東北医科薬科大学
東北医科薬科大学(とうほくいかやっかだいがく、英語: Tohoku Medical and Pharmaceutical University)は、宮城県仙台市青葉区小松島4-4-1に本部を置く日本の私立大学。1939年創立、1949年大学設置。大学の略称は東北医薬大およびTMPU。
東北医科薬科大学 | |
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東北医科薬科大学小松島キャンパス入口付近 | |
大学設置 | 1949年 |
創立 | 1939年 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | 学校法人東北医科薬科大学 |
本部所在地 |
宮城県仙台市青葉区小松島4-4-1 北緯38度17分6.7秒 東経140度53分4.6秒 / 北緯38.285194度 東経140.884611度座標: 北緯38度17分6.7秒 東経140度53分4.6秒 / 北緯38.285194度 東経140.884611度 |
キャンパス |
小松島(仙台市青葉区) 福室(仙台市宮城野区) |
学部 |
医学部 薬学部 |
研究科 |
薬学研究科 医学研究科 |
ウェブサイト | http://www.tohoku-mpu.ac.jp |
概観
編集大学全体
編集東北薬科大学は1939年に設置された東北薬学専門学校を前身とし、1949年に設置された。1959年に、日本の私立薬科大学で当時は唯一の附属癌研究所を設立[1]した。1962年に私立薬科大学で初の大学院を設置する。2016年に医学部を開設し、東北薬科大学から東北医科薬科大学に改称した。
建学の精神(校訓・理念・学是)
編集大正期から昭和初期にかけて、仙台に存在していた国立薬学教育機関が廃止された後、東北地方と北海道には薬学教育体制が存在しない時代が存在していた。東北薬科大学の前身である財団法人東北薬学専門学校(五十嵐豊吉初代理事長)は、東北地方に薬学教育機関を設立することを目的として建学された。現在も大学の理念として「東北地方の薬学教育・研究の先導的役割」を掲げる。
医学部設置へ
編集日本政府は1980年代から政策で医師数を抑制し、2003年に文部科学省が医学部の新設禁止を告示した。2011年に発生した東日本大震災を受けて、東北地方の医師不足の対応と被災地復興の支援のため、東北地方で1校に限り医学部新設を認める方針を打ち出した[2]。
この動きを受けて東北薬科大学は2013年10月11日、医学部の設置を目指す意向を表明した[3]。同大の高柳元明学長は、設置に確信していたが[4]、宮城県は仙台厚生病院と栗原市からの協力要請で宮城大学へ医学部開設(若しくは、宮城県立の医科大学開設)計画を文部科学省に申請し[5]、福島県郡山市の総合南東北病院などを運営する一般財団法人脳神経疾患研究所も医学部新設を計画した[6][7]。
2014年8月28日、東北地方に医学部を新設する構想で、文部科学省の構想審査会は、東北薬科大が改称して設立する「東北医科薬科大学」(仙台市)を選定したと発表した[8][9][10]。2015年3月31日に東北薬科大が文部科学省に医学部の設置認可を申請した。2016年4月の開設をめざし、キャンパスは宮城野区に所在する東北薬科大学病院の隣接地を買収や賃借して整備し 、医学部の学費が6年間で3400万円となる見込みで[11]、学生定員は100人、教員医師は183人の採用を予定している[12][13]。
2016年4月1日、医学部を新設した上で東北医科薬科大学に改称[14]。同日付で、東北薬科大学病院も東北医科薬科大学病院に改称、加えて、東日本電信電話から取得したNTT東日本東北病院(若林区、199床)は東北医科薬科大学若林病院に改称した[15][16]。
医学部は震災を受けて開学を認められた経緯から、地域医療への貢献に重点を置いている。1学年100人のうち55人を奨学金枠として、6年間で3000万円程度の学費を減免し、医師国家試験合格後8 - 10年間は大学が指定する東北地方の医療機関のいずれかに勤務する条件である。地域医療ネットワーク病院(19カ所)、関連教育病院(東北労災病院と国立病院機構仙台医療センター)などと連携して医療現場での臨床実習などを行うほか、被災地訪問や災害医療教育を教育に取り入れている[17]。
沿革
編集年表
編集- 1939年 - 東北薬学専門学校設立。
- 1949年 - 新制大学へ移行、東北薬科大学設立(薬学部薬学科)。
- 1962年 - 大学院修士課程開設(薬学研究科)。
- 1964年 - 大学院博士課程開設(薬学研究科)。
- 1965年 - 衛生薬学科増設。
