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大韓民国空軍

大韓民国国軍を構成する大韓民国の空軍組織

大韓民国空軍(だいかんみんこくくうぐん : Republic of Korea Air ForceROK Air ForceまたはROKAF: 대한민국 공군)は大韓民国国軍を構成する大韓民国空軍組織である。

大韓民国空軍
대한민국 공군
紋章
創設 1949年10月1日
軍種 空軍
任務 航空
兵力 約65,000人
上位機関 大韓民国国軍,国防省
軍旗
国籍マーク
国籍マーク(低認識型)
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基本的に大韓民国防空識別圏Korea Air Defense Identification Zone (KADIZ))内の防空任務のほか、人道支援活動、有事の際の支援が主要任務となる。

以下本稿では韓国空軍と呼称する。

概要

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1950年6月27日、米軍より10機のP-51を受領し、説明を受ける韓国空軍要員

韓国空軍には約65,000人が所属し、約790機の航空機が配備されている。

1945年大日本帝国の敗戦により日本による朝鮮統治が終了し、帰国した航空関係者約500人が韓国航空建設協会を結成して航空部隊の建設を建議したがアメリカ軍は認めなかった。そこで統衛部情報局長代理の金英煥が交渉した結果、1948年3月に陸軍の一部として軽飛行隊の創設を認められた。

1948年4月に金貞烈朴範集崔用徳李永茂李根晳張徳昌金英煥の7人が航空幹部要員として歩兵学校に入学して1か月間の基礎軍事教育を終えた。5月1日に警備士官学校に入学して2週間の教育を受けて5月14日に少尉に任官した[1]。そして第1旅団司令部に航空部隊を創設し、司令官は白仁燁が就任した[1]。9月4日にアメリカ合衆国より10機のパイパーL-4グラスホッパーを寄贈され、翌5日に朝鮮警備隊大韓民国陸軍に改編されると、自動的に陸軍航空隊に改称された。そして15日に初の編隊飛行を行った。しかしL-4型連絡機では航続距離が短いため、1948年末までにL-5型偵察用連絡機10機が導入された。さらに1949年1月には陸軍航空学校を設立した。

L-5型連絡機の購入を機に航空首脳部は空軍の独立を提唱したが、連絡機20機だけで、しかもアメリカ空軍でさえ独立してから1年余りしか経っていない時であったので、顧問団長のロバート准将は時期尚早、参謀総長の蔡秉徳少将は空地協同の建前から空軍独立に反対した。そこで金貞烈が李承晩大統領と申性模国防部長官らに直接訴え、蔡秉徳に執拗に説き、1949年10月1日に現在の韓国空軍が正式に発足した。

その後、1950年朝鮮戦争が勃発した際、北朝鮮ヤコヴレフYak-9ラーヴォチュキン La-7を当時のソビエト連邦から輸入し、朝鮮人民軍空軍に導入したことを受けて、P-51D マスタングをはじめとする110機を導入、アメリカ空軍からもパイロットが派遣され、軍事規模を拡大して行った。

さらに1960年代から1970年代になると、北朝鮮の脅威からF-86F-5F-4といった戦闘機も配備されて行き、1990年代にはF-16・KF-162000年代にはF-15Eの韓国型であるF-15Kが導入される等の近代化が進行している。KT-1T-50といった練習機を国産しているほか、国産戦闘機KF-21の開発も行っている。 2020年代においてもF-35Aの導入など最新鋭機への更新が随時行われている。

2003年には南部戦闘司令部と北部戦闘司令部が設けられた。これらは2015年にはそれぞれ空中戦闘司令部空中機動偵察司令部に改編された。

基地

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組織

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空軍参謀総長の指揮する空軍本部に次の組織が所属する。

  • 作戦司令部(京畿道烏山市)
    • 空中戦闘司令部(大邱空軍基地)(司令官は空軍少将)
    • 空中機動偵察司令部(烏山空軍基地)(司令官は空軍少将)
    • 防空ミサイル司令部(烏山空軍基地)(司令官は空軍少将)
    • 防空管制司令部(司令官は空軍少将)
  • 軍需司令部
  • 教育司令部(Republic of Korea Air Force Education and Training Command:AFTEC 공군 교육사령부)
  • 兵力:6万3千人

