芸術=創造とは、いまだ了解されない認識や知覚の領野を拡張していく営みであり、ゆえに芸術とは、「芸術」として名づけられ、回収され、制度化され、統治されてしまうことへの抵抗と逃走=〈アナキズム〉をあらかじめ内包している。表現や日常的な振る舞いにおいて行われている、さまざまなアナキズム的芸術実践、芸術の本来的な力としてのアナキズムの軌跡と同時代的試みを紹介する。
しないでおく、こと。――芸術と生のアナキズム
豊田市美術館(編)
¥2,600 (税別)
2024年12月13日取次搬入予定
- 刊行年月:2024年12月
- A5判並製全頁4色 356頁+口絵4頁
- 天地210mm×左右123mm×束幅26mm
- 重量580g
- 本体価格2,600円
- ISBN:978-4-86503-199-7 C0070
紹介する運動体と作家たち
1.19世紀末、近代化と背中合わせに気運の高まったアナキズム運動に共感した「新印象主義」の画家たち。
2.第一次世界大戦と前後して、社会の中心から逃れ、スイスの「モンテ・ヴェリタ」に集った芸術家たちやその仲間たち。
3.第二次世界大戦後、急進する資本主義体制をかいくぐり日常の革命を試みた「シチュアシオニスト・インターナショナル」とその重要メンバーの「アスガー・ヨルン」。
4.ソ連時代から現在まで、野外や自室で非公式芸術としてのアクションを展開し続けるロシアの「集団行為」。
5.家庭内労働の場での制作と自主展覧会の運営を実践した「マルガレーテ・ラスペ」。
6.共同スタジオを運営し水平的な場を創造する「コーポ北加賀屋」。
7.DIY的・ブリコラージュ的な手触りの芸術実践を行うアーティスト集団「オル太」。
8.生活も制作も発表の場を、自在に往来し続ける「大木裕之」。
※豊田市美術館「しないでおく、こと。――芸術と生のアナキズム」公式図録(2025年2月14日まで開催中)。日本では断片しか知られていない活動を含む貴重な一冊。収録図版500点余、解説論考7本収録(千葉真智子、石谷治寛、杉田敦、家成俊勝、ルーカス・ハーベルコルン、生熊源一、エミリー・ラバージ)。
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