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「タナー段階」の版間の差分

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外性器の発達段階を示し、男子にのみ適用される指標である。
外性器の発達段階を示し、男子にのみ適用される指標である。
男性器は[[思春期]]に[[第二次性徴]]によってタナー段階で成長する<ref name=大山建司>{{cite journal|和書 |author=大山建司 |year=2004 |title=<総説> 思春期の発現 |url=https://doi.org/10.34429/00003695 |journal=山梨大学看護学会誌 |ISSN=1347-7714 |publisher=山梨大学看護学会 |volume=3 |issue=1 |pages=3-8 |doi=10.34429/00003695}}</ref>。男性器のタナー段階がIIに達した時点で第二次性徴・思春期の起点となり、起点の年齢は平均して11歳6月(前後1年半の個人差)である<ref>[http://tanaka-growth-clinic.com/shishunki/shishunki.html たなか成長クリニック・思春期]</ref>。思春期開始時は男性器の発達のみが起き、他の体位の発達開始はそれより後となり<ref>[http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7831/p28526.html お母さんの基礎知識(思春期・男の子編)(もっと詳しく…)-神奈川県ホームページ]</ref>、男性器の発達開始以降に生じる[[身長]]の伸びのピークを迎えるか[[陰毛]]の発生(陰毛のタナー段階II以降になるのは男性器のタナー段階がIIIになってから約1年後で、約1年後男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)まで思春期に入っているに気づきにくい<ref name="takeda1">[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp01.html 「思春期早発症」とは](武田薬品工業)</ref><ref name="takeda2">[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp02.html 思春期早発症の症状](武田薬品工業)</ref>。
男性器は[[思春期]]に[[第二次性徴]]によってタナー段階で成長する<ref name=大山建司>{{cite journal|和書 |author=大山建司 |year=2004 |title=<総説> 思春期の発現 |url=https://doi.org/10.34429/00003695 |journal=山梨大学看護学会誌 |ISSN=1347-7714 |publisher=山梨大学看護学会 |volume=3 |issue=1 |pages=3-8 |doi=10.34429/00003695}}</ref>。男性器のタナー段階がIIに達した時点で第二次性徴・思春期の起点となり、起点の年齢は平均して11歳6月(前後1年半の個人差)である<ref>[http://tanaka-growth-clinic.com/shishunki/shishunki.html たなか成長クリニック・思春期]</ref>。思春期開始時は男性器の発達のみが起き、他の体位の発達開始はそれより後となり<ref>[http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7831/p28526.html お母さんの基礎知識(思春期・男の子編)(もっと詳しく…)-神奈川県ホームページ]</ref>、男性器の発達開始以降に生じる[[身長]]の伸びのピークを迎えるか[[陰毛]]の発生(陰毛のタナー段階II以降になるのは男性器のタナー段階がIIIになってから約1年後で、約1年後男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)まで思春期に入っていることに気づきにくい<ref name="takeda1">[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp01.html 「思春期早発症」とは](武田薬品工業)</ref><ref name="takeda2">[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp02.html 思春期早発症の症状](武田薬品工業)</ref>。
[[File:Tanner scale-male-matrix.jpg|thumb|発育途上の男性器。ペニスや睾丸の段階と陰毛の段階は一致しないことも多い]]
[[File:Tanner scale-male-matrix.jpg|thumb|発育途上の男性器。ペニスや睾丸の段階と陰毛の段階は一致しないことも多い]]


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BI〜BV (B1〜B5) で表される(B: Breasts(乳房))。
BI〜BV (B1〜B5) で表される(B: Breasts(乳房))。


