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「Research Unix」の版間の差分

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'''Research Unix'''は、[[ベル研究所]](の、Computer Science Research Center)によって開発された[[UNIX|Unix]]のことで、特にUnixの起である初期バージョンとその直系にあたるシリーズを指す。後の時代においては、商用化された[[UNIX System V|System V]]とは別に、研究所においてトンプソンら当初の開発者らによって実験的な機能が実装されたバージョン8等のUnixを指して使われた。[[Plan 9 from Bell Labs|Plan 9]]はその後継にあたる。
'''Research Unix'''は、[[ベル研究所]](の、Computer Science Research Center)によって開発された[[UNIX|Unix]][[オペレーティングシステム]] (OS) のことで、特にUnixの起である初期バージョンとその直系にあたるシリーズを指す。後の時代においては、商用化された[[UNIX System V|System V]]とは別に、研究所においてトンプソンら当初の開発者らによって実験的な機能が実装されたバージョン8等のUnixを指して使われた。[[Plan 9 from Bell Labs|Plan 9]]はその後継にあたる。


== 概要 ==
== 概要 ==
Research Unix という用語は Version 8 Unix まであまり使われなかったが、その後遡って適用されるようになった。V8 以前、この系統は単に UNIX UNIX Time-Sharing System と呼ばれていた。
Research Unixという用語はVersion 8 Unixまであまり使われなかったが、その後遡って適用されるようになった。V8以前、この系統は単にUNIXかUNIX Time-Sharing Systemと呼ばれていた。


初期のバージョンと後の方のいくつかのバージョンはベル研究所以外にリリースされることがなかった。また、コード系統が単純ではないため、Research Unix のバージョンは対応する[[Manページ|マニュアル]]の版によって識別される。従って、最初の Research Unix First Edition であり、最後は Tenth Edition である。他の呼び方としては Version ''x'' (または V''x'')もある(''x''はマニュアルの版数)。
初期のバージョンと後の方のいくつかのバージョンはベル研究所以外にリリースされることがなかった。また、コード系統が単純ではないため、Research Unix のバージョンは対応する[[Manページ|マニュアル]]の版によって識別される。従って、最初のResearch UnixはFirst Editionであり、最後はTenth Editionである。他の呼び方としてはVersion ''x''または V''x''もある(''x''はマニュアルの版数)。


=== Research Unix のバージョン履歴 ===
=== Research Unix のバージョン履歴 ===
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|  [[UNIX/32V|32V]] || 1979年 || [[VAX]]ハードウェア用の最初のUNIX。
|  [[UNIX/32V|32V]] || 1979年 || [[VAX]]ハードウェア用の最初のUNIX。
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| V8 || [[1985年]] || [[BSD|4.1cBSD]]を改造したもの。[[ソケット (BSD)|socket]]は[[STREAMS]]で置き換えられ、[[procfs]]などが新たな機能として追加された。内部で使用。
| V8 || [[1985年]] || [[Berkeley Software Distribution|4.1cBSD]]を改造したもの。[[ソケット (BSD)|socket]]は[[STREAMS]]で置き換えられ、[[procfs]]などが新たな機能として追加された。内部で使用。
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| V9 || [[1986年]] || 4.3BSD のコードを導入。V8のSTREAMSを強化。内部で使用。
| V9 || [[1986年]] || 4.3BSD のコードを導入。V8のSTREAMSを強化。内部で使用。
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| {{Anchor|V10}} || [[1989年]] || 最後の Research Unix。[[roff|troff]]用グラフィックス[[組版]]ツール、[[C言語]][[インタプリタ]]、後の Plan 9 に導入されたいくつかのツールが導入されている。
| {{Anchors|V10}}V10 || [[1989年]] || 最後の Research Unix。[[roff|troff]]用グラフィックス[[組版]]ツール、[[C言語]][[インタプリタ]]、後の Plan 9 に導入されたいくつかのツールが導入されている。
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| [[Plan 9 from Bell Labs|Plan 9]] First Edition || [[1993年]] || Research Unix の開発チームが手がけた新たなOS(ユーティリティの多くが V10 と共通)
| [[Plan 9 from Bell Labs|Plan 9]] First Edition || [[1993年]] || Research Unixの開発チームが手がけた新たなOS(ユーティリティの多くがV10と共通
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他の様々なUNIX([[BSD]]や[[UNIX System V|System V]])は Research Unix から派生したものである。
他の様々なUNIX([[Berkeley Software Distribution|BSD]]や[[UNIX System V|System V]]は Research Unix から派生したものである。


{{Unix-like}}
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2023年4月12日 (水) 10:39時点における最新版

Research Unixは、ベル研究所(の、Computer Science Research Center)によって開発されたUnixオペレーティングシステム (OS) のことで、特にUnixの起源である初期バージョンとその直系にあたるシリーズを指す。後の時代においては、商用化されたSystem Vとは別に、研究所においてトンプソンら当初の開発者らによって実験的な機能が実装されたバージョン8等のUnixを指して使われた。Plan 9はその後継にあたる。

概要

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Research Unixという用語はVersion 8 Unixまであまり使われなかったが、その後遡って適用されるようになった。V8以前、この系統は単にUNIXかUNIX Time-Sharing Systemと呼ばれていた。

初期のバージョンと後の方のいくつかのバージョンはベル研究所以外にリリースされることがなかった。また、コード系統が単純ではないため、Research Unix のバージョンは対応するマニュアルの版によって識別される。従って、最初のResearch UnixはFirst Editionであり、最後はTenth Editionである。他の呼び方としてはVersion x(または Vx)もある(xはマニュアルの版数)。

Research Unix のバージョン履歴

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Research Unix のバージョン履歴
マニュアルエディション リリース 特徴
V1 1971年 最初のUNIX、内部で使用された。
V2 1972年6月 マニュアルの序文によると、当時のインストール総数は10台。
V3 1973年2月 C言語pipe(2)が導入された。当時のインストール総数は16台。
V4 1973年11月 C言語で書かれた最初のUNIX。
V5 1974年6月 スティッキービット導入。
V6 1975年 ベル研究所外に広くリリースされた最初のUNIX、PDPシリーズ以外に移植された最初のUNIX。
 MINI-UNIX 1977年5月 ローエンドの PDP-11/10向けの簡易版 V6
V7 1979年 多くのUNIXシステムの祖先となったバージョン。外部に広くリリースされた最後のResearch Unix。
32V 1979年 VAXハードウェア用の最初のUNIX。
V8 1985年 4.1cBSDを改造したもの。socketSTREAMSで置き換えられ、procfsなどが新たな機能として追加された。内部で使用。
V9 1986年 4.3BSD のコードを導入。V8のSTREAMSを強化。内部で使用。
V10 1989年 最後の Research Unix。troff用グラフィックス組版ツール、C言語インタプリタ、後の Plan 9 に導入されたいくつかのツールが導入されている。
Plan 9 First Edition 1993年 Research Unixの開発チームが手がけた新たなOS(ユーティリティの多くがV10と共通)。

他の様々なUNIX(BSDSystem V)は Research Unix から派生したものである。