#人事 #転職 #志望動機
人事への転職を希望しているものの、志望動機をどのように書けばよいのかわからないと悩んでいる方もいるかもしれません。志望動機は転職の成否を左右する重要な部分なので、よく考えることが大切です。本記事では、人事への転職を成功させるための志望動機の書き方を解説します。
目次
人事に求められる能力・スキル
人事への転職を検討している場合、実務でどのようなスキルが求められるのかを把握しておく必要があります。人事に求められるのは、主にスケジュール管理能力やコミュニケーション能力、経営・人事戦略のスキル、法令の知識です。
スケジュール管理能力
人事の実務は、年単位でスケジュールを組んで動くケースが多くあります。たとえば、新卒の採用活動なら夏ごろから準備をはじめ、インターンシップの募集や採用方法の検討、準備、新卒学生へのアプローチ、説明会の開催、書類選考と、スケジュールに沿って進められます。
人事の仕事は採用活動だけではありません。人材の育成や評価、評価制度の構築や見直しなど多岐にわたります。こうした業務の品質を維持したまま、複数のタスクを同時進行で計画通りに進めていくには適切なスケジュール管理が欠かせません。また、組み立てたスケジュールを滞りなく実行できるタスク処理能力も求められます。
コミュニケーション能力
実務で社内外のさまざまな方と関わりを持つため、コミュニケーション能力も必要です。従業員はもちろん、求人へ応募してきた方、高校や大学など教育機関の関係者、弁護士や社労士などの外部専門家など、さまざまな方と連携しつつ業務を進める必要があります。そのため、伝えたいことをわかりやすく伝えられ、スムーズに意思疎通する能力が求められます。
物事を相手にわかりやすく伝えるには、論理的な思考力や言語化能力も必要です。コミュニケーション能力が低いと感じている方は、日ごろから論理的に物事を考えることを習慣づけることからはじめてみましょう。
経営・人事戦略のスキル
経営と人事は切っても切り離せない関係性です。人事は、企業の経営戦略に則り、目標達成に必要な人材を採用、育成しなくてはなりません。そのためには、経営戦略を正しく把握し、経営目標を達成するのにどのような人事戦略を遂行すべきかを考える力が必要です。
たとえば、これまでのマーケティングを見直し、Webマーケティングを中心とした経営戦略を検討しているとしましょう。このケースでは、Webマーケティングに精通した人材の確保や、既存従業員を育成するための研修実施などの施策が求められます。社内で育成するのなら、どのような研修が適切なのか、育成期間はどの程度を見込めばよいのかなども考える必要があります。
法令の知識
人事の実務では、法令が関わってくるシーンが多々あります。雇用関連なら、男女雇用機会均等法や職業安定法、労働施策総合推進法、労働関連では労働三法や労働安全衛生法などの法律が関わってくるため、これらの知識が必要です。
人材育成や労務管理でも法知識が求められるシーンはあり、「知らなかった」では済まないこともあります。現代は企業に向けられる社会の目がますます厳しくなり、コンプライアンスの強化にも取り組まなくてはなりません。そのためには、法令に関する知識が不可欠です。
企業によっては、顧問弁護士と契約しているケースもあります。ただ、業務のたびに顧問弁護士へ相談するとなると、余計な時間が発生し業務がスムーズに進みません。顧問弁護士など外部の専門家がいる場合でも、最低限の法知識は身につけておく必要があります。
人事への転職で志望動機を書く際のポイント
人事への転職に限らず、志望動機は転職の成否を左右する重要なコンテンツです。志望動機を作成する際には、求められている人物像を確認し、なぜその企業を選んだのか、どのような貢献ができるのかなども盛り込みましょう。
応募先企業が求める人物像を確認する
応募先企業がどのような人材を求めているのかを把握できていないと、採用担当の方に響く志望動機を作成できません。企業が求める人物像を把握し、自分が条件に合致する人物であると志望動機でアピールすることが大切です。
コーポレートサイトの採用ページや求人票などには、企業が求める人物像を記載しているケースがあります。まずはコーポレートサイトの採用ページや求人票を隅々まで目を通してみましょう。企業が求める人物像と完全に合致しなくても、共通点を見つけ、志望動機へ反映させることが大切です。
応募先企業の人事に興味を持った理由を入れる
「人事の仕事に興味がある」といった理由では、「それならうちの会社でなくてもいいのでは」と思われてしまいます。そのため、なぜその会社で働きたいのかを明確にして盛り込まなくてはなりません。
たとえば、「企業の新たな分野○○に挑戦するチャレンジ精神に惹かれて、この会社の人事として同じような志を持つ方をサポートしたいと感じた」のように応募先の企業理念に対してどのように感銘を受け、理念に沿ってどのように自身が実践していくのかなどを入れます。
