た。
マスコミ報道では、「1世帯当たりの消費支出(2人以上世帯)は27万1411円で、物価変動を除いた実質で前年同月比8.0%減った。減少幅は4月の4.6%から拡大した」「家計調査の実質消費は、東日本大震災があった2011年3月(8.2%減)以来の落ち込みだった」と書かれている。
ちょっと長めのデータを見てみよう。それには、家計調査にある「消費水準指数」がいい。これは、1世帯当たりの実質消費と似ているが、消費支出から世帯規模(人員)、1か月の日数及び物価水準の変動の影響を取り除いて計算した指数で、家計消費の面から世帯の生活水準をより的確に把握することができるものだ。
5月の消費水準指数の対前年同月比は▲7.8%と、たしかに東日本大震災があった2011年3月の▲8.1%以来の落ち込みなのだが、下図からわかるように、最近33年間における最悪が2011年3月なので、なんと2番目に悪い数字なのだ。
駆け込み需要の反動減が出るのはわかっていたので、4月の▲4.5%には驚かなかった。しかし、5月が4月よりこれほど悪くなるとは、驚いたわけだ。
まあ、3月が7.4%と過去33年間で最も高かったから、その反動減で悪くなったと説明できればいいのだが、以下に述べるように、そうは問屋が卸さない。
過去2回と比べても異常に大きい下振れ
思い返すと1年ほど前、消費税を増税しても景気は大丈夫という人が多かった。
筆者は、金融政策の大転換で、景気は良くなるものの、消費税増税の影響は、景気が本格的に回復する前なので、楽観は危険だと言い続けてきた。2013年8月12日付け本コラム(→こちら)では、財政政策なしの前提で、2014年度はマイナス成長もあり得ると言った。
さすがに、財務省が予算を大盤振る舞いしたので、マイナス成長になる公算は低くなったが、それでも1%にもならない可能性が高いだろう。