タナー段階によれば、両性において共通するのがI(幼児型)である(思春期前に、一時的に乳房が乳頭期(II)以降の状態に成長し、数月から3年で幼児型(I)に戻る症状として思春期前乳房隆起がある(どが2歳以下で発症)。Iに戻らなかったり、身長増加速度が異常に高かったり、骨年齢が異常に進むなどの場合は思春期早発症の可能性がある<ref name="妹尾">{{Cite web|和書|editor=妹尾磯範[http://www.chuubu.tottori.med.or.jp/iryoukikan/hospital/008.html] |title=早発乳房 |url=https://archive.is/4ogH5 |publisher=せのお小児科内科医院 |accessdate=2019-10-06 }}</ref>)。その後、女性は第II・III・IVの3課程(第2・3を前後半に分けると5過程)を経て、Vにおいて女性成人型に変化する。女性の思春期は7歳7月 - 11歳11月の間、平均年齢の9.74±1.09歳<ref name="三宅_200602up">{{Cite web|和書|date=2006年2月更新 |title=思春期と乳房 |url=https://web.archive.org/web/20160314000533/http://www.miyake-clinic.gr.jp/sisyunki/sisyunki23.htm |publisher=三宅婦人科内科医院 |accessdate=2015-11-23 }}</ref>に乳房の成長開始(Thelarche・乳頭期)から始まり(乳房の発育異常が見られる場合は年齢を含めてこの限りではい)、初経の1年以上前はIIで、初経前後でIII、初経の1年後以降でIVとなり、IからVへ変化する期間は途中で初潮を挟む約4年間である<ref name="マイナビ_20130625up">{{Cite web|和書|date=2013年6月25日更新 |title=恋をするとバストが大きくなるって、本当? |url=https://web.archive.org/web/20130702165046/http://woman.mynavi.jp/article/130625-031 |website=マイナビウーマン |publisher=株式会社[[マイナビ]] |accessdate=2013-07-02 }}</ref>。初経は多くの女性で10歳-15歳の間{{Sfn|大山|2004|pp=3-8}}に迎えるので、初経から3年以上経ち成人型乳房になるのは13歳(10歳で初経の時)-18歳(15歳で初経の時)以降となる。男性は女性と異なり思春期初来から成長せず、[[腋毛]]・[[髭]]の発生時に、乳輪の面積が若干広くなり、乳頭と共に茶色や黒色に変色し、[[筋肉]]の発達後に乳房が男性成人型へ発達する<ref name="神奈川保福_201110109">{{Cite web|和書|author=[[神奈川県保健福祉局]] 保健医療部 健康増進課 母子保健グループ |date=2011-01-19 |title=お母さんの基礎知識(思春期・男の子編)(もっと詳しく…) |url=https://web.archive.org/web/20130115120410/http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7831/p28526.html |publisher=[[神奈川県]] |website=公式ウェブサイト |accessdate=2013-01-05 }}</ref>(ただし、[[女性化乳房]]の症状が出ている場合は事情が異なる)。稀に、日本人女性の場合、成長期を過ぎても、Ⅴまで行かないまま、タナー段階がⅢ及びⅣで止まってしまうもある。陰毛の無毛症と同じく、放射線治療の被曝による副作用と後遺症や皮下脂肪型肥満や小児の肥満やプラダーウィリー症候群による性腺機能不全の内分泌系等の肥満及び乳房発育不全やターナー症候群等の[[内分泌疾患]]や[[漏斗胸]]等による胸郭疾患や[[脳腫瘍]]及び先天性の[[癲癇]]の障害や[[抗てんかん薬]]の薬の副作用や無理なダイエットや思春期による、友人関係や家庭環境等のトラブルや受験等のストレスでなければ、健康上の心配はない。成人を過ぎた場合、[[美容整形外科]]での乳房形成術[[豊胸]]術等があることや内科的治療としては、[[ホルモン療法]]([[内服薬]])があり、思春期に精神的なストレスを感じている小学5~6年生([[小学生]])や[[中高生]]の[[女児]]に有効的な治療でもある。
