読めば身に付くネットリテラシー
これは掘り出し物!と安易に飛びつくことなかれ。フリマサイトに高級ウイスキーの偽物
2024年12月13日 11:50
最近、フリマサイトでウイスキーを買ったら偽物が届いた、という人が増えています。「ショッピング詐欺」「前払い金詐欺」という手口の一種です。高値が付く商品を割安な価格で出品し、入札されると偽物を送ってくるのです。被害が多いのは、近年高騰を続けるジャパニーズウイスキーです。特に「山崎」の偽物が多いようです。
「山崎12年」は発売当初、5000~6000円で販売されていたのですが、10年ほど前から値上がりし、1万円程度になりました。その後、ウイスキーブームに乗って徐々に値上がりし、今では2万5000円くらいになっています。そのため、1万円程度で売られていたらかなりのお買い得と言えますし、転売で高い利益が見込めると考える人もいるかもしれません。
フリマサイトやオークションサイトでは、高級ウイスキーや高級ブランデーの空き瓶も売買されています。空き瓶を購入し、適当な安いお酒を詰めて販売する詐欺師もいるのです。山崎12年であれば空き瓶1本で数百円、18年物であれば数千円で取引されています。高級ブランデーのクリスタルボトルの場合は万単位の価格で売買されています。
また、筆者はまだ実際に目にしたことがないのですが、山崎12年のラベルシールやフィルムキャップまで偽造した偽物も出回っているようです。偽物との比較写真がSNSに公開されていましたが、ぱっと見ただけで見分けがつきません。そもそも、フリマサイトには本物の写真を掲載しているので、ユーザーにはどうしようもありません。
ラベルやフィルムの偽造にはそれなりにコストがかかったはずです。詐欺師は元を取ろうとするでしょうから、今後、大量の偽造品が出回ると考えられます。詐欺に遭うのも悔しいところですが、口に入れるものなので、何が入っているのか分からない、というのは怖いものです。プレゼントとして第三者に渡してしまったら、大きなトラブルになりかねません。
筆者も、古いウイスキーを手に入れるためにフリマサイトやオークションサイトを使っています。しかし、詐欺が怖いので、高級ウイスキーには手を出しません。高級ウイスキーが市場価格よりもかなり安く出品されているのも見かけますが、手を出すのはやめておいた方がよいでしょう。出品者が相場を知らずに本物を安く出品しているのか、それとも魅力的な値段を付けた偽物を出品しているのか、確実に見分けられるとは思えません。
対策は簡単です。信頼できるお店で自分で直接買うのです。お酒は保管状況によって品質も左右されます。10万円、100万円といった超高級酒であれば、それを買うお店も厳選することをお勧めします。筆者も飲食店を経営しているときに1本50万円、150万円といったお酒を何度も買いましたが、価格が1~2割違っても格安品に手を出したことはありません。
皆さんも詐欺に遭わないように注意してください。お酒の偽造が割に合わなくなれば、詐欺師もいなくなり、安心して楽しめるようになります。
なお、この手口は6年以上前にも紹介しています(関連記事『高級ウイスキーをフリマアプリで買ったらなんか味が違う』参照)。ネット詐欺の手口を知っていれば、被害に遭う可能性を低くできます。ぜひ、この記事を家族や友人にもシェアして、みんなネットリテラシーを身に付け、ネット詐欺を回避しましょう。
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※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと