「フォートナイト」開発元とAppleの訴訟でEpic GamesのCEOがコメントを公開
人気ゲーム「フォートナイト」が規約違反でApp Storeから削除されたことを受けてEpic GamesがAppleを訴えた件に関して、Epic Gamesの最高経営責任者(CEO)であるティム・スウィーニー氏がコメントを公開しています。
Epic CEO Tim Sweeney says Apple fight is about ‘basic freedoms of all consumers and developers’ - The Verge
https://www.theverge.com/2020/8/14/21369622/epic-ceo-tim-sweeney-apple-fortnite-lawsuit-ban-basic-freedoms-developers
Apple’s Fortnite feud and Microsoft xCloud ban have put the future of iPhone gaming in jeopardy - The Verge
https://www.theverge.com/2020/8/15/21369607/apple-ios-fortnite-ban-epic-lawsuit-cloud-gaming-xcloud-microsoft-antitrust-war
FOSS Patents: How Apple's and Google's defenses to Fortnite maker Epic Games' antitrust lawsuits over their app store policies will likely differ
http://www.fosspatents.com/2020/08/how-apples-and-googles-defenses-to.html
世界で高い人気を誇るゲームである「フォートナイト」は、AppleのiOSにおいてApp Storeを経由しないアプリ内課金を行ったことをきっかけに、規約違反であるとしてApp Storeから削除されました。フォートナイトの開発元であるEpic Gamesは、Appleに対して「公正な競争」を求め訴訟を起こしています。
「フォートナイト」開発元のEpic GamesがAppleを提訴 - GIGAZINE
Epic GamesのCEOであるスウィーニー氏は、Epic GamesとAppleの間で起こっている訴訟について、自身のTwitterアカウントでコメントを公開しています。
スウィーニー氏のコメントは「私たちは、スマートフォンを持つ人々が好きなアプリをインストールする自由、アプリ開発者が好きなようにアプリを配布する自由、そしてビジネスをする自由のために戦っています。Epic Gamesは『10億ドル企業が1兆ドル企業とお金の問題で戦っている』という点で非難されていますが、Appleに対して特別な取引を望んでいるのではなく、すべての消費者と開発者の基本的な自由のために戦っていいるのです。お金のことで争うのは悪いことではありません。人はお金を稼ぐために一生懸命働いています。そのお金がゲーム開発に還元されるのか、それともゲーマーと開発者を利用する仲介者によって搾取されてしまうかは、利益の分割方法で決まるのです」というもの。
Finally, there's nothing wrong with fighting about money. You work hard to earn this stuff. When you spent it, the way it's divided determines whether your money funds the creation of games or is taken by middlemen who use their power to separate gamers from game creators.
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) August 14, 2020
Epic Gamesが訴えを起こす以前から、多くの開発者からApp Storeの規約や手数料の高さを巡って不満が噴出していました。
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by Glen Bledsoe
その後、App Storeからの削除に続いてGoogle Playでもフォートナイトが削除されたことから、Epic GamesはGoogleに対しても訴訟を起こしています。
なお、Epic GamesはAppleとGoogleに対する訴訟で、Appleに対してのみ反トラスト法違反を指摘。知的財産の評論家であるフロリアン・ミューラー氏は「Epic Gamesの弁護士は、関連市場の全てを支配するAppleに関してのみ反トラスト法違反を追求する価値があり、Googleに関しては追求する価値がないと考えている可能性があります」と推測しています。
また、Epic GamesのAppleに対する訴状に「モバイルデバイスの販売競争はiOSアプリ配布市場でのAppleの力を制約するものではない。iOSデバイスのユーザーはiOSへのロックインと大幅な切り替えコストに直面している」と書かれていることから、ミューラー氏は「Epic Gamesの訴状はAppleの反トラスト法違反への予想される防衛線に対処していますが、この先制攻撃によって議論が簡単に終わることはないでしょう」とも指摘しました。
法廷でAppleとGoogleがEpic Gamesの訴えに対して異なる主張をした場合、ミューラー氏は「Googleが無傷で逃げおおせる可能性が高くなるでしょう」とコメントしています。GoogleのAndroidデバイスはほとんどGoogle以外の企業によって作られており、Google Play以外にもSamsungの「Galaxy Store」のように独自のアプリストアを運営している企業もあるためです。しかし、AppleのiOSおよびApp StoreはAppleによって開発されているので、「iOSの市場のみがAppleによって完全にコントロールされている」という点が訴訟の勝敗を握っているとミューラー氏は主張し、「Epic Gamesの申し立てに構造的な欠陥があるかどうかを判断するのは容易ではない」とコメントしています。
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