タナー段階によれば、両性において共通するのがI(幼児型)である(思春期前に、一時的に乳房が乳頭期(II)以降の状態に成長し、数月から3年で幼児型(I)に戻る症状として思春期前乳房隆起がある(ほとんどが2歳以下で発症)。Iに戻らなかったり、身長増加速度が異常に高かったり、骨年齢が異常に進むなどの場合は思春期早発症の可能性がある<ref name="妹尾">{{Cite web|和書|editor=妹尾磯範[http://www.chuubu.tottori.med.or.jp/iryoukikan/hospital/008.html] |title=早発乳房 |url=https://archive.is/4ogH5 |publisher=せのお小児科内科医院 |accessdate=2019-10-06 }}</ref>)。その後、女性は第II・III・IVの3課程(第2・3を前後半に分けると5過程)を経て、Vにおいて女性成人型に変化する。女性の思春期は7歳7月 - 11歳11月の間、平均年齢の9.74±1.09歳<ref name="三宅_200602up">{{Cite web|和書|date=2006年2月更新 |title=思春期と乳房 |url=https://web.archive.org/web/20160314000533/http://www.miyake-clinic.gr.jp/sisyunki/sisyunki23.htm |publisher=三宅婦人科内科医院 |accessdate=2015-11-23 }}</ref>に乳房の成長開始(Thelarche・乳頭期)から始まり(乳房の発育異常が見られる場合は年齢を含めてこの限りではい)、初経の1年以上前はIIで、初経前後でIII、初経の1年後以降でIVとなり、IからVへ変化する期間は途中で初潮を挟む約4年間である<ref name="マイナビ_20130625up">{{Cite web|和書|date=2013年6月25日更新 |title=恋をするとバストが大きくなるって、本当? |url=https://web.archive.org/web/20130702165046/http://woman.mynavi.jp/article/130625-031 |website=マイナビウーマン |publisher=株式会社[[マイナビ]] |accessdate=2013-07-02 }}</ref>。初経は多くの女性で10歳-15歳の間{{Sfn|大山|2004|pp=3-8}}に迎えるので、初経から3年以上経ち成人型乳房になるのは13歳(10歳で初経の時)-18歳(15歳で初経の時)以降となる。男性は女性と異なり思春期初来から成長せず、[[腋毛]]・[[髭]]の発生時に、乳輪の面積が若干広くなり、乳頭と共に茶色や黒色に変色し、[[筋肉]]の発達後に乳房が男性成人型へ発達する<ref name="神奈川保福_201110109">{{Cite web|和書|author=[[神奈川県保健福祉局]] 保健医療部 健康増進課 母子保健グループ |date=2011-01-19 |title=お母さんの基礎知識(思春期・男の子編)(もっと詳しく…) |url=https://web.archive.org/web/20130115120410/http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7831/p28526.html |publisher=[[神奈川県]] |website=公式ウェブサイト |accessdate=2013-01-05 }}</ref>(ただし、[[女性化乳房]]の症状が出ている場合は事情が異なる)。稀に、日本人女性の場合、成長期を過ぎても、Ⅴまで行かないまま、タナー段階がⅢ及びⅣで止まってしまうこともある。陰毛の無毛症と同じく、放射線治療の被曝による副作用と後遺症や皮下脂肪型肥満や小児の肥満やプラダーウィリー症候群による性腺機能不全の内分泌系等の肥満及び乳房発育不全やターナー症候群等の[[内分泌疾患]]や[[漏斗胸]]等による胸郭疾患や[[脳腫瘍]]及び先天性の[[癲癇]]の障害や[[抗てんかん薬]]の薬の副作用や無理なダイエットや思春期による、友人関係や家庭環境等のトラブルや受験等のストレスでなければ、健康上の心配はない。成人を過ぎた場合、[[美容整形外科]]での乳房形成術[[豊胸]]術等があることや内科的治療としては、[[ホルモン療法]][[内服薬]]があり、思春期に精神的なストレスを感じている小学5-6年生[[小学生]]や[[中高生]]の[[女児]]に有効的な治療でもある。


