本当に溺れている人は溺れているようには見えないし周囲の誰も気づかないという実例ムービー
「溺れている人」というと、水をバシャバシャとかきながら「助けて!」と大声を上げているイメージですが、実際に溺れている人は大声を上げることも水しぶきを上げることもなく、とても静かに水の中に沈んでいきます。近くに人がいてもなかなか気づきにくいということで、ブラウザ上で実際にプールの様子を映したムービーを再生させ、溺れている人をいち早く見つけてライフガードを手助けするゲームが公開されました。
Spot the Drowning Child
http://spotthedrowningchild.com/
ウェブサイトを開くとムービーがスタート。大きなプールに浮輪を持った人々が映し出されており、特に変わった様子はありません。
しかし、右下の子どもに注目していると……
バランスを崩し、くるんとひっくり返ってしまいました。
何とか浮輪の下から脱出した子どもは泳いでいるようにも見え、周囲の人が騒ぎ立てる様子はありませんでしたが、少し動きに違和感があったのでクリック。
すると、ライフガードが少年を助けるまでの様子が早送りで再生されました。画面左下には「Nice done +1.6s」とあり、少年が溺れてから少年をクリックするまでに1.6秒かかったことが分かります。
溺れている少年をクリックすると「Drowning Doesn't Look Like Drowning(溺れている人は溺れているように見えない)」ということで、溺れている人の特徴が表示されると共に「Play Again(もう一度プレイする)」のボタンが現れます。クリックすると……
別のムービーが再生され、再び溺れている人を見つけるゲームが始まりました。ゲームの最後には必ずライフセーバーが溺れた人を助けることになるのですが、ライフセーバーよりも早く異常に気づくのはかなり難しく、実際に同じことが現場で起きたと考えると、溺れた人を助けるのがいかに困難か、ということが実感できます。
なお、実際に溺れている人の特徴は以下の記事から確認可能です。
本当におぼれている人はおぼれているようには見えない、静かに沈んでいく人に気付くためのポイント - GIGAZINE
■ほとんどの場合、おぼれている人にとって声を上げて助けを求めることは生理学的に不可能です。呼吸器系の第一の目的は呼吸することであって、声を出すことはあくまで副次的な機能。呼吸することができて初めて声を出す余裕ができます。
■おぼれている人の口は水面の下へ沈み上へ出ることを繰り返します。口が水面の上へ出ている時間は息を吸って吐いて助けを呼ぶことができるほど長くなく、水面より上に口が出た時には、また水面下に沈む前に急いで息を吸い込むのが精いっぱいです。
■おぼれている人は手を振って助けを求めることはできません。本能的に腕を横に伸ばし、水面を下に押すことによって頭を水面上に押し上げようとします。
■この本能的な反応の最中には、おぼれている人は自分の意思で腕の動きをコントロールすることはできません。生理学的に、水面でもがいている人は助けを呼ぶために手を振ったり、救助者が来る方向へ動いたり、投げられた浮き輪をつかんだりといった「自発的な運動」は不可能です。
■この本能的な反応の間、おぼれている人の体は鉛直に立った状態の姿勢ですが、立ち泳ぎのように足でけっている形跡はありません。救助されなければ、もがきながら水面付近を上下する時間はわずか20秒から60秒ほどで、その後は水底へ沈んでいきます。
Spot the Drowning Childで使われているムービーを見ていると、誰も溺れている人に気づかず、プールを上から監視しているライフガードだけが気づくという状況です。溺れる状況に人気のある・なしは関係ないことが分かる、非常に恐ろしいムービー&ゲームとなっていました。
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