- 1971年 - 製薬学科増設。
- 2006年 - 学科を再編、六年制の薬学科と四年制の生命薬科学科の二学科体制へ移行。
- 2013年 - 附属病院として東北薬科大学病院(旧・東北厚生年金病院より改称)を設置[18]。
- 2016年4月1日 - 医学部を開設、これに伴い「東北薬科大学」から「東北医科薬科大学」、「東北薬科大学病院」を「東北医科薬科大学病院」へ改称。
- 2016年4月1日 - 「東北医科薬科大学若林病院」開設。
- 2017年3月 - 宮城大学と「連携協力に関する協定」締結
- 2017年9月1日 - 「東北医科薬科大学名取守病院」開設。
- 2019年 - 東北医科薬科大学病院 新大学病院棟(地上 8 階建 15,073.82 ㎡)完成
- 2020年(令和2年)8月 - 東北医科薬科大学名取守病院閉院
- 2022年(令和4年)4月 - 大学院医学研究科(4年制、医学博士)開設[19]
基礎データ
編集所在地
編集- 小松島キャンパス(宮城県仙台市青葉区小松島4-4-1)
- 福室キャンパス (宮城県仙台市宮城野区福室1丁目15-1)
象徴
編集教育および研究
編集組織
編集学部
編集大学院
編集- 薬学研究科
- 薬学専攻 博士課程:4年課程
- 薬科学専攻 博士前期課程:2年課程
- 薬科学専攻 博士後期課程:3年課程
附属機関
編集- 研究所
- 分子生体膜研究所
- ハイテク・リサーチ・センター
- 附属薬用植物園
附属病院
編集- 東北医科薬科大学病院 (旧 東北厚生年金病院)
- 東北医科薬科大学若林病院 (旧 NTT東日本東北病院)
- 東北医科薬科大学名取守病院 (旧 医療法人社団健守会守病院)2020年8月閉院
研究
編集私立大学学術研究高度化推進事業
編集- ハイテク・リサーチ・センター整備事業
- 創薬研究センター(2005年度採択)
大学関係者と組織
編集大学関係者一覧
編集対外関係
編集他大学との協定
編集Wiki関係他プロジェクトリンク
編集脚注
編集- ^ のちに発展的に解消した。
- ^ 東北地方における医学部設置について文部科学省(2018年7月5日閲覧)。
- ^ “東北薬科大が医学部構想15年度開設目途に”. 共同通信. (2013年10月11日) 2013年12月17日閲覧。
- ^ “東北薬科大が医学部構想 15年度にも、首相指示受け名乗り”. 日本経済新聞. (2013年10月11日) 2013年12月17日閲覧。
- ^ “宮城県が医学部新設申請へ 迷走の末、方針転換”. 日本経済新聞. (2014年5月30日) 2014年5月30日閲覧。
- ^ “郡山に医科大新設構想 市の医療グループが発表”. 日本経済新聞. (2014年4月14日) 2014年5月5日閲覧。
- ^ “東北学院大が医学部検討 仙台厚生病院、連携を打診”. 河北新報. (2013年12月14日) 2013年12月17日閲覧。
- ^ “東北医科薬科大を正式選定 復興支援で医学部新設”. 日本経済新聞. (2014年8月28日) 2014年8月29日閲覧。
- ^ “東北医科薬科大に医学部決定”. 河北新報. (2014年8月29日) 2014年8月29日閲覧。
- ^ “東北地方における医学部設置に係る構想選定結果”. 文部科学省. (2014年9月2日) 2015年4月21日閲覧。
- ^ “東北医科薬科大理事長ら率直に喜び”. 河北新報. (2014年8月29日) 2014年8月29日閲覧。
- ^ “<新設医学部>東北薬科大が設置認可を申請”. 河北新報. (2015年4月1日) 2015年4月21日閲覧。
- ^ “医学部の設置認可を申請しました”. 東北薬科大学 2015年4月21日閲覧。
- ^ “東北医科薬科大が誕生 構内の銘板・看板一新”. 河北新報. (2016年4月2日) 2016年4月3日閲覧。
- ^ “<東北薬科大>NTT東北病院を取得へ”. 河北新報. (2015年6月17日) 2015年6月19日閲覧。
- ^ 『NTT東日本東北病院の事業譲渡について』(プレスリリース)東日本電信電話株式会社、2015年9月30日 。2016年4月3日閲覧。
- ^ 「新設医学部 未来変えるか/東北医科薬科大-復興へ医師養成担う 地域医療教育を充実」『日本経済新聞』朝刊2018年7月2日(医療・健康面)2018年7月5日閲覧。
- ^ “東北薬科大が付属病院開設へ 厚生年金病院引き取り”. 共同通信. (2012年12月11日) 2014年8月29日閲覧。
- ^ “2022年4月の東北医科薬科大学大学院「医学研究科」設置に向けて | NEWS|東北医科薬科大学”. 2022年4月1日閲覧。
- ^ 放送大学 平成28年度 単位互換案内