スマートフォンを利用するのに必要となる『SIM(モバイルネットワーク)』。2025年時点では『格安SIM(MVNO)』『格安プラン(MNO)』『格安キャリア』と『格安』の選択肢が広がりました。
これらの共通点は、一般的な通信キャリアのメインプランと比較して『料金設定が低い』こと。安いSIMは『安かろう悪かろう』だと判断してしまい、未だに月額『1万円以上』の通信料金を支払っている人が相当数いるはず。
『格安』でも安かろう悪かろうでは無くなった
確かに『安かろう悪かろう』な時期がありました。サービス内容に『データ通信し放題!』と書かれているのに、通信速度が遅すぎてそもそも使いものにならなかったり。
『格安初期』の頃に最悪な経験をしてそれがトラウマとなり、多少高額な料金を支払っても『安定』を求めてしまうというのは理解出来ます。
しかし既に格安は『安定期』に突入。選択肢が増えて競争が激化し、サービス内容がアップデートされた今こそ『のりかえ時』と言えるでしょう。
では、『格安SIM(MVNO)』『格安プラン(MNO)』『格安キャリア』のどれを選ぶのが『正解』なのか。これは『利用者による』としか言いようがありません。『コスパの高さ』も使い方によって変わります。
今回は私が実際に契約している格安SIM『mineo』、格安プラン『LINEMO』、格安通信キャリア『楽天モバイル』を例に、それぞれの違いを紹介。どれが自分にとって『適正』かを判断する上で、参考にしていただければ幸いです。
楽天モバイル、LINEMOベストプラン(LINEMOベストプランV)、mineo(マイピタ)の主なサービス内容
プラン名 | 楽天モバイル(Rakuten最強プラン) | LINEMOベストプラン、LINEMOベストプランV | mineo(マイピタ:デュアルタイプ) |
月額料金 | 1,078円~3,278円(税込) | 990円〜2,970円(税込) | 1,298円〜2,948円(税込)※2025年3月13日から |
月間データ容量 | 3GB~無制限 | 3GB〜30GB | 1GB〜50GB※2025年3月13日から |
超過後の通信速度 | – | LINEMOベストプラン:10GBを超え15GB以下の場合は300kbps、15GBを超えた場合は128kbps
LINEMOベストプランV:30GBを超え45GB以下の場合は1Mbps、45GBを超えた場合は128kbps |
200kbps |
データ繰り越し | 非対応 | 非対応 | 対応 |
通信回線 | 楽天、au(パートナー回線) | SoftBank | ドコモ、SoftBank、au |
通話料金 | 0円(Rakuten Link使用時)、22円/30秒 | 22円/30秒 | 22円/30秒、10円/30秒(mineoでんわ利用時) |
5分かけ放題(国内) | 無料(Rakuten Link使用時) | 550円、無料(LINEMOベストプランV) | – |
10分かけ放題(国内) | 無料(Rakuten Link使用時)、15分かけ放題:1,100円(税込) | – | 550円(税込) |
24時間かけ放題(国内) | 無料(Rakuten Link使用時) | 1,650円、1,100円(LINEMOベストプランV) | 1,210円(税込) |
通話方式 | RCS(Rakuten Link)、VoLTE | VoLTE | VoLTE、電話回線(プレフィクス) |
かけ放題超過後の通話料金 | 0円(Rakuten Link利用時)、22円/30秒 | 22円/30秒 | 10円/30秒 |
着信転送サービス | 無料 | 220円(留守電パック) | 無料 |
割込通話サービス | 220円(2024年12月1日までは無料) | 非対応 | 無料(Aプラン)、220円(Sプラン、Dプラン) |
留守番電話サービス | 330円(2024年12月1日までは無料) | 220円(留守電パック) | 無料(Sプラン)、スマート留守電:319円(税込) |
データ追加 | – | 550円/1GB | 55円/100MB |
テザリング | 対応 | 対応 | 対応 |
店頭サポート | 対応 | 非対応 | 対応 |
割引 | 最強家族プログラム(-100円/月)、最強青春プログラム(13歳~22歳まで110ポイント還元/月)、最強こどもプログラム(12歳まで毎月最大440ポイント還元)、最強シニアプログラム(65歳以上110ポイント還元/月) | 対象外 | 家族割引、おかえり割引、eo×mineoセット割 |
エンタメ | NBA LEAGUE PASS for 楽天モバイル(無料)、パ・リーグSpecial(無料)、Rakuten Music バンドルプラン(無料)、Hulu(20%ポイント還元)、DAZN(15%ポイント還元) | LINE MUSIC for SoftBank 一般プラン:980円、LINE MUSIC for SoftBank 学生プラン:480円、Perplexity Pro:1年間無料 | Hulu:1,026 円 、U-NEXT:2,189円、AWA:960円、雑誌読み放題タブホ:528円、日経電子版:4,277円
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特典 | 別ページにまとめて記載 | LINEギガフリー | パケット放題Plus(10GB以上)、夜間フリー(50GB)、パスケット(50GB) |
契約事務手数料 | 0円 | 0円 | 3,300円(税込) |
支払いに対応するポイント | 楽天ポイント | PayPay | – |
※2025年2月22日時点の情報です。
どんどん広くなっている帯域幅。通信の渋滞が起きづらい環境に
格安SIM(MVNO)は、通信キャリアから回線をレンタルしてサービスの提供を行っています。まだ4Gの人口カバー率が低かった頃は、ユーザーが混雑する時間・場所で速度が著しく低下。『WEBページすら開けない』といった状況も珍しくはありませんでした。
この『低速化』の主な原因になっていたのが『帯域幅』です。道幅の様なもので、3Gの最大帯域幅は『5MHz』。4Gではそれが『20MHz』に拡大。1台しか車が走れなかった道路で同時に『4台』走れるようになったイメージ。
帯域幅の拡大により、極端な『通信の渋滞』は発生しづらくなりました。2025年時点では、4Gの人口カバー率がどの通信キャリアも100%付近(パートナー回線含む)。そして4Gよりもさらに帯域幅の広い『5G』のエリアが拡大しています。
5Gのメインとなる『Sub6』は、最大『100MHz』の帯域幅に対応。5Gで通信する人が増えれば『4G』の帯域が空くので、長期的にはより『渋滞』の起こりづらい環境となるはずです。

つまり『格安SIM』においても、ひと昔前の様な『長時間WEBページすら開けない』といった状況はほぼ起こり得ません(局所的なパケ止まりは別の原因)。