M27 IAR
M27 IAR | |
---|---|
製造国 | アメリカ合衆国 |
仕様 | |
種別 | 分隊支援火器 |
口径 | 5.56mm |
使用弾薬 | 5.56x45mm NATO弾 |
装弾数 |
30発(STANAG マガジン) 100発(ベータC-マグ) |
作動方式 |
ガス圧作動方式 ロテイティングボルト方式 |
全長 | 94-84cm(ストック伸縮で変動) |
重量 | 3.6kg |
発射速度 | 560-640rpm |
歴史 | |
配備期間 | 2010年-現在 |
配備先 | アメリカ海兵隊 |
M27 IAR(M27 Infantry Automatic Rifle)は、アメリカ海兵隊が採用した分隊支援火器である。
アメリカ海兵隊は、歩兵大隊および軽装甲偵察大隊向けに6,500丁のM27 IARを購入し、M249軽機関銃と部分的に置き換える計画である。ただしM27 IARでM249を完全に代替するのではなく、約8,000-10,000丁のM249は継続使用する予定である。M27とM249の運用については中隊長クラスの裁量で決められる。
なおアメリカ陸軍は、M27 IARを採用する計画はない。
概要
アメリカ陸軍がM249分隊支援火器(国産化されたミニミ軽機関銃)を制式採用して以降、先進各国の軍隊でもミニミ軽機関銃の配備が進められた。しかし湾岸戦争において致命的な火力不足が国防総省へと伝えられ、古参のM60機関銃代替用にテストしていたM240機関銃(国産化されたFN MAG機関銃)を急遽追加装備する事になった。
ところが対テロ戦争に駆り出された事で、任務の大半を占めた市街地戦や山岳戦では重量増が嫌われ、プラスチック製弾薬箱よりも布製の弾薬ポーチが多用され一戦闘辺りの弾薬使用量が減った事や、遠くからでも識別しやすい機関銃手が集中攻撃されたりした戦訓から、専用の給弾・発射機構を持ち、大型で重い「高威力で弾をばら蒔ける軽機関銃」より、小銃手と見分けがつかず射撃精度の高い「分隊誰もが使える「小銃型」支援火器」を切望する声が上がり、より取り回しが楽な「IAR」(歩兵自動火器)を急遽開発する必要が生じた結果生まれたのが本火器である。
特徴
IAR計画は2005年に始まり、翌年2006年からコルト社、LWRC社、FN社、H&K社などが参加した選定が行われた。選定の結果、2009年12月にH&K社の案(H&K HK416の派生型)が採用され、2010年の夏にM27の名称が付与された。2011年からはアフガニスタンに展開する部隊に配備が開始され、現地でのテストが行われている。
M4クローンであるHK416から派生したM27 IARは、M249よりも圧倒的に軽量でオートマチックライフルマン(分隊支援火器の運用を行う兵士)の機動力向上が期待されるほか、射撃精度で優れている。
欠点として、M249で採用されているベルトリンク給弾方式ではなくSTANAG マガジンで給弾を行う方式を採用しており、装弾数が少ないために連続した制圧射撃には不向きである。また、M249は連続射撃によって過熱劣化した銃身を簡単に交換できるが、M27は前線で簡単に銃身を交換できるよう設計されていない。装弾数については、ベータカンパニー社製「C-Mag」やシュアファイア製「MAG5-60」・「MAG5-100」などの大容量弾倉を使用することにより改善可能である。