所有機体

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大韓民国空軍の所有機体[2]
機種 生産国 分類 機体バージョン 所有機体数 備考
F-15E   アメリカ合衆国 マルチロール機 F-15K 59 愛称はスラムイーグル[3]
F-16C/D   アメリカ合衆国 C:マルチロール機
D:作戦転換機
F-16C/DBlock32 計C:118D:49 完成機輸入
KF-16C/D   アメリカ合衆国
  韓国
KF-16C/DBlock52 完成機輸入もしくは、KAIによるノックダウン/ライセンス生産機
F-35A   アメリカ合衆国 マルチロール機 F-35A 40 2機が機種転換訓練用に使用
F-4   アメリカ合衆国 マルチロール機 F-4E 24 後継機としてF-35Aを選定した。
F-5   アメリカ合衆国 戦闘機 F-5EタイガーII 153
作戦転換機 F-5FタイガーII 29
KAI FA-50   韓国 軽マルチロール機 FA-50 60
KAI TA-50   韓国 練習機・軽攻撃機 TA-50 22
KAI T-50   韓国 練習機 T-50 72[4]
アクロバット機 T-50B 10
KAI KT-1   韓国 練習機 KT-1 103
前線航空管制機 KA-1
KAI KC-100   韓国 初等練習機 23
ホーカー 800   アメリカ合衆国 偵察機
SIGINT
ホーカー800RA
ホーカー800SIG
各4計8 ビジネスジェット機の改造モデル。
ダッソー ファルコン 2000 フランスの旗 フランス ELINT 2 ビジネスジェット機の改造モデル。
ボーイング737   アメリカ合衆国 VIP輸送機 B737-300 1 ボーイングカスタマーコードはZ8
E-7   アメリカ合衆国 早期警戒管制機 B737-700AEW&C 4
ボーイング747-8i   アメリカ合衆国 VIP輸送機 B747-8i 1 大韓航空からのリース
エアバス A330 MRTT フランスの旗 フランス 空中給油機 A330-200 4
C-130   アメリカ合衆国 戦術輸送機 C-130H/-30
C-130J
12
4
CASA CN-235   スペイン
  インドネシア
戦術輸送機 CN-235-100
CN-235-220
18 (-100)CASA製造
(-220)IAE製造
CH-47チヌーク   アメリカ合衆国 輸送/戦闘捜索救難ヘリ HH-47D 9
AS332 フランスの旗 フランス/  インドネシア 戦闘捜索救難ヘリ AS332L 3 IPTNのライセンス生産機
ベル412   アメリカ合衆国 戦闘捜索救難ヘリ 412 3
MD 500   アメリカ合衆国 偵察ヘリ 25
Ka-32   ロシア 戦闘捜索救難ヘリ HH-32 7 Ka-27を多目的用途にしたもの。
S-70   アメリカ合衆国 汎用/戦闘捜索救難ヘリ UH-60L/P 17
S-92   アメリカ合衆国 VIP輸送用ヘリコプター S-92A 3
RQ-4   アメリカ合衆国 無人偵察機 RQ-4 4

その他、パトリオットミサイルMIM-23ホークも装備している。

空軍参謀総長

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脚注

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出典

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  1. ^ a b 6・25戦争史 第1巻” (PDF) (韓国語). 国防部軍事編纂研究所. pp. 358. 2017年4月8日閲覧。
  2. ^ “World Air Forces 2024”. Flight Global (Flightglobal Insight). (2023年). https://www.flightglobal.com/download?ac=98602 9 June 2023閲覧。 
  3. ^ 因みによく軍事系サイト等で誤解されがちであるが、このスラムとは貧民窟を意味するスラム(Slum)ではなく、激しく叩く事を意味するSlamである(井上雄彦の漫画「SLAMDUNK」のスラムもこちらの意味)。
  4. ^ 出典のWorld Air Forces 2024においてTA-50の22機が二重計上されている可能性がある