辰野町
長野県上伊那郡の町
辰野町(たつのまち)は、長野県上伊那郡の町である。伊那谷の北端に位置し、古くから県央部を結ぶ交通の要衝として発展した。
たつのまち 辰野町 | |||||
---|---|---|---|---|---|
| |||||
国 | 日本 | ||||
地方 | 中部地方(甲信越地方) | ||||
都道府県 | 長野県 | ||||
郡 | 上伊那郡 | ||||
市町村コード | 20382-3 | ||||
法人番号 | 7000020203823 | ||||
面積 |
169.20km2 (境界未定部分あり) | ||||
総人口 |
17,396人 [編集] (推計人口、2024年12月1日) | ||||
人口密度 | 103人/km2 | ||||
隣接自治体 | 岡谷市、諏訪市、塩尻市、上伊那郡箕輪町、南箕輪村 | ||||
町の木 | シダレクリ | ||||
町の花 | フクジュソウ | ||||
特別シンボル | ゲンジボタル | ||||
辰野町役場 | |||||
町長 | 武居保男 | ||||
所在地 |
〒399-0493 長野県上伊那郡辰野町中央1番地 北緯35度58分57秒 東経137度59分15秒 / 北緯35.98242度 東経137.98756度座標: 北緯35度58分57秒 東経137度59分15秒 / 北緯35.98242度 東経137.98756度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
特記事項 | 諏訪市との間に境界未定部分あり。 | ||||
ウィキプロジェクト |
概要
編集上伊那郡の最北に位置する。辰野駅は飯田線始発終点駅であり、飯田線内の駅では敷地面積が上位である。 東日本随一といわれるホタルの名所松尾峡が有名である。 過去に諏訪地域で盛んであった製糸業により、当時諏訪湖から天竜川へ製糸業で使用された蚕が流れつき、結果的にホタルの餌であるカワニナの豊富な栄養源となり、カワニナが増加し、それに伴いホタルが自然増加した。当時のホタルの光は川の様に流れる様だったと言われる。辰野高校は製糸業と関連している。毎年6月に開催されるほたるまつりは、全国各地から沢山の観光客で賑わう。
地理
編集位置
編集本州中心部の長野県の県央に位置する。「日本国の中心」を称する自治体の一つである[1]。
地形
編集山岳
編集- 主な山
- 経ヶ岳
- 坊主岳
- 黒沢山
- 近江山
- 穴倉山
- 霧訪山
- 大城山(王城山)
- 鶴ヶ峰
- 桑沢山
- 城山
河川
編集- 主な川
人口
編集辰野町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 辰野町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 辰野町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
辰野町(に相当する地域)の人口の推移
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
総務省統計局 国勢調査より |
隣接自治体
編集気候
編集寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。
辰野(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 15.1 (59.2) |
18.4 (65.1) |
23.8 (74.8) |
28.8 (83.8) |
32.6 (90.7) |
35.7 (96.3) |
36.2 (97.2) |
36.4 (97.5) |
33.5 (92.3) |
28.8 (83.8) |
23.0 (73.4) |
18.8 (65.8) |
36.4 (97.5) |
平均最高気温 °C (°F) | 3.9 (39) |
5.3 (41.5) |
10.0 (50) |
16.6 (61.9) |
22.0 (71.6) |
24.9 (76.8) |
28.4 (83.1) |
29.9 (85.8) |
25.0 (77) |
18.7 (65.7) |
12.8 (55) |
6.9 (44.4) |
17.0 (62.6) |
