Google純正の11インチタブレット「Pixel Tablet」の中身は奇妙なほどスカスカ、開発途中で計画が変更された可能性も
2023年6月20日に登場したGoogle純正のAndroid搭載11インチタブレット「Pixel Tablet」は、充電機能とスピーカー機能を兼ね備えた「充電スピーカーホルダー」が付属している点が特徴であり、ロック中でも音声アシスタントを使える「ハブモード」も搭載されています。そんなPixel Tabletを分解した画像を電子機器修理企業のiFixitが公開したところ、テクノロジー系メディア・Ars Technicaのライターであるロン・アマデオ氏が、Pixel Tabletの中身は驚くほど空っぽだったと指摘しました。
Google Pixel Tablet Battery Replacement - iFixit Repair Guide
https://www.ifixit.com/Guide/Google+Pixel+Tablet+Battery+Replacement/162484
The Pixel Tablet is actually just a few spare parts in a half-empty body | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/09/the-pixel-tablet-is-actually-just-a-few-spare-parts-in-a-half-empty-body/
The Google Pixel Tablet is emptier inside than you would think
https://www.androidpolice.com/google-pixel-tablet-teardown-emptier-inside-than-you-think/
Googleは2022年5月に新型タブレットのPixel Tabletについて発表し、それから1年後の2023年6月にPixel Tabletが発売されました。GIGAZINEでは発売直後にPixel Tabletを入手し、外観やベンチマーク結果、バッテリーの持ち時間および充電時間、Chromecastを使用した動画再生などについてレビューしています。
まさかのスピーカー付属Google純正Androidタブレット「Google Pixel Tablet」フォトレビュー - GIGAZINE
iFixitはPixel Tabletのバッテリーやスクリーンを自分で交換するガイドを公開しており、その中でPixel Tabletの内部構造がわかる写真が掲載されています。実際にPixel Tabletのスクリーンを外し、中身がわかるようになった写真が以下。背景にある白い部分は背面のプラスチックカバーであり、確かに空間的な余裕がありそうに見えます。
アマデオ氏はPixel Tabletの内部構造について、「このタブレットの内部写真は驚きです。半分が空なのです。通常、ハイエンドデバイスどころかローエンドデバイスでさえ、すべてが完璧なパズルのピースのように組み合わされるコンポーネントを備えており、内部スペースを最大化して1平方ミリメートルの空間すら残さないように努力しています。Pixel Tabletの内部はまるでスペアパーツを入れた箱のように見え、各コンポーネントの間の膨大なスペースがあります」と述べています。
「半分が空」はさすがにオーバーかもしれませんが、見えているコンポーネントはすべてがタブレットの機能上必要というわけではなく、いくつかのブロックは単にスペースを埋めて構造的な剛性を高めるために配置されているとのこと。また、コンポーネント同士を結ぶケーブルも数本見えますが、これらは一般的に省スペース化を志向するモバイルデバイスではなく、デスクトップPCやノートPCでよく見られるものだそうです。
アマデオ氏は、「Googleが最新の設計原則に従えば、劇的に大きなバッテリーやより良い冷却、または大きなスピーカーなどを内部に収めることができたでしょう。大手企業から、このように構築された500ドル(日本での販売価格は約7万9800円)のデバイスが登場したのは見たことがありません」と述べ、Google製のミドルレンジタブレットにしては中身がスカスカすぎると批判しています。
Pixel Tabletが奇妙な内部構造になっている理由について、アマデオ氏は「Pixel Tabletは当初はスマートディスプレイとして開発されていたものの、Googleアシスタントの縮小に伴って方針が転換し、結局タブレットとしてリリースされたからではないか」と推測しています。
2022年にはGoogleがGoogleアシスタント部門を縮小すると報じられたほか、2023年6月にはGoogleアシスタントの会話型アクション(Conversational Actions)がサポート終了となるなど、Pixel Tabletの開発期間中にGoogleの音声アシスタントは退潮の一途をたどりました。一方、2023年8月には「Googleが生成AIでGoogleアシスタントを改良しようとしている」とも報じられており、今後Pixel Tabletにも影響が及ぶ可能性があります。
また、そもそもコンポーネントのサイズ自体が小さいことからPixel Tabletは当初11インチではなく、より小型のタブレットとしてリリースされる可能性もあったのではないかとアマデオ氏は考えています。その後、設計プロセスの後半になって当初よりも大きなデバイスとしてリリースすることになった結果、内部に空きができてしまった可能性があるとのことです。
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