== 陰毛 ==
== 陰毛 ==
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PHI〜PHV (PH1〜PH5) で表される(PH: Pubic Hair(陰毛))。
PHI〜PHV (PH1〜PH5) で表される(PH: Pubic Hair(陰毛))。


[[第二次性徴]]期における[[副腎皮質ホルモン]]の[[分泌]]に従い[[思春期]]以降、男性は[[陰茎]]の増大([[男性器]]の'''タナー段階'''III)から約1年後、女性は[[乳房]]のタナー段階IIIまたはIV([[月経|初経]]の1年前から3年後の間)に達した頃<ref name=大山建司 />、また第二次性徴における[[身長]]の伸びのピークを迎えた頃から発生する。女性は陰毛の発生より前に生じる[[乳房#乳房の成長|乳房の成長]]開始(乳房のタナー段階IIで、[[ブラジャー#ジュニアブラ|ジュニアブラ]]を着け始めるべき時期)で思春期に入ったに気づきやすいが、男性は男性器の成長開始(男性器のタナー段階II)時点で思春期に入ったに気づきにくく、身長の伸びのピークを迎えるか陰毛が発生(後述する陰毛のタナー段階Ⅱ)した時点で思春期に入ったに気づきやすい<ref>[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp01.html 「思春期早発症」とは](武田薬品工業)</ref><ref>[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp02.html 思春期早発症の症状](武田薬品工業)</ref>。
[[第二次性徴]]期における[[副腎皮質ホルモン]]の[[分泌]]に従い[[思春期]]以降、男性は[[陰茎]]の増大([[男性器]]の'''タナー段階'''III)から約1年後、女性は[[乳房]]のタナー段階IIIまたはIV([[月経|初経]]の1年前から3年後の間)に達した頃<ref name=大山建司 />、また第二次性徴における[[身長]]の伸びのピークを迎えた頃から発生する。女性は陰毛の発生より前に生じる[[乳房#乳房の成長|乳房の成長]]開始(乳房のタナー段階IIで、[[ブラジャー#ジュニアブラ|ジュニアブラ]]を着け始めるべき時期)で思春期に入ったことに気づきやすいが、男性は男性器の成長開始(男性器のタナー段階II)時点で思春期に入ったことに気づきにくく、身長の伸びのピークを迎えるか陰毛が発生(後述する陰毛のタナー段階Ⅱ)した時点で思春期に入ったことに気づきやすい<ref>[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp01.html 「思春期早発症」とは](武田薬品工業)</ref><ref>[https://www.takeda.co.jp/patients/pp/pp02.html 思春期早発症の症状](武田薬品工業)</ref>。
どの男性は男性器の成長のタナー段階IIIから約1年後に発毛する(発毛時、男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)が、女性は乳房の成長のタナー段階V(成人型、初経から3年後以降)になっても発毛が見られないか、かしか発毛しない[[無毛症]](かわらけは俗称)の人がかながら見られる。(成長期を過ぎても、タナー段階Ⅱ及びⅢのままで成長せず、Ⅳ及びⅤに行かないままで終わってしまう場合もある。)無毛症であっても[[ホルモン]]剤によって発毛させるや[[植毛]]も可能ではあるが、皮下脂肪型肥満及び小児の肥満を含む[[肥満]]や[[内分泌学#視床下部|視床下部性肥満]]([[プラダーウィリー症候群]])等の性腺発育不全や[[放射線治療]]の[[被曝]]による[[副作用]]や[[後遺症]]や脳腫瘍や[[先天性]]の癲癇等の障害や抗てんかん薬等の薬の副作用や[[思春期]]による、友人関係や家庭環境等の[[トラブル]][[受験]]等の[[ストレス (生体)|ストレス]]が原因でなければ健康上の心配はない。陰毛が男性は10歳未満、女性は8歳未満に発生すると、性早熟症と診断される<ref name=大山建司 />。
ほとんどの男性は男性器の成長のタナー段階IIIから約1年後に発毛する(発毛時、男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)が、女性は乳房の成長のタナー段階V(成人型、初経から3年後以降)になっても発毛が見られないか、わずかしか発毛しない[[無毛症]](かわらけは俗称)の人がわずかながら見られる成長期を過ぎても、タナー段階Ⅱ及びⅢのままで成長せず、Ⅳ及びⅤに行かないままで終わってしまう場合もある。無毛症であっても[[ホルモン]]剤によって発毛させることや[[植毛]]も可能ではあるが、皮下脂肪型肥満及び小児の肥満を含む[[肥満]]や[[内分泌学#視床下部|視床下部性肥満]]([[プラダーウィリー症候群]])等の性腺発育不全や[[放射線治療]]の[[被曝]]による[[副作用]]や[[後遺症]]や脳腫瘍や[[先天性]]の癲癇等の障害や抗てんかん薬等の薬の副作用や[[思春期]]による、友人関係や家庭環境等のトラブルや受験等の[[ストレス (生体)|ストレス]]が原因でなければ健康上の心配はない。陰毛が男性は10歳未満、女性は8歳未満に発生すると、性早熟症と診断される<ref name=大山建司 />。


