停電時に自動で電力供給をバックアップして賃貸でも導入可能な家庭用蓄電池「Pila」を元テスラのエンジニアが開発

テスラで家庭用蓄電池「Powerwall」のエンジニアとして勤務した経験があるコール・アッシュマン氏が、停電時に自動で家電への電力供給をバックアップし、賃貸物件でもコンセントに挿すだけで簡単に導入な家庭用蓄電池「Pila」を開発したと発表しました。
Pila Energy
https://pilaenergy.com/

アッシュマン氏は、テスラでPowerwallのエンジニアとして充放電管理やモニタリング機能を担うバックアップゲートウェイなどの開発に携わったほか、家庭全体の電気負荷の調整や停電時のバックアップを担うバッテリーパネルを展開するSPANでも製品開発を主導したと述べています。
Powerwallなどの家庭用蓄電池は、持ち家に住んでおり1万ドル(約148万円)を超える高額な料金を支払える人には適していますが、賃貸やマンションに住んでいたり、経済的にそれほど余裕がなかったりする人には手が出しにくいものです。アッシュマン氏によると、Powerwallの設置コストの50%以上はバッテリー本体ではなく、人件費や許可の取得費用といった付随するコストだとのこと。
そこでアッシュマン氏は、「より多くの人々が自宅でエネルギー安全保障にアクセスできるようにするための入り口」として、より手軽な家庭用蓄電池「Pila」を開発しました。Pilaがどのような家庭用蓄電池になっているのかは、以下の動画を見るとよくわかります。
Introducing Pila: The Simplest, Smartest Home Backup Battery - YouTube

近年は異常気象の頻発により、嵐などによる停電のリスクが高まっています。

停電が発生した場合、家中のさまざまな家電製品への電力供給がストップして日常生活に支障が出るほか、時には食品が腐ったり重要なデータが消失したりするリスクもあります。

こうした場合に役立つのが、停電時の電力供給をバックアップしてくれる家庭用蓄電池です。Pilaは、誰もが停電時に「エネルギーの独立性」を維持できるようにすることを目的として開発されました。

Pilaはメッシュタイプでコンパクトな家庭用蓄電池であり、家中のさまざまな場所に設置することが可能。本体のサイズは38cm×67.5cm×8.5cmとコンパクトで、重量も20.4kgと人力で持ち運ぶことも可能なため、賃貸物件にも気軽に導入できます。

Pilaは停電時に、自動で電力供給をバックアップしてくれます。

Pila本体をアメリカで一般的な120Vのコンセントに接続し、そこにさまざまな電化製品の電源コードを挿し込めばOK。

横置きだけでなく縦置きも可能。

Pilaのバッテリー容量は1.6kWHで、USB Type-Cによる高速給電にも対応しています。接続している家電製品にどれほどの期間給電できるのかは、Pila本体のパネルに表示される仕組みです。

Pila1台が給電できる期間は製品によって異なり、冷蔵庫であれば32時間、Wi-Fiルーターであれば132時間、テレビであれば32時間ほどだとのこと。また、ノートPCであれば23回、スマートフォンであれば113回の満充電が可能とされています。

バッテリー状態はAndroidまたはiOS向けのアプリで確認可能です。

Pilaはメッシュタイプの家庭用蓄電池であり、電力網や太陽光パネルから得た電力をそれぞれが蓄え、停電時に備えます。

また、停電時のバックアップだけでなく通常時のエネルギー使用も最適化し、電気料金を節約できるとのこと。

Pilaは部屋のコンセントに挿し込むだけで使い始めることができます。

まずはPCや冷蔵庫などの重要な電化製品向けに1台だけ導入し、必要や経済状態に応じて数を増やしていくという使い方も可能です。

Pilaの通常価格は1299ドル(約19万2000円)ですが、記事作成時点では99ドル(約1万4700円)の保証金を支払うことで、先行価格の999ドル(約14万8000円)で購入できるとのこと。出荷は2025年中が予定されています。
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