なぜ「女性の落語家」は少ないのに「女性の講談師」が多いの…? その「意外な理由」
女性落語家の受賞
2021年、NHK新人落語大賞を取ったのは桂二葉であった。
初の女性落語家の受賞である。
どれほど話題になっていたのかちょっとわからないが、わりと画期的な出来事である。
〔PHOTO〕Gettyimages
海外にも報道されていた。
ニューヨークタイムズから桂二葉さんについて話を聞きたいとの、取材依頼があった。
ニューヨークタイムズだから、おそらくニューヨークとかそのあたりで読まれるのだろう。取材してきたのはアメリカ人記者である。
リモートでのインタビューであり、英語で聞かれ、通訳が入った。
依頼の時点で「初めての女性の受賞」というところにニューヨークが反応したのだろうと推察していた。記者の人も通訳さんも女性であった。
なぜ落語家には女性が少ないのか、という話は、日本人にするのさえ、少しむずかしい。「そもそも落語というものは」と18世紀の日本社会から話を始めないと十全に解説できないからだ。
でもまあ、向こうもそこまで「落語」の話を聞きたいわけではないのだろう。30分少々の話を聞かれて終わった。
後日、記事が送られてきた(いまどきはURLが送られてくる)。
記事は桂二葉の経歴についてかなり深く書かれており、アメリカ人から見た「伝統的演芸の世界」についての描写は、かなり興味深いものであった。