== 批判 ==
== 批判 ==

2024年6月12日 (水) 06:22時点における最新版

タナー段階(タナーだんかい、英語: Tanner stage、タナー分類、タナースケール、英語: Tanner scale、タナー法)とは、ヒト幼児期から青年期成人になるまでの成長を、男性器男性)・乳房女性)の発達状況、陰毛(男女)の発生・発達状況など、外部からわかる第一次性徴(男性器・乳房・陰毛)および第二次性徴(男性は男性器・女性は乳房)に基づいた性的発育の物理的測定値をもとに定義した指標。

男性のタナー段階。思春期前は男性器・陰毛共にI。男性器がIIになることで思春期に入るが、陰毛がIIになるのはそれより後となり、以降もタナー段階の進み具合が男性器と陰毛で必ずしも同一になるとは限らない。
女性のタナー段階。思春期前は乳房・陰毛共にI。乳房がIIの前半(乳頭期)になることで思春期に入るが、陰毛がIIになるのはそれより後となり、以降もタナー段階の進み具合が乳房と陰毛で必ずしも同一になるとは限らない。

概要[編集]

この指標は、英国小児科医、ジェームス・タナー英語版によって最初に提唱され[1][2][3]、性科学者らによって確立されていった。

個人差があるため、特に思春期においては、タナー段階の進み具合は人によって異なるほか、一人の人間においてタナー段階の進み具合が男性器・乳房と陰毛で異なる段階にあることもあり、男性器(男性)・乳房(女性)のTannerがIIの時、陰毛はまだTannerがI(発生していない)のままであり、男性器(男性)のTannerがIIIになってから約1年後(約1年後男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)、乳房(女性)のTannerがIIIまたはIVなってから陰毛はTannerがII(発生し始める)となる[4]

HIVの治療においては、成人向け、青年向け、小児向けとある治療計画のうちどの計画を患者に適用するかを決定するために使用される。

男性器[編集]

GI〜GV (G1〜G5) で表される(G: Genitals(生殖器))。

外性器の発達段階を示し、男子にのみ適用される指標である。 男性器は思春期第二次性徴によってタナー段階で成長する[4]。男性器のタナー段階がIIに達した時点で第二次性徴・思春期の起点となり、起点の年齢は平均して11歳6か月(前後1年半の個人差)である[5]。思春期開始時は男性器の発達のみが起き、他の体位の発達開始はそれより後となり[6]、男性器の発達開始以降に生じる身長の伸びのピークを迎えるか陰毛の発生(陰毛のタナー段階II以降になるのは男性器のタナー段階がIIIになってから約1年後で、約1年後男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)まで思春期に入っていることに気づきにくい[7][8]

発育途上の男性器。ペニスや睾丸の段階と陰毛の段階は一致しないことも多い

乳房[編集]

