45歳で大学生になった有名歌手 背景には自身の『ライフワーク』があって…? 提供:東京都総務局 By - grape編集部 公開:2025-02-18 更新:2025-02-18 お母さん勉強大学大学生相川七瀬 Share Post LINE はてな 趣味、勉強、トレーニングなど、新たな楽しみを見つけて生き生きとしている人は増えています。 「何かを始めるのに遅すぎることはない」という言葉があるように、新しいことに挑戦するのに年齢は関係ないといえますよね。 45歳から『大学生』に その理由は…? 2025年でデビュー30周年を迎えた、歌手の相川七瀬さんは、40歳を超えてから勉強を始め、高卒認定試験から大学受験に挑戦しました。 猛勉強の末、2018年に高卒認定試験に合格し、2020年に國學院大學神道文化学部に入学。2024年に卒業し、同大学の大学院へ進学しています。 歌手として活動しながら、また私生活では3人の子供を育てながら、なぜ再び勉強をしようと考えたのでしょうか。 インタビューを実施し、お話を聞かせていただきました。 相川七瀬さん ───『学び直し』のきっかけは? 私は高校を中退していたので、いつかは『高校を卒業した証』が欲しいとは思っていました。 20代の時も30代の時も思っていたんですが、なかなか勇気が出なかったり、勉強に向き合うモードに入らなかったりで…。 でも、40代になって、また考えた時に、自分の人生をもっと違う目線で考え始める年代に入るし、子供もそれぞれ受験のタイミングだったんですよね。 子供たちに「勉強しなさい」といわなきゃいけなかったから、このタイミングで「自分も勉強できるかも?」と思ったんです。 ───なぜ、大学に進学を? 30代の頃から、ライフワークとして国内3地域のみに伝わる『赤米(あかごめ)神事』の継承活動に関わらせてもらっています。 私が関わることで成果が出ている部分もありますが、それ以上広がらないと感じる部分もありました。 「一体何が足りないのか」と考えた時に、「私がもっと学んだら、いい方向にいけるんじゃないか」と思ったんです。 高卒認定試験と並行しながら、國學院大學に科目履修生として2年間通っていて、少しずつ「この学部、面白い」と感じて、受験することを決めました。 学部生時代は、主に神社側からの視点で、神事やお祭りなどについて学んでいた相川さん。 大学院では、それを人々の目線からひも解くため、文学部へ進学し民俗学の研究をしているといいます。 進学したことで、『学び』のレベルも上がり、本業とは違うプレッシャーを感じるようになったのだとか。 歌手活動、家事育児、そして学業と、忙しい毎日を送る中で、どのようにモチベーションを保っているのでしょうか。 ―――勉強のモチベーションの保ち方は? モチベーションが下がる時は、すごく下がりますよ。 でも、先生の講義や、人の発表を聞いていて「面白いな」と感じる自分がやっぱりいるんですよね。 それは、まだ興味を持ち続けられているということなんだと思います。 だから、大学にいる時間を増やすことが大事だと思っています。 大学から離れてしまうと、どうしても違うことに意識がいってしまうので、休み中にも集中講座を入れるなど、できる限り大学に行って『勉強モード』を失わないようにしていました。 ―――『学び直し』が、本業に与えたポジティブな影響は? 例えば『万葉集』の講義を受けると、大和言葉がたくさん出てきます。言葉の語源や昔の人たちの感性を知ることができて、今の私たちが読んでも素敵で感動するような表現がたくさんあるんです! 私も音楽を作る人間として、学問から影響を受けて、詩に反映することもありますし、自分がその言葉を紡いでいく責任みたいなものも、大学に入ってからすごく生まれたと感じます。 ───私生活にも影響はあった? 子供たちに「いくつになってもやり直せる」ということを、私の行動で教えられている可能性はありますね。もし、将来何かに挫折することがあったとしても「そういえば私のお母さんは45歳で大学に行っていたな」「お母さんがこうだったんだから、人生いくらでもやり直せるな」と感じてくれるような未来になればいいなと思っています。 「大学に入ってから、音楽活動もより楽しくなった」と語ってくれた相川さん。 学業で得た知識を音楽にも生かし、歌うことで勉強のストレスを解消するなど、忙しい毎日でありながらも、よいサイクルを作れているのだそうです。 相川さんのように、大学に進学したり、資格や検定に挑戦したりなど、『大人』になってから学び直す人は増えています。 そこで、東京都が運営する大人の学び直しのためのポータルサイト『東京リカレントナビ』を見てもらいました。 東京都や、都内の大学、関係団体などが提供する公開講座を常時約500件紹介していて、受講料が有料か無料か、対面かオンラインかなど、条件別に探すことも可能です。 各分野の基礎知識や魅力について、20分程度で分かりやすく紹介する『ミニッツ動画』を始め、『学び直し』を始めるきっかけになり得る機能が充実しています。 ───『東京リカレントナビ』を見た感想は? 大人になればなるほど、時間と場所に拘束されるので「そうじゃない選択がいっぱいある」っていうのは、今のスタイルに合っていますね。 