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コラム

ここ1年で日本のネット業界がどう変わったのか、「ブログ・メディア・動画界勢力図詳細」を見てみた


株式会社1st Classがテクノラティジャパン閉鎖に伴い、世界最大規模のブログランキング(直近1年・1ヶ月・1週間の有効獲得リンク数順で30万位くらいまであるらしい)を皆声.jpで本日公開したわけですが、それより前から公開されていた「ブログ・メディア・動画界勢力図詳細」が非常に感慨深いものとなっていました。

Amebloの勢力がこの1年で大きく拡大し、引用されるニュースソースの種類は段々と多彩になり、YouTubeのムービーが引用される数もどんどん増加していることがわかります。

詳細は以下から。
皆声.jp > ブログ・メディア・動画界勢力図詳細
http://minakoe.jp/detail_stat.html

2008年10月29日(水)の勢力図はこんな感じ。


そして2009年10月29日(木)の勢力図はこんな感じ。


わかりやすく、まずは「投稿ブログ記事数」で比較してみましょう。左が2008年、右が2009年。


2008年のAmebloは全体の4割程度(42.5%、29万5952個)で半分に届かなかったのですが、2009年のAmebloはなんと全体の6割近く(59.39%、55万4749個)まで増えています。また、Yaplogが1万4615個から3万3950個というようにしてかなり躍進して追い上げており、勢いが付いていることがわかります。

次に、「被引用ニュース記事数」で比較してみましょう。左が2008年、右が2009年。


ITmediaが3位から9位に転落し、新聞系が上位を占めるようになってきているのがわかります。初期のインターネットはそれこそ「パソコンオタク」みたいなユーザーばかりであり、ネット上で情報発信するためにホームページを作ったり、ブログを書いたりする利用者もまた同じようなオタク的傾向の人々ばかりだったわけですが、ネットの普及とともにどんどんとそうではない一般人が流入し始め、その傾向が近年さらに顕著になってきていることがよくわかります。良く言えばネットも「ふつう」になりつつあり、旧来からの利用者から見ると「濃さが薄く」なってきているようです。

最後に、「被引用動画数」を比較してみましょう。左が2008年、右が2009年。


YouTubeが45.7%から71.0%という感じでなんと全体の7割を占めるようになっており、ネット上の動画共有サイトとしてスタンダードな地位を築きつつあることがわかります。また、日本発の動画共有サイトとして代表的なニコニコ動画は「被引用」という視点で見ると1年前は1628個、今は1536個というようにして減少しており、その囲い込み的な性質のせいで外部から引用される機会が減りつつあることがわかります。

直接の関係はないのですが、本家ジオシティーズの閉鎖、ブログ検索の草分け的存在であるテクノラティジャパンの日本撤退ドリコムブログ運営停止などなど、立て続けにネット上では旧時代の淘汰の結果が見え始め、さらにこのような業界全体を俯瞰するのに必要なデータの存在によって、よりネットが一般的になっていっているのが実感できます。


今後考えられる日本のネット全体の方向性としては、日本のYahoo!が「来年も、今年と同じ選挙でいいですか?」として公職選挙法でネット利用が制限されているというおかしな現状を変えようとしていることからも、より現実世界の重要な局面でネットが利用されることになるのはほぼ間違いなく、新聞やテレビなどの主要メディアが一切報じていない「民主党の「公約」破り・記者クラブ開放問題を書かない既存メディア」などのような隠されている事実も次第と明らかになり、ゆっくりと時間をかけて「本当のこと」だけが生き残るようになるはずです。

今はまだどの情報が正しくてどの情報が間違っているかという取捨選択を誰もが考えて行うことができておらず、いわば「前段階」に過ぎません。ですが、あと数年以内の近い未来においては、ネット上にある情報をどのようにして取捨選択するのかといったことが、ネットとパソコンに詳しい「情報強者」だけではなく、義務教育レベルの学習力があればどこの誰でも普通にできるようになり始めるその最初のきっかけが出てくる、そんな気がします。

現在、ネット上ではこの現実社会に対して「ある日突然訪れる巨大な変化」みたいなものを切望する人が多いように見えますが、どのようなものでも人間が関わる限りは「絶対不変」というようなものはなく、今も少しずつあらゆるものが変わっていっており、その変化に気づくか気づかないか、それが今後のネット勢力図が現実にどれだけ影響を与えることができるかという境界線になるはずです。

そのためにも、このように全体を俯瞰して見ることができるデータの存在は必要であり、そして、より多様なものが提供されるべきだと考えます。

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in ネットサービス,   コラム, Posted by darkhorse

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