ヴェイグランシー
ヴェイグランシー (Vagrancy、1939年 - 1964年) は、アメリカの競走馬。主な勝ち鞍は1942年のベルデイムハンデキャップ、レディーズハンデキャップ、CCAオークス、アラバマステークス、テストステークス、ガゼルステークス、ピムリコオークス、デラウェアオークス。
ヴェイグランシー | |
---|---|
欧字表記 | Vagrancy |
品種 | サラブレッド[1] |
性別 | 牝[2] |
毛色 | 黒鹿毛[1] |
生誕 | 1939年[2] |
死没 | 1964年[3] |
父 | Sir Gallahad[2] |
母 | Valkyr[2] |
母の父 | Man o' War[2] |
生国 | アメリカ合衆国[2] |
生産者 | Belair Stud[3] |
馬主 | Belair Stud[3] |
調教師 | James E. Fitzsimmons[3] |
競走成績 | |
タイトル |
Daily Racing Form and Turf & Sport Digest Awards(1942年) |
生涯成績 | 42戦15勝[2] |
獲得賞金 | $102,480[2] |
繁殖牝馬としても英セントレジャー勝ち馬のブラックターキンなどを輩出し、近親のマートルウッドとともにフリゼット牝系の発展に大きく貢献した。
生涯
編集競走馬時代
編集3歳時は21レースに出走。CCAオークス、ピムリコオークス、デラウェアオークス、アラバマステークス、ガゼルステークス、テストステークスを含む9つのステークスレースで優勝。全21レース中では優勝10勝、2着4回、3着1回の成績を残し、この年のDaily Racing Form and Turf & Sport Digest Awards (現エクリプス賞)の最優秀3歳牝馬と最優秀古牝馬の2部門を受賞した。
ヴェイグランシーの全レースのうち、最も有名なレースはベルデイムハンデキャップである。このレースでは、レース序盤から逃げをうって先頭を走る本馬を、バランコサがゴール直前でとらえ2頭同時にゴールイン。写真判定の末、このレースは同着と宣言さた。この時、優勝トロフィーは1つしか用意されていなかったため、ヴェイグランシーのオーナーとバランコサのオーナー(歌手、俳優のビング・クロスビー)がコイントスを行い、勝ったバランコサのオーナーが優勝トロフィーを得た[4]。
繁殖牝馬時代
編集1945年に出生したブラックターキンは1948年のセントレジャーステークスなど、イギリスで複数のステークス競走を優勝。
ヴァルカニアとナターシャは繁殖牝馬として共に優秀な成績を収め、ヴァルカニアのラインからはサクラチトセオー・サクラキャンドル兄妹やファーディナンド、タイセイレジェンドが、ナターシャのラインからはヘヴンリーロマンスやシルクプリマドンナ、アウォーディーなどのGI級競走勝ち馬が出ている。
その功績を記念して、1948年からベルモントパーク競馬場で本馬の名を冠するヴェイグランシーハンデキャップが施行されている。
主なファミリーライン
編集- Stray Shot 1872 --- 13-c
- Shotover 1879 ←---ショットオーヴァー牝系へ戻る
- ---↓ヴェイグランシー牝系
牝系図の主要な部分(太字はG1級競走優勝馬)は以下の通り。*は日本に輸入された馬。
- Vagrancy 1939
- Black Tarquin II 1945(英セントレジャー)
- Vulcania 1948
- Abeyance Lass 1955
- *クレアーブリッジ 1967 ---→クレアーブリッジ牝系へ
- Legato 1956
- Banja Luka 1968
- Castel Cheline 1980
- Zacheline 1994(クイーンズランドオークス、オーストラリアンオークス)
- *ファーディナンド 1983(ケンタッキーダービー、ハリウッドゴールドC、BCクラシック)
- Castel Cheline 1980
- Tallahto 1970(ヴァニティH、サンタバーバラH、オークツリー招待H)
- Prince True 1981(サンフアンカピストラーノ招待H、サンルイレイS)
- Hidden Light 1983(ハリウッドオークス、サンタアニタオークス)
- Banja Luka 1968
- Nascania 1957
- Fiddle Isle 1965(ハリウッドターフH、サンフアンカピストラーノ招待Hほか)
- Abeyance Lass 1955
- Natasha 1952
- Natashka 1963(アラバマSほか)---→ナタシュカ牝系へ
- Mazaca 1966
- Ribasha 1967
- Royal Sister 1977
- Distant Relative 1986(ムーラン・ド・ロンシャン賞、サセックスS)
- Ezzoud 1989(英国際S、エクリプスS)
- Majestic Sister 1995
- La Grande Zoa 2003
- Trip To Paris 2011(アスコットゴールドC)
- La Grande Zoa 2003
- Royal Sister 1977
牝系図の出典:Galopp-Sieger
血統表
編集ヴェイグランシー(Vagrancy)の血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | テディ系 |
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父 Sir Gallahad 1920 鹿毛 |
父の父 Teddy1913 鹿毛 |
Ajax | Flying Fox | |
Amie | ||||
Rondeau | Bay Ronald | |||
Doremi | ||||
父の母 Plucky Liege1912 鹿毛 |
Spearmint | Carbine | ||
Maid of the Mint | ||||
Concertina | St. Simon | |||
Comic Song | ||||
母 Valkyr 1925 栗毛 |
Man o' War 1917 栗毛 |
Fair Play | Hastings | |
Fairy Gold | ||||
Mahubah | Rock Sand | |||
Merry Token | ||||
母の母 Princess Palatine1919 鹿毛 |
Prince Palatine | Persimmon | ||
Lady Lightfoot | ||||
Frizette | Hamburg | |||
Ondulee | ||||
母系(F-No.) | (FN:13-c) | [§ 2] | ||
5代内の近親交配 | St. Simon 4×5.5、Bend Or 5×5 | [§ 3] | ||
出典 |
脚注
編集- ^ a b “Vagrancy(USA)”. JBISサーチ. 2022年6月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Vagrancy (USA)”. www.equibase.com. 2022年6月21日閲覧。
- ^ a b c d “Vagrancy (USA)”. www.americanclassicpedigrees.com. 2022年6月21日閲覧。
- ^ [Article related to Rachel Alexandra on May 23, 2009, 9:18 am, "The Day the Fillies Were the Feature," By Teresa Genaro in the column "The Rail, The Race for the Triple Crown," Post tagged with VAGRANCY]
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|Vagrancy(USA)”. JBISサーチ. 2022年6月21日閲覧。