約130億円もの追徴課税が租税回避を行ったFacebookに命じられる
長年にわたって租税回避を続けてきたFacebookに対して、フランス当局が追徴課税1億600万ユーロ(約130億円)を支払うよう命じました。Facebookはこの追徴課税に同意し、全額を支払う見込みです。
Lourd redressement fiscal pour la filiale française de Facebook - Capital.fr
https://www.capital.fr/entreprises-marches/lourd-redressement-fiscal-pour-la-filiale-francaise-de-facebook-1378522
Facebook to pay more than $110 million in back taxes in France - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-france-facebook-tax-idUSKBN25K0S5
Facebook to pay $125 million in back taxes to France
https://apnews.com/29e7a9d948bdb70191df5e1fe6971061
Google・Amazon・Facebook・AppleといういわゆるGAFAに代表されるIT業界の大手企業は、アイルランドなどの法人税率が低い国に拠点を置くことで、多額の「節税」を続けてきました。2018年までアメリカの法人税は35%、アイルランドの法人税は12.5%と税率にかなりの差があったため、このような租税回避策が有効でした。
Facebookもアイルランド支局でグローバルな広告収入を計上するといった租税回避を2010年から続けてきました。しかし、この租税回避を続けてきたFacebookのフランス支局に対して、フランスの税務当局は新たに2009年から2018年までの口座の監査を実施。その結果、Facebookフランス支局と税務当局は「Facebookが1億600万ユーロの追徴課税を支払う」という合意に達したとのこと。Facebookフランス支局と税務当局は、双方ともに税務に関する機密保持を理由に、合意についての詳細を明かしていません。
Facebookのスポークスマンは、「2018年以降はフランスの年次勘定にフランスの広告収入を計上してきた」とコメント。実際に、フランスにおけるFacebookの2019年の純売上高は前年比のほぼ2倍となる7億4700万ユーロ(約930億円)に、2019年に支払った所得税は前年度比50%増の850万ユーロ(約1億円)に達しています。
2020年2月には、Facebookはアイルランド支局を使った租税回避を行ったとして、アメリカ国税庁から1兆円もの追徴課税を納めるように命じられています。
Facebookが1兆円もの税金を払っていないと国税庁に訴えられる - GIGAZINE
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