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正定寺 (古河市大手町)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
正定寺

本堂(2012年7月)
所在地 茨城県古河市大手町7-1
位置 北緯36度11分47.27秒 東経139度42分0.36秒 / 北緯36.1964639度 東経139.7001000度 / 36.1964639; 139.7001000
山号 証誠山
利勝山
院号 宝地院
宗派 浄土宗
本尊 阿弥陀如来
創建年 寛永10年(1633年
開山 玄哲
開基 土井利勝
正式名 証誠山 宝地院 正定寺
文化財 旧土井家江戸屋敷表門(正定寺黒門)(市指定・建造物)他
法人番号 9050005005667 ウィキデータを編集
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正定寺(しょうじょうじ)は、茨城県古河市大手町(東片町)にある浄土宗の寺院。正式には、山号を証誠山、院号を宝地院、寺号を正定寺という[1]。山号は別名「利勝山」とも呼ばれる。

歴史

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江戸時代寛永10年(1633年)、幕府大老を務めた古河城主・土井利勝が開基、当誉玄哲(とうよ げんてつ)が開山にあたり、土井家歴代の菩提寺となった[1]。古河城観音寺曲輪の堀を挟んだ北側に隣接し、追手門に近い武家地に立地していた。

古河志』に引用されている当寺の略縁起によれば、開山にあたった玄哲は江戸東京)の増上寺十三世・廓山上人の弟子で、大和国奈良県)出身。古河市下大野にある同名の「正定寺」41世だったが、利勝の招きに応じて城下にこの寺を開山。両寺ともに土井家の菩提寺として保護された[2][3][4]

土井家墓所は東京・浅草の誓願寺にあったが、関東大震災の復興工事に伴って立ち退きが必要となり、昭和2年(1927年)、正定寺に移転・改葬。平成2年(1990年)には、増上寺内の安蓮社にあった利勝の墓碑も移されている[5][6]

境内

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境内面積は3,700平方メートル。本堂は2回焼失しており、現在の本堂は1832年(天保3年)4月21日、11代古河城主である土井利位によって再興された[4]。本堂の他に、赤門・黒門・鐘楼堂の他、春日局徳川家光より拝領し、堀田正俊が譲り受けたと伝わる開運弁女天などを収めた弁天堂、稲荷堂、芭蕉塚、徳川家綱の生母・お楽の方の墓もある[1][7]。赤門は、8代土井利里が1775年(安永4年)に建立[4]。黒門は、東京の土井邸から1933年(昭和8年)に移築されたものである。

本尊の阿弥陀如来像が安置されるほか、観音菩薩像・勢至菩薩像・善導大師像・法然上人像がある[4]

文化財

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  • 旧土井家江戸屋敷表門(黒門):東京・本郷にあった旧古河藩主土井家の下屋敷表門が、昭和8年(1933年)に移築・寄進された。上層武士の家の門として用いられることの多い薬医門構造。高さ470cm、幅621cm、瓦葺。古河市指定文化財(建造物)[8][9]
  • 土井家墓所: 前述。古河市指定文化財(史跡)[5]
  • 絹本着色土井利勝肖像画:古河城主土井利勝晩年の衣冠束帯姿が描かれている。一幅 縦80cm、横37cm。1964年(昭和39年)茨城県指定文化財(絵画)[10]
  • 絹本着色土井利益夫妻肖像画:土井家第五代城主利益夫妻の肖像画。第六代利実が父母の追善供養のため描かせた。一双 縦90cm、横37cm。古河市指定文化財(絵画)[11]
  • 土井家遺品: 以下23点が古河市指定文化財(歴史資料)となっている。荷物札、中啓 (ちゅうけい)、烏帽子(えぼし)、猿毛槍、三叉槍鞘、日の丸軍扇、豹毛長刀鞘、熊毛長刀鞘、杉の花差、利位筆扇子、利位短冊、土井家系譜、沓、土井利位雪華図説版木印影、綾藺笠(あやいがさ)、房川船橋虎綱、本行作長刀、明珍作利勝使用海老胴具足、水主者(かこもの)板絵図、利勝書蹟、利位書蹟、利勝書蹟、三間三尺猿毛槍鞘箱[12]

古河七福神めぐり(弁財天)

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境内には弁天堂があり、毎年1月に開催される「7000歩で歩ける 古河七福神めぐり」コースの一部になっている。

交通

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脚注

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  1. ^ a b c 『古河市史 民俗編』 古河市、1983年、822頁(正定寺)
  2. ^ 『古河志』・「正定寺」(『古河市史 資料 別巻』267-270頁)
  3. ^ 『総和町史 通史編 原始・古代・中世』 525-532頁(大野正定寺・内山俊身 執筆)
  4. ^ a b c d 今瀬文也『茨城県大百科事典』 1981, p. 536.
  5. ^ a b 古河市公式ホームページ 観光情報 正定寺
  6. ^ 『古河市の文化財』 古河市、72頁、1993年
  7. ^ 古河市観光協会オフィシャルサイトこがナビ・正定寺
  8. ^ 古河市公式ホームページ 【市指定文化財】旧土井家江戸屋敷表門(正定寺黒門)
  9. ^ 『古河市の文化財』 古河市、12頁、1993年
  10. ^ 『古河市の文化財』 古河市、5頁、1993年
  11. ^ 『古河市の文化財』 古河市、16頁、1993年
  12. ^ 『古河市の文化財』 古河市、56頁、1993年

参考文献

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  • 古河市史編さん委員会 編 『古河市史 資料 別巻』 古河市、昭和48年(1973年)
  • 古河市史編さん委員会 編 『古河市史 民俗編』 古河市、1983年
  • 古河市文化財保護審議会 編 『古河市の文化財』 古河市、1993年
  • 総和町史編さん委員会 編 『総和町史 通史編 原始・古代・中世』 総和町、平成17年(2005年)
  • 今瀬文也『茨城県大百科事典』茨城新聞社、1981年、536頁。