執筆者

社会保険労務士法人スマイング 
コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢 が執筆しました。

IT企業の場合、賞与制度がなく、月額給与が高い企業という給与制度も多いように見受けられます。今回が相談があった企業は、親会社が年収に占める賞与の構成比が高く、その企業も近い給与制度になっており、その場合の基本給のベースアップについて悩んでいるようでした。近年、IT企業の初任給が高騰していることもあり、賞与の構成比を下げ月額給与の割合を上げてベースアップをしようとされておりました。

弊社関与先でも賞与制度がないI T企業も多いため、参考になりそうな情報提供は難しい状況でした。ただ、初任給をどこまでアップする必要があるか、それに伴い2年目3年目、それ以降の従業員のベースアップをどこまで検討する必要があるかで全体的なベースアップをどう設定するか検討する流れが考えられました。

また、賞与制度がある別のIT企業の話になりますが、外国籍の従業員が多くフレックスタイム制度を適用している企業になります。賞与の査定に、遅刻や早退等の出退勤態度などを反映している企業もありますが、外国籍の従業員の場合、何回の遅刻で具体的に賞与のどう反映されるかを明確にしておかないと、実際に賞与の査定に反映した際には納得ができないと主張されるようです。出勤後に体調不良でコアタイムの途中に退勤すると、早退扱いになるため年次有給休暇の与え方に悩まれておりました。

賞与制度がある企業の場合、年収と賞与構成比の考え方や査定方法など、様々な影響があると存じます。