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[No.000]

日記以上、遺書未満。

N.0682 探し物

ずっとずっと探していた。家族の温もりや愛情のような無形たち。いつまで経っても見つからなくて、一人絶望に明け暮れていた。日々がわたしを赦してくれなくて、誰かがわたしを忘れていって、記憶のなかで亡骸と化す。そんなありふれた日常が、とっても苦し…

N.0681 清潔な感覚

人は見た目ではない、という方がいる。その後に続く言葉が「内面」であれば心が綺麗なのだなと思う。続く言葉が「お金」であれば、リアリストなのねと言った具合である。心の貧富はさておいて、今回は人の「見た目」について考えたい。 外見。今日では身なり…

N.0680 呪縛

男らしさ、女らしさ、自分らしさ、色んな「らしさ」があるけれど、それって一体何なのだろうか。定義付けされた概念のようにも思えるし、もっと違う部分での不自由にも思える。個性を振りかざすことのようにも考えられるし、それは一種の呪いのようにも感じ…

N.0679 退屈を愛する

わたしたち現代人は強い刺激に慣れ過ぎて、些細なことが見えなくなっている。例えば、道端に咲いた名もなき花、公園を駆け回る子供たちの笑顔、大切な人と過ごすかけがえのない時間。どれもが当たり前ではなく、美しいものであるはずなのに、色褪せた無表情…

N.0678 欲しい物

ひとりで、何にも追われることなく、ただ時間だけを贅沢に味わっている。生きるために必要なものは少なくて、わたしはもうその何もかもが揃っているような気持ちになる。自分の身体があって、仕事があって、ゆっくり眠れる家がある。もうそれだけで充分な気…

N.0677 限りある心臓

年齢を重ねれば重ねるほど、一日の体感時間が早くなる。一週間、一ヶ月、一年があっという間に過ぎ去っていく。小学生の頃、まるで永遠の様に感じられた夏休み、寒い中公園で走り回った冬休み、心ばかりの準備期間春休み。大人になったいま、それらは瞬きを…

N.0676 自己満悦

SNSやインターネットを眺めていると、特定の価値観が自分の中に浸食してくる感覚がある。いやいや考え過ぎ、もっと気楽に見ればいいのに。って言われるかもしれないけれど、わたしはもう自分の心に正直でいたいのです。テレビが苦手だし、広告なんてものは脳…