日平均気温 °C (°F) | −1.2 (29.8) |
−0.3 (31.5) |
3.6 (38.5) |
9.7 (49.5) |
15.2 (59.4) |
19.0 (66.2) |
22.8 (73) |
23.6 (74.5) |
19.3 (66.7) |
12.9 (55.2) |
6.7 (44.1) |
1.5 (34.7) |
11.1 (52) |
平均最低気温 °C (°F) | −6.1 (21) |
−5.6 (21.9) |
−1.9 (28.6) |
3.3 (37.9) |
9.1 (48.4) |
14.2 (57.6) |
18.7 (65.7) |
19.3 (66.7) |
15.2 (59.4) |
8.5 (47.3) |
1.8 (35.2) |
−3.1 (26.4) |
6.1 (43) |
最低気温記録 °C (°F) | −16.7 (1.9) |
−17.2 (1) |
−16.2 (2.8) |
−8.0 (17.6) |
−0.5 (31.1) |
4.6 (40.3) |
11.5 (52.7) |
11.2 (52.2) |
3.7 (38.7) |
−2.1 (28.2) |
−7.7 (18.1) |
−14.8 (5.4) |
−17.2 (1) |
降水量 mm (inch) | 45.6 (1.795) |
58.1 (2.287) |
102.5 (4.035) |
106.5 (4.193) |
129.7 (5.106) |
174.2 (6.858) |
214.4 (8.441) |
149.7 (5.894) |
179.1 (7.051) |
146.7 (5.776) |
78.4 (3.087) |
50.9 (2.004) |
1,435.8 (56.528) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 6.4 | 6.2 | 9.7 | 9.5 | 10.4 | 12.6 | 13.6 | 10.2 | 11.0 | 9.3 | 7.6 | 7.1 | 113.7 |
平均月間日照時間 | 164.2 | 168.1 | 187.6 | 195.4 | 202.6 | 160.9 | 162.1 | 194.2 | 145.7 | 151.0 | 156.4 | 156.7 | 2,044 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[2] |
歴史
編集近代
編集明治時代
編集近現代
編集昭和時代
編集- 1947年(昭和22年)1月1日 - 伊那富村が町制を施行し、改称して辰野町となる。
- 1955年(昭和30年)4月1日 - 朝日村と新設合併し、新たな辰野町が発足する。
- 1956年(昭和31年)9月30日 - 川島村を編入合併する。
- 1961年(昭和36年)3月31日 - 小野村を編入合併する。
現代
編集平成時代
編集政治
編集行政
編集町長
編集- 歴代町長
- 武井方介(初代、1955年 - 1957年)
- 松田譲(2代、1957年 - 1961年)
- 樋口義一(3代、1961年 - 1977年)
- 小澤惣衛(4代、1977年 - 1993年)
- 垣内基良(5代、1993年 - 1997年)
- 矢ケ崎克彦(6代、1997年 - 2013年)
- 加島範久 (7代、2013年 - 2017年)
議会
編集町議会
編集- 辰野町議会
- 議員定数:14人(任期:2027年4月29日まで)
- 議長:舟橋 秀仁
施設
編集警察
編集- 本部
- 交番
- 辰野町警部交番(辰野町伊那富)
- 駐在所
- 小野駐在所(辰野町小野)
消防
編集- 本部
- 消防署
- 辰野消防署(辰野町中央1)
医療
編集- 主な病院
郵便局
編集- 主な郵便局
図書館
編集対外関係
編集姉妹都市・提携都市
編集海外
編集- 姉妹都市
国内
編集- 提携都市
経済
編集第一次産業
編集農業
編集- 農業組合
- 上伊那農業協同組合(JA上伊那)
- 辰野支店
- 小野支所
第二次産業
編集工業
編集- 主力工場を置く主な企業
- エビデント長野事業場(大字伊那富6666番地)[4] - もとオリンパス科学事業部門(顕微鏡や産業用マイクロスコープなど)[5]。