また、説得力のある志望動機を作成するには、企業研究が欠かせません。そのため、志望動機の作成をはじめる前に、必ず企業研究に取り組みましょう。WebサイトやSNS、経営者が執筆した著書など幅広い情報源から情報を収集し、企業への理解を深めることで、説得力のある志望動機を作成できます。
伝わりやすい志望動機にするために、できる限り要点をまとめ、冗長になりすぎないよう配慮しましょう。志望動機を書くスペースも限られているため、簡潔にわかりやすくまとめることが大切です。
応募先企業で発揮できるスキルや経験をアピールする
企業は、この人材を採用することで自社にどのようなメリットがあるのか、組織へどう貢献できるのかを知りたいと考えています。そのため、志望動機を作成する際には、スキルの棚卸しを通じて自分のスキルを客観的に洗い出し、その中で人事の実務で生かせるスキルを志望動機に盛り込みます。
人事の経験がなくても、スキル次第では有効なアピールが可能です。たとえば、長く営業職に従事していたため多様な人とやり取りしてきた経験があるケースでは、人事に必須のコミュニケーションスキルをアピールできます。
数値化できる実績があれば、具体的に示しましょう。具体的な数値を示すことで、より説得力の高い志望動機を作成できます。
入社後のキャリアプランを具体的に提示する
入社後のキャリアプランを提示することで、入社に意欲的な人材であるとアピールできます。具体的なキャリアパスまで描くことで、長く働くつもりがある、意欲が高いと判断され、採用へ有利に働く可能性があります。
キャリアプランを書くときは、自分のスキルをどう生かすかを軸にしてみましょう。人事の経験があるのなら、「過去の経験を生かして採用から育成まで人事の実務全般に携われるようになりたい」などが考えられます。人事未経験でも「人材の教育に携わった経験があるため入社後は積極的に人材育成に携わりたい」のようなアピールができます。
人事への転職での志望動機の例文
人事経験がある方と未経験の方、2つのパターンで志望動機の例文を紹介します。
未経験から人事に転職する場合の志望動機の例文
未経験の方は、過去の経験やスキルなどを丁寧に棚卸ししたうえで、それらを人事の実務へどう生かせるのかを志望動機のなかでアピールする必要があります。また、将来のキャリアビジョンも明確に示しておくと、意欲の高い人材であると判断してもらえる可能性が高まります。
<例文>
「私は現在、営業職として企業の人材採用の課題を解決するための採用システムツールを販売しております。企業の課題を伺ううちに、それを解決するツールの提案だけでなく、実際に人事として人材の採用に携わり課題解決に取り組みたいと考えるようになりました。貴社は、常に新しい採用プロセスを取り入れていらっしゃるため、興味を持ちました。
これまで、営業の実務でさまざまな方とやり取りする機会があり、日常的にコミュニケーション能力が鍛えられました。ツールの提案だけでなく、企業から相談された採用に関する課題について一緒に向き合ってきました。また、新人の教育にも携わったことがあります。これらの能力は必ず人事の実務で生かせると考えています。
入社後は、営業での経験やスキルを生かし、人材採用や育成方面で力を発揮したいと考えています。コミュニケーション能力には自信があるので、貴社に利益をもたらす人材を見極め、採用し、貴社に貢献したいです。」
人事経験者の志望動機の例文
人事の経験者の場合は、即戦力として活躍できる人材として期待してもらえます。具体的にどのような実務に携わってきたのか、貢献したプロジェクトや、数値化できる実績なども交えつつアピールしましょう。
<例文>
「貴社独自の評価方法と、自由な人材の育成方針に高い関心があり志望しました。私は前職で人事に携わっており、とくに人材育成に長く関わってきました。新入社員への研修も実施し、離職率を過去5年と比べて20%ほど引き下げた実績があります。
入社後は、前職で培った経験とスキルを生かして人材の育成に貢献するとともに、これまであまり関わってこなかった採用業務にも積極的に携わり、組織に利益をもたらす人材採用に取り組みたいと考えています」
まとめ
人事の志望動機を作成する際には、Webサイトや求人票から企業が求める人物像を把握し、そのうえで経験やスキルをどのように生かせるかを盛り込みましょう。また、入社後に成し遂げたいことやキャリアパスを明確に示すことで、モチベーションの高い意欲的な人材であるとアピールできます。書き方がわからない方は、例文を参考にしつつ作成してみましょう。
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