Netflixは前四半期から会員数20万人が減少したと報告 アカウント共有の取り締まりを開始する方針

一時的に加入者減が予想されるものの、年の後半には再び増加傾向の見通し

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コロナ禍で実施されたロックダウンで大規模な成長を遂げたNetflixは、現在、成長の余地がなくなってきていることを認めざるを得なくなっており、加入者数を増加させるために、アカウント共有の取り締まりに頼る必要があるようだ。

Netflixは、加入者数が前四半期から合計で20万減少したと報告しているが、この合計には背景がある。隣国ウクライナへの攻撃によりロシアでのサービスを停止したため、厳密には70万という途方もない数の加入者を失った。しかし、この期間中にNetflixは他のエリアで50万の加入者を獲得し、事実上の損失は20万人に留まっている。

ロシアを除外して50万の加入者が増加したといっても、当初にNetflixが予想していた250万人の増加には遠く及ばず、大幅な減少であることに変わりはない。

Netflixがロシアから撤退していなくても、すぐに状況は改善されないようだ。現在、Netflixは2021年の同時期に150万の加入者を獲得したのに対し、今年の四半期は200万の大幅減を予想している。配信サービスにとって第2四半期は低調な時期になり得るが、通常はそこまで低調ではない。

Netflixは第1四半期の業績報告に添付した投資家向けレターで、サービスとしてNetflixの人気が続いているにもかかわらず、同社の収益の伸びが「かなり鈍化した」ことを認めている。避けられないことではあるが、HuluやYouTube、Amazon Prime Video、Disney+といった配信サービス間の競争が激化したことに加え、Netflixが考える大きな問題は、複数世帯間でのアカウント共有の普及だと記されている。

その報告では、「しかし当社の世帯普及率は──アカウントを共有している多くの世帯を含めても比較的高い水準にあり、競合と相まって収益成長の逆風を生み出している。新型コロナウイルスがストリーミングを大きく後押ししたことで、最近までその状況が見えにくくなっていた。サービスの改善や、複数世帯によるアカウント共有の効果的な収益化など収益成長の再加速に取り組む一方で、営業利益率を20%程度に維持する予定だ」 とある。

要するに、Netflixが以前のような指数関数的な成長を続けるには、すでにあまりにも多くの人がサービスを利用しているため、そのレベルの成長に戻るにはパスワード共有について何か手を打ち、友人や家族のアカウントを無料で使用する人たちから加入費を得る必要があるのだ。Netflixは2億2200万の契約者数に加え、有料会員とパスワードを共有しているユーザーが1億人いると推定している。

さらに報告では、「昨年上旬からアカウント共有者を収益化するためのさまざまなアプローチを試し、3月にはラテンアメリカの市場3つで、現会員が追加世帯の支払いを選択できる2つの新しい有料シェアリング機能を導入した。アカウント共有の状態はよく利用する会員からから時々しか視聴しない会員まで幅が広いため、早急にはすべてを収益化できるわけではない。だが、短中期的には大きなチャンスだと考えている」 と続いている。

全体としてNetflixの収益は前年比で10%増加している。同社は来期も前年比で10%の増収を見込んでおり、現時点では成長を軌道に乗せるために、複数世帯のアカウント共有というビジネスモデルを再考しながら、事業を安定させることに尽力しているようだ。

その後、本日の決算説明会においてNetflixでCFO(最高財務責任者)を務めるスペンス・ニューマンが、来期は200万人の加入者減が予想されるものの、年の後半には加入者増の再開が期待されると投資家を安心させる発言をした。

ニューマンは、「第2四半期に200万人の有料会員数が減少したことにより、今後も有料会員数の減少が続くとの予測はないと明確にしておきたい。年末までに収益の伸びが再び加速するとは考えていませんが、収益も有料会員数も伸びるでしょう。Ted Talks(講習ビデオ)では、下半期に入るにつれて見込みが強くなり、さらに大幅な値上げから離れ、より季節的に強力な時期に入るという話がありました。通年の見通しは出していませんが、通年について考える際には、このことを理解しておいてほしいと思います」と述べていた。

その前にニューマンは、少なくとも加入者減少の一部はロシアでのサービス停止だけでなく、EMEAA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)の他の地域、特に中・東欧諸国におけるいくつかの“波及効果”の影響だと指摘していた。

その説明会でNetflixは、第1四半期決算で明らかになったいくつかの点について補足説明を行なっている。会議の冒頭で共同CEOのリード・ヘイスティングスはアカウント共有による収益化について、Netflixは以前からアカウント共有を認識していたものの、これまでに加入者と収益の伸びが非常に大きかったため取り組む準備が整っていなかったと認めていた。しかし、今は買収と成長の減少に伴い、Netflixはその時が来たと感じていると述べていたとのこと。

今のところ、その取り締まり方についてNetflixは完全な詳細を明かしていないが、COO(最高執行責任者)のグレッグ・ピーターズは、Netflixが“1年ほどの反復”を経てグローバルに変更を展開することを示唆している。

ニューマンは、その結果として世帯外との共有アカウントは、Netflixの収益報告において個別の加入者としてカウントされなくなるとし、将来的には契約者数よりも、収益の伸びや視聴率に焦点を当てることになるだろうと述べていた。

※本記事はIGNの英語記事にもとづいて作成されています。

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