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(※写真はイメージです/PIXTA)

「会社のカネは俺のカネ」と考えている“よからぬ経営者”がやりがちなのが「経費の使い込み」。一口に経費の使い込みといっても、多岐にわたる手法があります。そして、発覚した際の処罰の内容もさまざまです。今回、経営者による経費の使い込みの手法と防止策について、税理士法人松本が詳しく解説します。

社長の「経費使い込み」は罪になる?

社長の経費使い込みは罪になります。

 

会社の資金は、社長にとって自分のものでなく「他人の財産」とみなされるので、私的な目的に利用した場合、これは法律上の横領罪に該当する可能性があります。業務上横領罪に該当してしまうと、最大で10年の懲役刑が科される可能性があります。

 

さらに、社長が会社の資産を不正に取得した場合、会社に損失が生じるため、その損害に対する賠償責任も追及されることがあります。

経費使い込みによって受ける処罰の種類

経費使い込みによって受ける処罰の種類については、以下の3つが挙げられます。

 

●詐欺罪

●業務上横領罪

●私文書偽造等罪

 

それぞれの項目について解説していきます。

 

詐欺罪

社長が経費を不正に利用し、意図的に会社を欺く行為がある場合、刑法第246条に定められた「詐欺罪」に問われる可能性があります。

 

詐欺罪は、「嘘をついて他人から財産をだまし取った者」に適用されます。例えば、交通費や接待費を虚偽の内容で申請したり、架空の請求を行ったりするような行為は、会社の経理担当者に虚偽の情報を伝え、金銭を不正に得ようとすることに該当します。そのため、これらの行為は詐欺罪が成立する可能性が高いです。

 

また、実際に金銭を受け取る前の段階でも、未遂として処罰対象となるので、会社が不正を発見した時点で処罰されるケースもあります。

 

業務上横領罪

経費の不正利用が問題となる場合、業務上横領罪にも当てはまります。刑法第253条では、「業務上管理している他人の財産を不正に使用した者」に対して罰則が適用されると規定されています。例えば、会社の経費として預かっている資金を私的な目的で使用した場合、業務上横領罪に該当する可能性があります。

 

この罪に問われた場合、法定刑として「10年以下の懲役」が科され、通常の横領罪よりも厳しい罰則が設けられています。

 

私文書偽造等罪

架空の領収書を作成したり、正式な領収書の金額を書き換えたりする行為は、刑法第159条に定められた「私文書偽造等罪」に該当する可能性があります。

 

私文書偽造等罪に対する罰則は、懲役3ヵ月以上5年以下と規定されています。一般的に、領収書を偽造・改ざんした時点で、この罪は成立します。

 

しかし、これが発覚するのは、偽造・改ざんされた領収書を用いて、実際に誰かを欺く行為に及んだ場合がほとんどです。そのため、領収書を偽造・改ざんする行為は、「有印私文書偽造罪」に加え、それを利用して詐欺を行った場合には「同行使罪」や「詐欺罪」に問われる可能性もあります。

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