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鬱病治療に劇的効果を発揮する「脳のペースメーカー」DBSとはどんな技術か

カリフォルニア大学が発表した研究成果

新型コロナ・パンデミックの心理的影響等から、世界的に鬱(うつ)病が増加傾向にあると言われる。

WHO(世界保健機関)の推計(https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/depression)では、現在、鬱病の患者数は世界全体で約2億8000万人(総人口の3.8%)だが、そうした精神・神経疾患までには至らずとも、日頃から鬱状態に悩まされる人達の総数は計り知れないほど多いだろう。

こうした鬱病の治療法として、「DBS(Deep Brain Stimulation:脳深部刺激療法)」と呼ばれる技術が最近注目を浴びている。

iStock

脳を電気的に刺激することで治療する

DBSは脳の内部に手術で小型電極を埋め込み、これで脳の特定の領域を電気的に刺激することにより、様々な精神・神経疾患の症状を沈静化する技術だ。

 

元々はパーキンソン病や癲癇など身体の震えを伴う病気に適用され、既に世界全体で16万人以上がこの治療を受けているされる。近年は鬱病をはじめ、数多くの病気にまで利用範囲を拡大すべく臨床研究が進められている。

そうした中、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが従来のDBSを改良して、患者各人の鬱症状にパーソナライズ化した新たな治療法を開発。このほど、その研究成果を英ネイチャー・メディシン誌に発表した。

https://www.nature.com/articles/s41591-021-01480-w

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