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メモ

市街地の地下30mに「隠れたダイビングスポット」が存在する都市がある


ダイビングスポットと聞けば、オーストラリアや太平洋諸島のきれいな海を想像する人が多いと思いますが、なんと東ヨーロッパの内陸国であるハンガリーの首都ブダペストの地下30mには、地元の人でさえあまり知られていないダイビングスポットが存在しているそうです。

BBC - Travel - A hidden world 30m below Budapest
http://www.bbc.com/travel/gallery/20180514-a-hidden-world-30m-below-budapest

Diving in the Molnar Janos Cave Budapest
http://www.mjcave.hu/en/diving

ハンガリーの首都ブダペストにあるコバンニャ地区には、かつて石灰岩を産出する鉱山が存在していました。中世から19世紀にかけてコバンニャ鉱山からは大量の石灰岩が採掘され、ブダペストの美しい街並みを建設するのに大きな役割を果たしました。


それと同時に、石灰岩を採掘するために次々と広げられた鉱山は、ブダペストの地下30mほどの地点に巨大な空洞を作り出したとのこと。コバンニャ鉱山は1890年に石灰岩の採掘を終了し、その後はワインメーカーの醸造所として一部が使用されたり、第二次世界大戦中にはシェルターや戦闘機のエンジンを製作する工場として使われたりしました。

1990年代になると、ブダペストの地下にぽっかりと空いた空洞が浸水を始めたため、政府は浸水した区画を清掃するために数人のダイバーを雇いました。そして、政府の要請を受けて鉱山跡をダイブしたダイバーたちは、この浸水地区がダイビングにぴったりのスポットであることに気づいたそうです。


その後、ダイバーたちによってコバンニャ鉱山跡はダイビングスポットとして活用されることになりました。コバンニャ鉱山でダイビングを行いたい場合は、ブダペスト市内のダイビングサイトに登録することでダイビング可能とのこと。価格は50分~70分のダイビングで1人当たりおよそ70ユーロ(約9100円)、90分~150分のダイビングで1人当たりおよそ140ユーロ(約1万8000円)です。ブダペストのダイビングセンターには、ダイビングに必要な装備が豊富にそろっている模様。


コバンニャ鉱山でよくダイビングをするというコーネル・ダミアンさんは、ブダペストに住む通信工事技術者です。2003年に高所から落ちて重傷を負ったことをきっかけに、「自分に自信を取り戻すために」ダイビングを始めたダミアンさんは、クロアチアや台湾、エジプトの海岸などでダイビングを行いました。そしてある時、自宅からわずか4kmの地下でダイビングができるということに気づいたそうです。


ダイビングスポットとして開かれているのは、コバンニャ鉱山の中でも4カ所であり、うち3カ所は特別な許可を得たダイバーでないとダイビングすることはできないとのこと。水温はおよそ12度程度で、地下水面はブダペストの地表より約30m下になっています。

一般のダイバーでも簡単に潜ることのできるダイビングスポットでは、水深17m程度の地点まで潜っておよそ40分程度、かつて鉱山として使われていた部屋や工場跡を泳いで探索することができます。鉱山から石を運び出すための器具などが水に沈んだままになっており、非常に面白いダイビングスポットになっているとのこと。

ダミアンさんは普段、通信関係の工事をするために高所で作業を行っています。「昼は高いところから美しいブダペストの街並みを見下ろし、仕事が終わってからダイビングをして、ブダペストの街並みを作り出す材料の生まれた場所を見ることができるのです。私は、自分が大きな特権を得ていると感じます」と、ダミアンさんは述べました。


コバンニャ鉱山跡のダイビングでは、さまざまな機械や装置が放置された区画を通り抜けたり……


狭い鉱山の通路を抜けたりして楽しむことができます。


また、ブダペストの地下にはコバンニャ鉱山跡以外にものダイビングスポットが存在します。地下洞窟内に温泉がたまったモルナー・ヤノス洞窟のムービーは、以下から見ることができます。

Dive Into Budapest’s Hidden Underwater World


ブダペストは多くの温泉が湧き出す街としても知られています。


街の地下にある洞窟には、温泉がたまってダイビングスポットになっている場所もあるそうです。


モルナー・ヤノス洞窟は、ブダペストのダイバーたちに親しまれているダイビングスポットです。


19世紀に発見されたこのダイビングスポットは、温泉がたまっているため水温は20度を超えるとのこと。


ダイバーたちは洞窟内に張り巡らされたロープをたどり、コースを離れないように気を付けつつダイビングを楽しみます。


時々このように現在地や出口までの距離を記した標識が現れ、非常によく整備されたダイビングコースであることがわかります。


古くから温泉がたまっていたモルナー・ヤノス洞窟では、他では見られない希少な生物も発見されています。


ブダペストは内陸の都市であるにもかかわらず、多くのダイバーがダイビングを楽しめる都市なのでした。

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in メモ,   動画, Posted by log1h_ik

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