犬塚元
日本の政治学者
犬塚 元(いぬづか はじめ、1971年 - )は、日本の政治学者。法政大学法学部教授[1]。専門は政治学史・政治思想史。デイヴィッド・ヒューム、王党主義・君主主義、歴史叙述の政治思想など、初期近代ヨーロッパの政治思想史を主な研究テーマとしている。愛知県出身。
人物
編集ジャーナリスト志望で東京大学に入学し、在学中は江口匡太や想田和弘らとともに「東京大学新聞」の編集に携わった。大学院生時代の指導教員は佐々木毅であるが、博士論文は実質的には福田有広の指導のもとで完成させた。
略歴
編集著書
編集単著
編集- 『デイヴィッド・ヒュームの政治学』(東京大学出版会, 2004年)
編著
編集- 『岩波講座 政治哲学(2)啓蒙・改革・革命』(岩波書店,2014年)
訳書
編集- J・G・A・ポーコック『島々の発見:「新しいブリテン史」と政治思想』(監訳、安藤裕介・石川敬史・片山文雄・古城毅・中村逸春訳, 名古屋大学出版会, 2013年)
- ヒューム『自然宗教をめぐる対話』(岩波文庫, 2020年)
論文
編集雑誌論文
編集- 「エドマンド・バーク、習俗(マナーズ)と政治権力:名声・社会的関係・洗練の政治学」『國家學會雑誌』110巻7・8号(1997年)
- 「ローマ史解釈の政治思想史:オーガスタン期英国における政治対立・政治的多元性をめぐる議論の諸相」『社會科學研究』53巻1号(2002年)
- "Absolutism in the History of Political Thought: the Case of King James 6 and 1" 『群馬大学社会情報学部研究論集』14号(2007年)
- 「拡散と融解のなかの『家族的類似性』:ポーコック以後の共和主義思想史研究 1975-2007」『社会思想史研究』32号(2008年)
- 「「啓蒙の物語叙述」の政治思想:ポーコック『野蛮と宗教』とヒューム」『思想』1007号(2008年)
- 「ヒューム『イングランド史』のスコットランド史:1707年合同をめぐる歴史叙述の政治思想」『群馬大学社会情報学部研究論集』16号(2009年)
- 「ポスト・コンフェッショナリストとしてのヒューム:『イングランド史』における政治・宗教・歴史」『思想』1052号(2011年)
- 「クラレンドンのホッブズ『リヴァイアサン』批判」『法学』76巻3,6号(2012-13年)
- 「政治思想史の通史叙述の形成期におけるバーク解釈の変転:学説史において、バークはいつから保守主義の創設者とされたか」『法学志林』114巻4号(2017年)
- 「歴史の理論家としてのポーコック:その知的奇跡における政治・多元性・批判的知性の擁護」『思想』1117号(2017年)
- 「政治思想の「空間論的転回」:土地・空間・場所をめぐる震災後の政治学的課題を理解するために」『立命館言語文化研究』29巻1号(2016年)
論文集等収録論文
編集- 「ヒュームと共和主義」田中秀夫他編『共和主義の思想空間』名古屋大学出版会(2006年)
- 「時間軸において「伝える」こと:西洋政治思想史における「伝統」をめぐるナラティヴ」川崎修編『伝える』風行社(2012年)
- 「震災後の政治学的・政治理論的課題:「不確実・不均衡なリスク」のなかの意思決定・連帯・共存の技法」稲葉馨・高田敏文編『今を生きる:東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言3 法と経済』東北大学出版会(2012年)
- 「混合政体」古賀敬太編『政治概念の歴史的展開6』晃洋書房(2013年)
- 「ポーコックのブリテン史」J.G.A. ポーコック(犬塚元監訳)『島々の発見──「新しいブリテン史」と政治思想』名古屋大学出版会(2013年)
- 'An Alternative Idea of Nationalism in Postwar Japan: The case of Maruyama Masao', Patriotism in East Asia, eds. Jun-hyeok Kwak and Koichiro Matsuda, Routledge, 2014.
- 「序論:啓蒙・改革・革命」、「歴史叙述の政治思想:啓蒙における文明化のナラティブ」『岩波講座 政治哲学2:啓蒙・改革・革命』岩波書店(2014年)
- 「「文明化された君主制」論の王党派的起源:フィリップ・ウォリック,エドワード・ハイドと,ヒューム」坂本達哉・長尾伸一編『徳・商業・文明社会』京都大学学術出版会(2015年)
- 「受容史・解釈史のなかのバーク」中澤信彦・桑島秀樹編『バーク読本』昭和堂(2017年)
所属学会
編集- 日本政治学会 (国内)
- 日本イギリス哲学会 (国内)
- 政治思想学会 (国内)
- 社会思想史学会 (国内)