『学び=お金がかかる』と思ってる人も多いから、自分が学びたいと思うものがあれば、無料で試せる講座が多いのもいいと思います。 あまり構えずに始められそうで、やりたいことや、人との出会いがありそうだなとすごく思いました。 私は『学び』は勉強じゃないと思っているんです。 学校のテストとかは、本当に嫌だったので、『勉強』だと思った瞬間に「学校に行きたくない」と思っていました。 その点、大人は自分の興味が明白なので、仕事にプラスになると思うことをやりたい人もいれば、仕事とはまったく違う世界を持ちたい人もいます。大人であることを武器にするっていうのは大切で、私も大学に入ってからは、最大限に武器にしているなって思います。 ───『学び直し』をしたいけど、なかなか動けない…そんな人にメッセージを。 自分が英検2級を取った時、「私が絶対に一番年上だ」と思って、試験会場に行ったんです。 そしたら、準1級の面接会場の前で、70代後半ぐらいの女性が、一生懸命に単語帳をめくって予習しているのを見て…いくつになってもやれるんだなと思ったんですよ。 時間は有限なので、自分がやってみたかったことに投資するという考え方は大事だと思うし、これからの人生、今が一番若いと考えると、今やってみてもいいのかなと。 私は、10年後の自分にいいバトンを渡すために、今の自分が頑張っているというイメージなんです。 60歳になった自分が「50代の自分、よくやった!」って思ってくれるようにしたい。 そう考えると、年を重ねていくことも楽しめるかなと思うし、私は60歳を迎えるのをすごく楽しみにしています。 軸足を今に置いておきながら、未来のことを考えるのは、すごく好きですね! 『学び直し』が注目されている中、何から始めればいいかが分からず、あと一歩が踏み出せないという人もいるでしょう。 そんな時は相川さんのように、「今が一番若い」「10年後の自分にいいバトンを渡す!」と考えると、少し背中を押されるような気持ちになりませんか。 好きなことや、興味のある分野を自分で選び、学べるのが、大人の勉強の魅力です。 まずは、『東京リカレントナビ』で興味のある分野を見つけてみてはいかがでしょうか。 『東京リカレントナビ』はこちらから! 第1回記事:「まずは○○が大切」 東京都が教える『大人の勉強法』とは 第2回記事:『元祖メガネっ子アイドル』時東ぁみ もう1つの姿がすごすぎる! 第3回記事:「何%から傘は必要?」 降水確率について『天気のプロ』に聞いてみた 第4回記事:コミュニケーションに悩む50代部長 若手とうまく話したくて…? [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
趣味、勉強、トレーニングなど、新たな楽しみを見つけて生き生きとしている人は増えています。
「何かを始めるのに遅すぎることはない」という言葉があるように、新しいことに挑戦するのに年齢は関係ないといえますよね。
45歳から『大学生』に その理由は…?
2025年でデビュー30周年を迎えた、歌手の相川七瀬さんは、40歳を超えてから勉強を始め、高卒認定試験から大学受験に挑戦しました。
猛勉強の末、2018年に高卒認定試験に合格し、2020年に國學院大學神道文化学部に入学。2024年に卒業し、同大学の大学院へ進学しています。
歌手として活動しながら、また私生活では3人の子供を育てながら、なぜ再び勉強をしようと考えたのでしょうか。
インタビューを実施し、お話を聞かせていただきました。
相川七瀬さん
───『学び直し』のきっかけは?
私は高校を中退していたので、いつかは『高校を卒業した証』が欲しいとは思っていました。
20代の時も30代の時も思っていたんですが、なかなか勇気が出なかったり、勉強に向き合うモードに入らなかったりで…。
でも、40代になって、また考えた時に、自分の人生をもっと違う目線で考え始める年代に入るし、子供もそれぞれ受験のタイミングだったんですよね。
子供たちに「勉強しなさい」といわなきゃいけなかったから、このタイミングで「自分も勉強できるかも?」と思ったんです。
───なぜ、大学に進学を?
30代の頃から、ライフワークとして国内3地域のみに伝わる『赤米(あかごめ)神事』の継承活動に関わらせてもらっています。
私が関わることで成果が出ている部分もありますが、それ以上広がらないと感じる部分もありました。
「一体何が足りないのか」と考えた時に、「私がもっと学んだら、いい方向にいけるんじゃないか」と思ったんです。
高卒認定試験と並行しながら、國學院大學に科目履修生として2年間通っていて、少しずつ「この学部、面白い」と感じて、受験することを決めました。
学部生時代は、主に神社側からの視点で、神事やお祭りなどについて学んでいた相川さん。
大学院では、それを人々の目線からひも解くため、文学部へ進学し民俗学の研究をしているといいます。
進学したことで、『学び』のレベルも上がり、本業とは違うプレッシャーを感じるようになったのだとか。
歌手活動、家事育児、そして学業と、忙しい毎日を送る中で、どのようにモチベーションを保っているのでしょうか。
―――勉強のモチベーションの保ち方は?
