小
漢字
編集小
字源
編集- 象形。小さいものを象る。秦以前の時代には「小」と「少」の使い方には区別がなく、「ちいさい」を意味する漢語{小 /*sewʔ/}と「すくない」を意味する漢語{少 /*stewʔ/}の両方の単語に用いることが可能で、秦の時代に「小」と「少」を単語によって区別して使うようになった。また、かつては「すな」を意味する漢語{沙 /*sraaj/}を表すのにもこの文字が使われたが、「水」を加えた「沙」という字によって区別されるようになった。[字源 1]
- ↑ 裘錫圭 『文字学概要』 商務印書館、1988年、111頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、105-110頁。
陳剣 「甲骨金文“𢦏”字補釈」 『古文字研究』第25輯 中国古文字研究会、浙江省文物考古研究所編、中華書局、2004年、43-44頁、注3。
野原将揮 『戦国出土資料と上古中国語声母研究』 早稲田大学博士論文、2016年、151-154頁。
古典的字源
編集- 『説文解字』によれば「小,物之微也。从八,亅見而分之 ― 小とは、物がかすかなさま。八の意味に従い、亅が見え、これを分かつ」
- 『説文』は、「小」を「亅」と「八」(=分かつ)から構成されると考え、極小のものを見分ける意と解した。甲骨・金文を参照しておらず、小篆から連想された字源論であることがわかる。
関連字
編集精母 | 清母 | 從母 | 心母 | ||
---|---|---|---|---|---|
四等 | 平声 蕭韻 | - | - | - | 踃箾𦐺㲖 |
上声 篠韻 | 㭂 | - | - | ||
去声 嘯韻 | - | - | - | ||
入声 錫韻 | |||||
莊母 | 初母 | 崇母 | 生母 | ||
二等 | 平声 肴韻 | 抄鈔訬 | 梢捎髾輎旓弰䈰筲鞘蛸鮹䘯綃颵莦娋𡡏 | ||
上声 巧韻 | 炒吵 | ||||
去声 效韻 | 抄鈔耖仯觘𦨖 | 稍潲揱𣕇娋𨛍𦓴 | |||
入声 覺韻 | 矟箾𦂗揱𦋞 | ||||
精母 | 清母 | 從母 | 心母 | ||
三等A | 平声 宵韻 | 宵消霄捎逍痟綃銷焇硝蛸莦哨𦐺鮹𤞚䴛揱魈 | |||
上声 小韻 | 𨙹 | 悄釥 | - | 小𩵖䒕 | |
去声 笑韻 | 陗峭㴥哨俏帩𪑊 | 誚 | 肖韒鞘 | ||
入声 藥韻 | 雀 | 削 | |||
莊母 | 初母 | 崇母 | 生母 | ||
三等B | 平声 肴韻 | ||||
上声 巧韻 | |||||
去声 效韻 | |||||
入声 藥韻 | - | - | - |
意義
編集- 対義字:大
日本語
編集発音
編集名詞
編集接頭辞
編集- (ショウ)微小。
- 小都市
- 小組織
- (ショウ)凡小、凡庸。
- 小政治家
- 小人物
- 小市民
- (ショウ)親子関係を持つ二人の人物のうち、子供の方。
- 小ブッシュ
- (ショウ)小学校(の学年)。
- 小六の子
- (こ)程度・体形・器量が小さい。
- 小悪魔
- (こ)ちょっとした。
- 小一時間
接尾辞
編集熟語
編集漢文用例
編集- 君子周而不比,小人比而不周(『論語/為政』)
[君子、周して比せず、小人、比して周せず]
― 君子は、ひろく付き合い(利害などで)分け隔てをしない。つまらない人物は、分け隔てをして党派を作りたがる。
中国語
編集- ローマ字表記
形容詞
編集- 小さい。
接頭辞
編集- (姓又は名につけ愛称をつくる)~ちゃん。
語源
編集- シュスラー による同根語
朝鮮語
編集- ハングル: 소
- 音訓読み: 작을 소
- 文化観光部2000年式: so
- マッキューン=ライシャワー式: so
ベトナム語
編集- ローマ字表記
コード等
編集- Unicode
- 16進: 5C0F
小
- 10進: 23567
小
- 16進: 5C0F
- JIS X 0208(-1978,1983,1990)
- 四角号碼 : 90000
- 倉頡入力法 : 弓金 (NC)