BI〜BV (B1〜B5) で表される(B: Breasts(乳房))。

タナー段階によれば、両性において共通するのがI(幼児型)である(思春期前に、一時的に乳房が乳頭期(II)以降の状態に成長し、数か月から3年で幼児型(I)に戻る症状として思春期前乳房隆起がある(ほとんどが2歳以下で発症)。Iに戻らなかったり、身長増加速度が異常に高かったり、骨年齢が異常に進むなどの場合は思春期早発症の可能性がある[9])。その後、女性は第II・III・IVの3課程(第2・3を前後半に分けると5過程)を経て、Vにおいて女性成人型に変化する。女性の思春期は7歳7か月 - 11歳11か月の間、平均年齢の9.74±1.09歳[10]に乳房の成長開始(Thelarche・乳頭期)から始まり(乳房の発育異常が見られる場合は年齢を含めてこの限りではない)、初経の1年以上前はIIで、初経前後でIII、初経の1年後以降でIVとなり、IからVへ変化する期間は途中で初潮を挟む約4年間である[11]。初経は多くの女性で10歳-15歳の間[12]に迎えるので、初経から3年以上経ち成人型乳房になるのは13歳(10歳で初経の時)-18歳(15歳で初経の時)以降となる。男性は女性と異なり思春期初来から成長せず、腋毛の発生時に、乳輪の面積が若干広くなり、乳頭と共に茶色や黒色に変色し、筋肉の発達後に乳房が男性成人型へ発達する[13](ただし、女性化乳房の症状が出ている場合は事情が異なる)。稀に、日本人女性の場合、成長期を過ぎても、Ⅴまで行かないまま、タナー段階がⅢ及びⅣで止まってしまうこともある。陰毛の無毛症と同じく、放射線治療の被曝による副作用と後遺症や皮下脂肪型肥満や小児の肥満やプラダーウィリー症候群による性腺機能不全の内分泌系等の肥満及び乳房発育不全やターナー症候群等の内分泌疾患漏斗胸等による胸郭疾患や脳腫瘍及び先天性の癲癇の障害や抗てんかん薬の薬の副作用や無理なダイエットや思春期による、友人関係や家庭環境等のトラブルや受験等のストレスでなければ、健康上の心配はない。成人を過ぎた場合、美容整形外科での乳房形成術豊胸術等があることや内科的治療としては、ホルモン療法内服薬)があり、思春期に精神的なストレスを感じている小学5-6年生(小学生)や中高生女児に有効的な治療法でもある。

陰毛[編集]

PHI〜PHV (PH1〜PH5) で表される(PH: Pubic Hair(陰毛))。

第二次性徴期における副腎皮質ホルモン分泌に従い思春期以降、男性は陰茎の増大(男性器タナー段階III)から約1年後、女性は乳房のタナー段階IIIまたはIV(初経の1年前から3年後の間)に達した頃[4]、また第二次性徴における身長の伸びのピークを迎えた頃から発生する。女性は陰毛の発生より前に生じる乳房の成長開始(乳房のタナー段階IIで、ジュニアブラを着け始めるべき時期)で思春期に入ったことに気づきやすいが、男性は男性器の成長開始(男性器のタナー段階II)時点で思春期に入ったことに気づきにくく、身長の伸びのピークを迎えるか陰毛が発生(後述する陰毛のタナー段階Ⅱ)した時点で思春期に入ったことに気づきやすい[14][15]。 ほとんどの男性は男性器の成長のタナー段階IIIから約1年後に発毛する(発毛時、男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)が、女性は乳房の成長のタナー段階V(成人型、初経から3年後以降)になっても発毛が見られないか、わずかしか発毛しない無毛症(かわらけは俗称)の人がわずかながら見られる(成長期を過ぎても、タナー段階Ⅱ及びⅢのままで成長せず、Ⅳ及びⅤに行かないままで終わってしまう場合もある)。無毛症であってもホルモン剤によって発毛させることや植毛も可能ではあるが、皮下脂肪型肥満及び小児の肥満を含む肥満視床下部性肥満プラダーウィリー症候群)等の性腺発育不全や放射線治療被曝による副作用後遺症や脳腫瘍や先天性の癲癇等の障害や抗てんかん薬等の薬の副作用や思春期による、友人関係や家庭環境等のトラブルや受験等のストレスが原因でなければ健康上の心配はない。陰毛が男性は10歳未満、女性は8歳未満に発生すると、性早熟症と診断される[4]

