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ドル円、今週も底堅く7月23日以来の高値
先週は米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)などビッグイベントが目白押しとなり、「トランプ・トレード」が鮮明に。今週もその流れを引き継いで、週初は米国株式市場でダウ工業株30種平均が史上最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新しました。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5007%前後と5月31日以来の高水準を記録しています。
米国株相場は上昇し、米国債相場は下落(金利は上昇)、ドルは主要通貨に対して買われる、「トランプ・トレード」が継続した格好です。ドル円は週末15日のアジア時間に一時156.75円と7月23日以来の高値を更新しています。
*Trading Viewより
このほか、今週は金先物相場が6日続落した一方、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが大幅に上昇。対ドルで一時9万3462ドル前後と史上最高値を更新したほか、対円でも1449万円台と過去最高値を付けています。仮想通貨に好意的とみられるトランプ氏の米大統領選勝利が引き続き材料視されたようです。市場では「機関投資家の買いが増えている」との声も聞かれました。
投機筋の円売りポジション、さらに拡大
ヘッジファンドによる円売りポジションは拡大が続いています。投機筋は今年7月には過去17年間で最大規模となる円売りポジションを構築していました。米商品先物取引委員会(CFTC)が先週日発表した7月2日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の売り越し=ドル円のロングは18万4223枚と2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録。
ただ、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが続き、9月24日時点の投機筋のポジションは6万6011枚の円買い越しと、2016年10月以来の円買い越し=ドル円のショートとなりました。
*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
しかしながら、この動きは一転し投機筋のポジションはいっきに円売りに傾いています。昨日11月15日(日本時間16日早朝)に発表された11月12日時点の建玉報告によると、投機筋の円の対米ドルポジションは6万4902枚の円売り越しと前の週から2万735枚も増えたことが明らかになりました。投機筋の円売りポジションがさらに拡大していることが分かります。
12月FOMCでの金利据え置き確率が上昇
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の72.2%から58.2%に低下した一方、据え置きを予想する確率は27.8%から41.8%に上昇しています。
*CME FedWatch Toolより
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は14日の講演で「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」との見解を表明し、今後の金利については「指標と経済見通し次第だ」と強調。また、グールズビー米シカゴ連銀総裁は15日に米CNBCで「物価上昇率はかなり高い」と発言。米物価上昇圧力が根強く残る中、利下げを慎重に進める姿勢を示すFRB高官が増えています。
市場では「12月FOMCでの利下げ見送りや来年の利下げペースが想定よりも緩やかになる可能性が意識されている」といいます。
さらなる上昇を期待して
私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。
*IG証券より
ドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」に設定しています。今週末も重要なポイントとして意識される200日移動平均線が位置する「151.84円」を週末の終値(154.30円)でしっかりと上回っていることもあり、さらなる上昇を期待しています。
200日移動平均線は重要な中期線として、機関投資家など多くの市場参加者が注目するポイントになっています。テクニカル的なサポートやレジスタンスとしてだけではなく、ここを中心に投資家心理も大きく変わってくると言われています。
結局はクリスマスラリーに向けて仕込み時か!?
ドル円は週末に米株安や日経平均先物の下落、週末を控えたポジション調整目的の売りなどが相場の重しとなり、153.86円まで値を下げていますが、これはある意味「ヘルシー」な動き。急な上昇は政府・日銀による為替介入への警戒を高めます。市場では「マーケット参加者は円売りに傾き、円安進行を食い止めそうな目ぼしいプレーヤーは政府・日銀のほかに見当たらない。再び160円の大台に到達する展開が現実味を帯びてきた」との声が聞かれています。
ドル円が下げたところでは押し目買いを進め、年末から新年にかけての上昇を期待したいところ。今年も『クリスマスラリー』(サンタクロースラリーとも呼ばれる)を意識する季節が到来しています。
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