インド政府、世界一高い銅像の建設に33億円超を拠出へ
[ニューデリー 10日 ロイター] - インド政府は、グジャラート州での世界一高い銅像の建設プロジェクトに対し、3300万ドル(約33億4400万円)の助成金を拠出する。銅像になるのは、インド国父の1人で初代副首相・内相を務めたサルダール・バッラバイ・パテル氏。
全長182メートルで、米国の自由の女神の倍となる。モディ首相が就任の6カ月前、グジャラート州首相時代に建設に着手した。
パテル氏はネルー初代首相に仕え国家統一の象徴とされているが、しばしばネルー首相と対立していた。パテル像の建設は、インド独立以来続くネルー・ガンジー一族による権力の掌握を打破しようとするモディ首相の意向を反映しているとみられている。
銅像の建設費用は推定3億3800万ドルで、当初はモディ首相とパテル氏の出身地であるグジャラート州政府の支出と寄付金によって賄われる予定だった。
拠出については、ジェートリー財務相が9日に行った2時間以上にわたる予算発表のなかで触れられたが、正当化できるものかどうかをめぐり直ちに議論が噴出。一部のソーシャルメディアでは、この金額が女性の安全対策に割り当てられた予算と同額で、女子教育促進予算の2倍に相当すると指摘する声が聞かれた。
一方、銅像は海外からの観光客にとって主要な新名所になるとして拠出は正当化できるとの声もある。
モディ首相は過去に「(インド人はみな)パテル氏が初代首相にならなかったことを憂えている。もしそうなっていれば、この国の運命も姿もまったく違っていただろう」と発言している。
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