批判[編集]

ポルノ女優ルーペ・フエンテス未成年で出演したと主張する根拠として米国連邦当局がタナー段階を使用するなど、児童ポルノに関する誤った判決につながる可能性があるとして、ポルノ業界からの批判を受けている。 フエンテスは裁判に出席し、問題のDVDが合法的に制作されたものであることを示す文書を提出した[16][17]。タナー段階を開発した人々は、タナー段階を用いた年齢の推定は無効であると述べている。タナー段階は実年齢ではなく成熟の段階を示すものであるため、この方法で人の年齢を推定するには適していない[18]

脚注[編集]

  1. ^ Tanner's stages - Who Named It?
  2. ^ “Variations in the pattern of pubertal changes in boys”. Arch. Dis. Child. 45 (239): 13–23. (February 1970). doi:10.1136/adc.45.239.13. PMC 2020414. PMID 5440182. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2020414/. 
  3. ^ “Variations in pattern of pubertal changes in girls”. Arch. Dis. Child. 44 (235): 291–303. (June 1969). doi:10.1136/adc.44.235.291. PMC 2020314. PMID 5785179. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2020314/. 
  4. ^ a b c d 大山建司「<総説> 思春期の発現」『山梨大学看護学会誌』第3巻第1号、山梨大学看護学会、2004年、3-8頁、doi:10.34429/00003695ISSN 1347-7714 
  5. ^ たなか成長クリニック・思春期
  6. ^ お母さんの基礎知識(思春期・男の子編)(もっと詳しく…)-神奈川県ホームページ
  7. ^ 「思春期早発症」とは(武田薬品工業)
  8. ^ 思春期早発症の症状(武田薬品工業)
  9. ^ 妹尾磯範[1]: “早発乳房”. せのお小児科内科医院. 2019年10月6日閲覧。
  10. ^ 思春期と乳房”. 三宅婦人科内科医院 (2006年2月更新). 2015年11月23日閲覧。
  11. ^ 恋をするとバストが大きくなるって、本当?”. マイナビウーマン. 株式会社マイナビ (2013年6月25日更新). 2013年7月2日閲覧。
  12. ^ 大山 2004, pp. 3–8.
  13. ^ 神奈川県保健福祉局 保健医療部 健康増進課 母子保健グループ (2011年1月19日). “お母さんの基礎知識(思春期・男の子編)(もっと詳しく…)”. 公式ウェブサイト. 神奈川県. 2013年1月5日閲覧。
  14. ^ 「思春期早発症」とは(武田薬品工業)
  15. ^ 思春期早発症の症状(武田薬品工業)
  16. ^ “Lupe Fuentes Saves Man From Bogus ‘Child Porn’ Charge”. AVN. (2010年4月16日). http://business.avn.com/articles/Lupe-Fuentes-Saves-Man-From-Bogus-Child-Porn-Charge-394003.html 
  17. ^ Adult Film Star Verifies Her Age, Saves Fan From 20 Years In Prison”. Radar Online (2010年4月21日). 2018年3月29日閲覧。
  18. ^ Rosenbloom, AL; Tanner, JM (December 1998). “Misuse of Tanner puberty stages to estimate chronologic age.”. Pediatrics 102 (6): 1494. doi:10.1542/peds.102.6.1494. PMID 9882230. 

参考文献[編集]


関連項目[編集]

外部リンク[編集]