- オリンパス長野事業場辰野(大字伊那富6666番地) - 半導体の研究・開発や、各種オリンパス製品の製造を行っている[6]。
- IHI回転機械エンジニアリング辰野事業所
- IHIターボ新町工場
- コニカミノルタサプライズ辰野工場
- 春日電機辰野工場
- ロートニッテン長野工場
- 平井星光堂さくら工場
第三次産業
編集商業
編集- 主な商業施設・店舗
- ニシザワ辰野食彩館(食料品)
- デリシア辰野店(食料品)
- バロー辰野店(食料品)
- オギノ辰野店(衣料品)(2023年4月22日をもって閉店)
- しまむら辰野店(衣料品)
- ときめきの街(ショッピングセンター)
拠点を置く企業
編集- 本社機能を置く主な企業
- IHIエアロマニュファクチャリング
- ENEOS液晶
- エビデント長野(大字伊那富6666番地、法人番号:9100001034854) - 顕微鏡・工業用の内視鏡・非破壊検査装置の製造・修理を行っている[7]。
- 積水樹脂プラメタル
- 長野オリンパス(大字伊那富6666番地、法人番号:3100001021560) - 内視鏡などの医療機器の製造・修理を行っている[8]。
- 二光工学
- 米玉堂食品
- 扶桑化学
- マブチ・エスアンドティー
- ユニバース光学
- かつてあった企業
- オリンパスオプトテクノロジー - オリンパスの映像関連製品の製造を担当。2011年、産業機械部門の岡谷オリンパスを統合し長野オリンパスとなった[8]。過去生産されていたオリンパスの高級写真レンズは「辰野クオリティ」と呼ばれていた[9](ズイコーデジタルレンズ参照)。
- ハナマルキ本社(創業地)
- JA東日本くみあい飼料辰野工場
情報・通信
編集マスメディア
編集新聞社
編集放送局
編集- LCV辰野支局
中継局
編集生活基盤
編集ライフライン
編集電力
編集- 発電所
ガス
編集上下水道
編集電信
編集教育
編集大学
編集短期大学
編集- 私立
高等学校
編集- 県立
- 私立
- つくば開成学園高等学校辰野本校
中学校
編集- 公立
- 塩尻市辰野町中学校組合立両小野中学校(塩尻市)
- 町立
- 辰野町立辰野中学校
小学校
編集- 公立
- 町立
- 辰野町立東小学校
- 辰野町立西小学校
- 辰野町立南小学校
- 辰野町立川島小学校
交通
編集鉄道
編集中心となる駅:辰野駅
鉄道路線
編集- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 東海旅客鉄道(JR東海)
バス
編集路線バス
編集高速バス
編集町内では以下の路線バスが中央道辰野バス停に停車する。
道路
編集高速道路
編集- 中日本高速道路(NEXCO中日本)
国道
編集県道
編集観光
編集名所・旧跡
編集- 主な神社
- 主な寺院
- 主な史跡
- 日本最古の道祖神(ただし異説あり)
- 街道
観光スポット
編集- 自然
- 横川渓谷・三級の滝
- 横川の蛇石
- 横川ダム
- かやぶきの館
- 塩嶺王城県立自然公園
- 小野のシダレグリ自生地
- しだれ栗森林公園
- 荒神山公園
- 松尾峡・ほたる童謡公園
- その他
文化・名物
編集祭事・催事
編集- ほたる祭り(6月中旬)
- 城前線桜並木(城前通り桜まつり)
- 横川渓谷紅葉祭り(10月下旬)
- 沢底福寿草まつり
- 童謡公園菜の花祭り
- 神戸水仙祭り
- 神戸スイカ祭り
- 全日本どろんこ田んぼバレーボール大会(7月下旬)
- 泥地フラッグス世界大会(5月上旬)
- クラフト&産直フェア「おてんとさんぽ」(9月下旬)
- 初期中仙道小野宿市(5月)
名産・特産
編集- それまで町を代表する名物料理がなかったため、有志が立ち上がり開発した丼料理で、地鶏の照り焼きと半熟目玉焼きをのせることを定義とする。辰野町がゲンジボタルで有名な町であることからネーミングされた。「信州・天竜川どんぶり街道の会」加盟作品である。
-
龍渓硯(2010年1月4日撮影)
-
龍渓硯(2010年1月4日撮影)
出身関連著名人
編集出身著名人
編集- 有賀喜左衛門(社会学者、元日本女子大学学長)
- 有賀幸作(大日本帝国海軍中将、戦艦大和第六代艦長)
- 飯島勲(元内閣総理大臣秘書官)
- 一ノ瀬俊明(環境学者、地理学者)
- 今井沙緒里(陸上短距離選手)
- 今井潤(小説家、随筆家、編集者)
