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M92 (天体)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
M92
Messier 92
球状星団 M92
球状星団 M92
仮符号・別名 NGC 6341[1]
星座 ヘルクレス座
見かけの等級 (mv) 6.52[1]
視直径 14.0'[2]
分類 球状星団[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  17h 17m 07.39s[1]
赤緯 (Dec, δ) +43° 08′ 09.4″[1]
赤方偏移 -0.000389[1]
視線速度 (Rv) -116.5 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -6.61 ミリ秒/年[1]
赤緯: -2.12 ミリ秒/年[1]
距離 26,700 光年[2](約8.19kpc)
発見
発見日 1777年12月27日[3]
発見者 ヨハン・ボーデ[2]
発見方法 望遠鏡による観測
物理的性質
直径 109 光年[2]
他のカタログでの名称
Mel 168
Template (ノート 解説) ■Project

座標: 星図 17h 17m 07s, +43° 08′ 09″

M92(NGC 6341)は、ヘルクレス座にある球状星団である。

概要

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同じヘルクレス座の球状星団であるM13よりは大きくはないが、明るく密集した球状星団である。歳差運動によって、紀元16000年頃に天の北極に1°まで近づく[2]

双眼鏡でまるい星雲状に見え、中心部は明るい。周囲の微星は口径8cmの望遠鏡では不足気味で、口径10cmの望遠鏡の高倍率で見え始める。

観測史

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1777年ヨハン・ボーデによって発見された。ボーデは「ややまるく、青色光によって囲まれている」としている[3]1781年シャルル・メシエは「はっきりし、きれい。非常に明るい。1フィートの望遠鏡で楽に見える。星は含まない。中心部は明るく、大きな彗星の核に似ている。大きさ、明るさはM13にかなり似ている。径5'」とした[3]ジョン・ハーシェルは「球状星団で微星に分かれる」とした[3]。スミスは「微星の集まる球状星団。大きく明るい。中心部は輝く。よい視相では外形は不規則。端のほうは流れている」とした[3]

マラスは中心部の星を口径10cmの望遠鏡の倍率214倍で見えたと報告した。通常はざらざらとした感じで見ることができる。口径20cmの高倍率で個々の星に分かれ、ややゆがんだ姿もわかるという。ただ気象条件に左右されやすく、ロス卿でさえ全部を星に分けて見ていない。ジョーンズは口径20cmの望遠鏡で全ての星を分離したと言い、やや東の方が平らで南北方向が僅かに長くなっているとしている。通常は口径30cmの望遠鏡で全ての星を分離できる。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M92. 2016年3月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2007年9月2日). “Messier Object 92”. SEDS. 2016年3月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年2月20日). “Messier 92 - Observations and Descriptions”. SEDS. 2016年3月2日閲覧。

関連項目

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参考文献

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  • 中野繁『星雲星団の観測』恒星社厚生閣、1978年。ISBN 978-4769900559 
  • 浅田英夫『星雲星団ウォッチング』地人書館、1996年2月。ISBN 978-4805205013 
  • 渡部潤一『メシエ天体のすべて - 夜空に光るM1からM110まで』ニュートンプレスニュートン別冊〉、2007年1月。ISBN 978-4315517910