【訃報】「紳士は金髪がお好き」のジェーン・ラッセル、89歳で死去
「紳士は金髪がお好き」で金髪のローレライ(マリリン・モンロー)のブルネットの親友ドロシー役として出演し、モンローにも劣らぬ人気を博した1940年代から50年代を代表するセックス・シンボルの1人ジェーン・ラッセルが、今週月曜にカリフォルニア州サンタマリアの自宅で亡くなったそうです。享年89歳でした。
詳細は以下から。Gentlemen Prefer Blondes star Jane Russell dies aged 89 | Mail Online
1921年6月21日ミネソタ州Bemidji生まれのジェーンは、幼いころに家族とともにカリフォルニアへ移住し、父親が亡くなったあとはモデルをして家計を助けました。1940年に受けた映画のオーディションで億万長者ハワード・ヒューズに見いだされ、スターへの道を歩み始めます。
デビュー作となったその映画「The Outlaw(ならず者)」は、1941年に製作が完了していたのですが、当時としては大胆なジェーンの胸元の露出などによりなかなか検閲を通らず、1943年にやっと公開されました。しかし、ヒューズのパブリシティ戦略により水着姿のジェーンのセクシーなブロマイドが第二次世界大戦の兵士たちに大量に配布されていたので、映画の公開前からすでにジェーンの人気は高く、公開後は瞬く間に大スターとなります。
プレイボーイとして悪名高いハワード・ヒューズは何度もジェーンに手を出そうとしたのですが、ジェーンはそのたびにヒューズをはねのけ、「The Outlaw」の衣装の下に着けるため監督のヒューズ自ら特別にデザインしたというブラジャーも、「サイズが合わないわ」と言って着用することはなかったそうです。
その後もハリウッドのセックスシンボルとしてのイメージとは裏腹に身持ちがかたいジェーンにスキャンダルは少なく、1943年にジェーンは同じ高校へ通った幼なじみのフットボール選手Bob Waterfieldと結婚し、1968年に離婚した後は、2度目の夫である俳優のRoger Barrett、3度目の夫である不動産仲介業者のJohn Calvin Peoplesともに、亡くなるまで連れ添っています。
1953年に公開された「紳士は金髪がお好き」ではマリリン・モンローの友人役として出演し、マリリンに匹敵する人気を得ました。
撮影中は神経過敏なマリリンを姉御肌のジェーンが常にかばい、2人はとても仲が良かったそうです。のちにジェーンは、当時を振り返り5歳下のマリリンのことを「妹のような存在だった」と語っています。
1953年、チャイニーズ・シアターでサインと手型・足型を刻むマリリン・モンロー(左)とジェーン・ラッセル(右)。
1954年の主演作「The French Line(フランス航路)」のポスター。
「17歳から70歳まで大歓迎、だけど坊やは駄目よ、男でなくちゃ。アラスカの雪がアマゾン川みたいに流れるまで、全部とかしてやるわ」とホットに歌う「The French Line」のダンスシーンを以下の動画で見ることができます。
YouTube - Jane Russell
1955年には「紳士は金髪がお好き」の続編「Gentlemen Marry Brunettes(紳士はブルネットと結婚する)」に主演し、西部劇「The Tall Men」でクラーク・ゲーブルと共演するなどキャリアのピークをむかえたジェーンですが、1960年代には映画界から姿を消します。「なんで映画を辞めたかって?年だったからよ。あのころは、女優なんて30過ぎて続けることじゃなかったの」と1999年のインタビューでは語っています。
1960年代以降映画に出演することはなかったものの生涯アクティヴであり続けたジェーンは、ゴスペルグループを結成したり、ホテルのバーで歌手として出演したり、教会のチャリティなどで亡くなる直前まで忙しい生活を送っていたそうです。数週間前に呼吸器系の疾患でたおれ、2011年2月28日、カリフォルニア州サンタマリアの自宅で息をひきとりました。
2008年のアカデミー賞でのジェーン。
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