モチベーションが下がる時は、すごく下がりますよ。
でも、先生の講義や、人の発表を聞いていて「面白いな」と感じる自分がやっぱりいるんですよね。
それは、まだ興味を持ち続けられているということなんだと思います。
だから、大学にいる時間を増やすことが大事だと思っています。
大学から離れてしまうと、どうしても違うことに意識がいってしまうので、休み中にも集中講座を入れるなど、できる限り大学に行って『勉強モード』を失わないようにしていました。
―――『学び直し』が、本業に与えたポジティブな影響は?
例えば『万葉集』の講義を受けると、大和言葉がたくさん出てきます。言葉の語源や昔の人たちの感性を知ることができて、今の私たちが読んでも素敵で感動するような表現がたくさんあるんです!
私も音楽を作る人間として、学問から影響を受けて、詩に反映することもありますし、自分がその言葉を紡いでいく責任みたいなものも、大学に入ってからすごく生まれたと感じます。
───私生活にも影響はあった?
子供たちに「いくつになってもやり直せる」ということを、私の行動で教えられている可能性はありますね。
もし、将来何かに挫折することがあったとしても「そういえば私のお母さんは45歳で大学に行っていたな」「お母さんがこうだったんだから、人生いくらでもやり直せるな」と感じてくれるような未来になればいいなと思っています。
「大学に入ってから、音楽活動もより楽しくなった」と語ってくれた相川さん。
学業で得た知識を音楽にも生かし、歌うことで勉強のストレスを解消するなど、忙しい毎日でありながらも、よいサイクルを作れているのだそうです。
相川さんのように、大学に進学したり、資格や検定に挑戦したりなど、『大人』になってから学び直す人は増えています。
そこで、東京都が運営する大人の学び直しのためのポータルサイト『東京リカレントナビ』を見てもらいました。
東京都や、都内の大学、関係団体などが提供する公開講座を常時約500件紹介していて、受講料が有料か無料か、対面かオンラインかなど、条件別に探すことも可能です。
各分野の基礎知識や魅力について、20分程度で分かりやすく紹介する『ミニッツ動画』を始め、『学び直し』を始めるきっかけになり得る機能が充実しています。
───『東京リカレントナビ』を見た感想は?
大人になればなるほど、時間と場所に拘束されるので「そうじゃない選択がいっぱいある」っていうのは、今のスタイルに合っていますね。
『学び=お金がかかる』と思ってる人も多いから、自分が学びたいと思うものがあれば、無料で試せる講座が多いのもいいと思います。
あまり構えずに始められそうで、やりたいことや、人との出会いがありそうだなとすごく思いました。
私は『学び』は勉強じゃないと思っているんです。
学校のテストとかは、本当に嫌だったので、『勉強』だと思った瞬間に「学校に行きたくない」と思っていました。
その点、大人は自分の興味が明白なので、仕事にプラスになると思うことをやりたい人もいれば、仕事とはまったく違う世界を持ちたい人もいます。大人であることを武器にするっていうのは大切で、私も大学に入ってからは、最大限に武器にしているなって思います。
───『学び直し』をしたいけど、なかなか動けない…そんな人にメッセージを。
自分が英検2級を取った時、「私が絶対に一番年上だ」と思って、試験会場に行ったんです。
そしたら、準1級の面接会場の前で、70代後半ぐらいの女性が、一生懸命に単語帳をめくって予習しているのを見て…いくつになってもやれるんだなと思ったんですよ。
時間は有限なので、自分がやってみたかったことに投資するという考え方は大事だと思うし、これからの人生、今が一番若いと考えると、今やってみてもいいのかなと。
私は、10年後の自分にいいバトンを渡すために、今の自分が頑張っているというイメージなんです。
60歳になった自分が「50代の自分、よくやった!」って思ってくれるようにしたい。
そう考えると、年を重ねていくことも楽しめるかなと思うし、私は60歳を迎えるのをすごく楽しみにしています。
軸足を今に置いておきながら、未来のことを考えるのは、すごく好きですね!
『学び直し』が注目されている中、何から始めればいいかが分からず、あと一歩が踏み出せないという人もいるでしょう。
そんな時は相川さんのように、「今が一番若い」「10年後の自分にいいバトンを渡す!」と考えると、少し背中を押されるような気持ちになりませんか。
好きなことや、興味のある分野を自分で選び、学べるのが、大人の勉強の魅力です。
まずは、『東京リカレントナビ』で興味のある分野を見つけてみてはいかがでしょうか。
『東京リカレントナビ』はこちらから!
第1回記事:「まずは○○が大切」 東京都が教える『大人の勉強法』とは
第2回記事:『元祖メガネっ子アイドル』時東ぁみ もう1つの姿がすごすぎる!
第3回記事:「何%から傘は必要?」 降水確率について『天気のプロ』に聞いてみた
第4回記事:コミュニケーションに悩む50代部長 若手とうまく話したくて…?
[文・構成/grape編集部]