Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

世界各地の食生活の変化が過去50年間にわたってわかるグラフ「What the World Eats」

By Michael Stern

毎日の食事は生きていく上で必要不可欠なものですが、国によって食べる食物は大きく異なります。世界各地の国々が過去50年間でどのように食生活を変化させてきたのかを示したグラフ「What the World Eats」をNational Geographicが公開しており、年代ごとの食物の摂取カロリーや摂取グラムを全世界・国別に見ていくことができます。

What the World Eats | National Geographic
http://www.nationalgeographic.com/what-the-world-eats/


National Geographicが公開した「What the World Eats」では、2011年からさかのぼること50年間における世界の食物摂取状況を表わした円グラフを見ることができます。最初に表示される円グラフ「Calories per Person(1人あたりのカロリー摂取量)」では、全ての食物を合計した1日あたりの摂取カロリー量が示されています。このグラフによると、1961年当時の1日あたりのカロリー摂取量は2194Kcalだった模様。


「Grams per Person(1人あたりのグラム摂取量)」をクリックすると、円グラフの項目がグラム単位で表示されます。全世界で計算すると1961年当時の人々は1日あたり約1.3kgの食物を食べていたということがわかります。


円グラフの下にあるカーソルをクリックしながら左右に動かすことで、1961年~2011年までの年代を1年刻みで切り替えられます。また、左端の再生ボタンを押すと自動的にカーソルがスクロールします。


円グラフは食物ごとに色分けされており、いずれかの種別のエリアにカーソルをドラッグすると、種別ごとの1日あたりの摂取量が中央に表示され……


クリックすると種別内の内訳に切り替わります。例えば、1961年当時の人は1日の食物のうち約半分が穀物で、内訳は米が18%、麦が19%、トウモロコシが4%、その他穀物が9%となっています。年代ごとの「米派・パン派」の世界的な割合までわかってしまうわけです。


円グラフの横には選択できる国の一覧があり、クリックすると過去50年間の食生活の状況を国別で見ることが可能です。


◆アメリカ
アメリカの円グラフを1961年(左)と2011年(右)で比較するとこんな感じ。アメリカは50年間で1日当たりの摂取カロリーが2882kcalから3641kcalと大幅に増加。


「砂糖・脂肪」の摂取量が6ポイント増加していますが、内訳を見ると意外にも砂糖の消費量は増えておらず、植物油の消費量増加が主な要因。アメリカは世界で最も油糧種子を消費している国で、アメリカ人の植物油消費量は、50年前に比べて2倍近くになっています。


◆ロシア
ロシアでは1日あたりの摂取カロリーが50年間で3094kcalから3358kcalに増加。「砂糖・脂肪」の項目が50年間で10ポイントも増加しており、内訳は「砂糖・甘味料」「植物油」の項目が増加していました。


ただし、1990年から2000年の間は1日あたりの摂取カロリーが3000kcal以下になっていた時期もあります。これはソビエト連邦の崩壊による混乱が影響しているとのこと。


◆ドイツ
ドイツは1日あたりの摂取カロリーが50年間で2858kcalから3539kcalとなっており、アルコールからの摂取カロリーがベルギーやデンマークを抜いて世界一を記録。また、「乳製品と卵」の摂取カロリーも世界一であり、チーズなどの乳製品が低価格で手に入ることが一因となっているようです。


◆イギリス
イギリスでは、1961年から2011年で1日あたりの摂取カロリーはほとんど変化がありません。乳製品・卵類の摂取カロリーが低下していますが、これはバターなどの動物性脂肪の消費量が減ったためで、全体的な乳製品・卵類の消費量は50年前と同じとのこと。半世紀で食べるものの変化が少ないわけですが、イギリス料理の味の評判に定説があるのは変化が少ない食文化が一因なのかも。


◆インド
アジア諸国は西欧諸国と比べてガラッと摂取する食物が異なります。顕著なのはインドで、2011年時点でも摂取カロリーの57%は穀物から摂取されています。総カロリー量は2010kcalから2458kcalと増加していますが、現代になってもインド人の摂取カロリーは50年前の西欧諸国より少ないことがわかります。


「肉類」の内訳を見てみると、肉類からの1日あたりの総摂取カロリーはわずか29kcalで、全体に占める割合はわずか1%。牛肉・豚肉・鶏肉・魚介類・その他肉類を個別に分類すると、なんと「0%」となるレベルで、統計がとれないくらいの少数しか肉を食べておらず、徹底したベジタリアン国家の姿勢は50年間変わらず。


なお、牛肉どころか豚肉も扱っていないインドのマクドナルドの様子はチャリダーマンがレポートしています。

牛肉も豚肉も使わないインドのマクドナルドの100円マック風「ハッピープライスメニュー」全9種レビュー - GIGAZINE


◆中国
1961年当時の中国では、1日あたりの摂取カロリーがわずか1415kcalなのですが、2011年では先進諸国と同レベルの3073kcalまで倍増しています。これは世界最速の成長率であり、国が豊かになったことが食生活に表われています。


◆香港
中国と同じ大陸に位置しながら異なる文化を持つ香港では、50年間で食生活が劇的に変化しています。特に肉類の摂取量は世界一となっています。


◆韓国
1961年ごろの韓国は食物のほとんどを穀物に頼っていましたが、1970年以降に変化が始まり、2011年には穀物からの摂取カロリーが76%から43%へと激減。その分、肉類や砂糖・脂肪といった項目が増加し、豊かな食生活を実現しています。


◆北朝鮮
北朝鮮の摂取カロリーは50年間で1878kcalから2103kcalとほとんど変化がなく、半世紀にわたって食物も穀物に頼る状態が続いています。


◆ソマリア
内戦が続いているソマリアでは、海賊や強盗が出没することからビザ取得の際にスナイパーを含む4~6人構成の傭兵チームを雇用する必要があるほど危険な状態が続いています。1961年から50年後にはなんと国民の1日当たりの摂取カロリーは1695kcalへと減少しており、世界で最も摂取カロリーが少ない国となっています。ソマリア人の主な栄養源はミルクとのこと。


◆日本
1961年当時の日本では食物の半分程度を米が占めていましたが、2011年までに肉類の摂取カロリーが2倍になり、砂糖・脂肪の割合も15%から27%へと12ポイント増加。食生活は大きく変化したものの、摂取カロリーは50年間で2523kcalから2717kcalとあまり変わっていないのが特徴的。


また、乳製品・卵類の摂取カロリーも増加しているのですが、それでも日本人が食べる卵の量は、平均的なアメリカ人の3分の1以下とのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
インドでインド料理に飽きてスターバックスに行ってみたらやっぱりインド料理でした - GIGAZINE

これが本場ロンドンで味わうイギリスの伝統的な朝食「イングリッシュ・ブレックファスト」 - GIGAZINE

立ち食いソーセージ屋「カレー・ヴルスト」に行ってドイツのB級グルメを食べてみた - GIGAZINE

山奥にある卵かけ放題な「卵かけご飯専門店」で新鮮で甘みのある濃厚な卵を好きなだけ味わってきた - GIGAZINE

日本と香港の豚骨ラーメンはどれほど違うのか?「豚王」で実際に食べ比べてみた - GIGAZINE

ソマリア沖の海賊に群がる「海賊ビジネス」とは? - GIGAZINE

500円で買える食べ物の量は世界各国でどれぐらい差があるか? - GIGAZINE

in ネットサービス,   , Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.