- 岩崎宏(実業家、東洋ラジエーター社長)
- 宇治達郎(医師、胃カメラの開発者の一人)
- 臼田孝(機械工学者)
- 大森光彦(陶芸家)
- 小澤瑶生(プロボクサー)
- 小沢兵輔(実業家)
- 小野勝年(歴史家)
- 小野光景(実業家)
- 小野光賢(実業家)
- 小野祐之(実業家、政治家)
- 上島明(実業家、住友倉庫社長・会長)
- 上島武(社会主義経済学者)
- かみじょうちひろ(ドラマー、9mm Parabellum Bulletリーダー)
- 黒河内義夫(実業家、初代高遠町(現伊那市)長)
- 小林彌六(経済学者、筑波大学名誉教授)
- 古村啓蔵(大日本帝国海軍少将、戦艦武蔵第二代艦長)
- 古村誠一(実業家、三菱金属鉱業社長、日本電子金属社長)
- 古村敏章(実業家)
- 小山康昭(アナウンサー)
- 齋藤寛(医学者、長崎大学学長)
- 清水訓夫(駐アルジェリア大使、元駐ニカラグア大使、元国際労働財団常務理事)
- 瀬戸剛(彫刻家)
- 瀬戸匠海(サッカー選手)
- 瀬戸團治(彫刻家)
- 武井覚太郎(実業家、政治家)
- 竹入義勝(元衆議院議員、元公明党委員長)
- 外ノ池亜希(スピードスケート選手)
- 中川紀元(画家)
- 中畑龍俊(京都大学iPS細胞研究所副所長・教授)
- 中村吉治(歴史学者、東北大学名誉教授、社会史・農民史)
- 中村七十(彫刻家)
- 中谷宏大(バレーボール選手)
- 新名智(小説家)
- 野澤和行(国土交通官僚)
- 野沢太三(元法務大臣)
- 野澤隆一(実業家、信越放送社長、共同テレビジョンニュース社社長)
- 橋爪浩一(俳優)
- 東野佑美(女優)
- 樋口和博(裁判官、弁護士)
- 馬島誠(パラアイスホッケー選手)
- 松井芒人(歌人)
- 松尾奈津子(バレーボール選手)
- 矢島八洲夫(ジャーナリスト)
- 山寺喜成(林学者)
- 渡邊嘉一(土木技術者、実業家、東京石川島造船所社長)旧姓、宇治橋
ゆかりの著名人
編集辰野町を舞台とした作品
編集小説
編集- 河邉徹『蛍と月の真ん中で』
映画
編集- 町中心部の下辰野商店街と伊那富橋は、映画『いま、会いにゆきます』のロケ地である
テレビドラマ
編集- 辰野町立小野図書館は、テレビドラマ『いま、会いにゆきます』のロケ地である
- 町立辰野病院は、テレビドラマ『ゴーイング マイ ホーム』のロケ地である
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 長野・辰野町 改め「ど真ん中町」?日本の中心PR NHK「チコちゃん」で認定『朝日新聞』夕刊2018年10月30日(社会面)2018年11月1日閲覧。
- ^ “辰野 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月7日閲覧。
- ^ “「未来一緒に築きたい」 武居辰野町長初登庁”. 長野日報 (2017年11月14日). 2017年12月21日閲覧。
- ^ “企業情報”. エビデント. 2023年12月29日閲覧。
- ^ 和根﨑友梨子 (2022年4月5日). “オリンパスが科学事業を分社化 - 新会社エビデントを設立”. TECH+ (マイナビ)
- ^ “交通アクセス(オリンパス株式会社 長野事業場辰野)”. オリンパス. 2023年12月28日閲覧。
- ^ “会社案内”. エビデント長野. 2023年12月29日閲覧。
- ^ a b “会社概要”. 長野オリンパス. 2023年12月28日閲覧。
- ^ 折本幸治 (2014年11月17日). “小型高性能をどう実現したか――オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」”. デジカメWatch (インプレス) 2023年12月28日閲覧。
- ^ 木造十一面観音立像辰野町観光サイト(2018年11月1日閲覧)。
- ^ 信州の水50選 徳本水長野県薬剤師会(2018年11月1日閲覧)。
- ^ 色白水長野県公式観光ウェブサイト さわやか信州旅.net(2018年11月1日閲覧)。
関連項目
編集外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- ぴっかりちゃん (@pikkaricyan) - X(旧Twitter)
- まちむらナガノ.jp 信州の情報